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Not a wine review <7>
テキーラ、と聞けばどういうイメージが真っ先に思い浮かぶだろうか? 現代は、少し昔ほどのパーティー飲み文化も無くなってきているので、親指と人差し指の間をライムで軽く湿らせてから塩を乗せ、それをひと舐めし、テキーラを一気に飲んだあと、ライムをかじる、という一連の「テキーラショット」という「パーティー作法」(別名:若かりし魂への点火)を知らない人も増えているだろうか。 もしくは、マルガリータやテキーラサンライズといったど定番カクテルの材料としても知られているだろうか。 少なくとも、高価なスコッチやブランデーのように、ゆったりと嗜む、というイメージをテキーラに対してもっている人は、かなり少ないと考えられる。

梁 世柱
2月4日


再会 <98> 褪せない伝説
Miani, Chardonnay 2023. もう何年前だったか忘れてしまったが、少なくとも15年以上前のことだ。 当時愛読していたワイン専門誌の表紙を、イタリアのMianiというワインが飾った。 まだまだ時代的には、「超低収量合戦」が繰り広げられていた頃だ。 紙面に掲載されていた、ブルーベリーと見間違えるほど小粒に凝縮したMianiの葡萄は、強烈なインパクトとして目に焼きついた。 すでに入手困難なワインとなっていたため、探し出すのには苦労をしたが、アメリカ中のネットショップ在庫にアンテナを張って、ようやく入手したMianiを口にした時の感動は、忘れられない。

梁 世柱
1月26日


出会い <97> 今こそ見直したい、協同組合産ワイン
Cantine Diverse di Monserrato, Vermentino di Sardegna 2024. ¥3,100 協同組合(生産者組合)と聞くと、一般的なワイナリーとしてのイメージはどうだろうか? おそらく一般的には、「当たり障りのないカジュアルワインを大量生産している。」といったとこだろう。 そもそもそのような形式のワイナリーの実態とは、何なのだろうか? フランスではドメーヌ、英語圏ではエステートなどと呼ばれる、自社畑、自社醸造、自社瓶詰め出荷型のワイナリー(以降、ドメーヌ型と表記)は、その形態でビジネスを始めるための設備投資に、そもそも相当なお金がかかる。 そして、単独で売り上げを立てないと、投資分を回収できないため、リスクも高い。

梁 世柱
1月21日


Wine Memo <37>
Domaine Chaud, Very Bailey Good 2025. ¥2,600 ナチュラルワイン好きを公言している私だが、日本で造られるナチュラル系に関しては、非常に懐疑的だ。 特に亜硫酸無添加と表記してある場合、問答無用で不安定な可能性が高いと疑ってかかる。 色んな意見があるのは承知しているが、少なくとも私は、亜硫酸無添加で頻出するネズミ臭という欠陥を受け入れることができない。

梁 世柱
1月17日


再会 <97> 珍品との再会
Hiruzta, Txakoli Tinto Parcela No.1.7 2022. 珍品好きを自称する私にとって、たまらない再会があった。 また飲みたいと思っているのに、そしてそれほど高いワインでも無いのに、滅多にレストランやワインショップで見かけることがない。 そんなワインが世界中にちらほらとあるのだが、得てして再会の時は不意に訪れるものだ。 美食の都と呼ばれるサン・セバスチャンを擁するスペイン・バスク地方。 カジュアルな郷土料理としては、ピンチョスが非常に有名で、そのピンチョスに合わせる定番の同郷ワインと言えば、チャコリである。

梁 世柱
1月14日


出会い <96> 懐かしいワイナリーの衝撃的な新作
Bodegas Roda, Roda I Blanco 2021. ¥18,000 私がワインを学び始めた20数年前頃、スペインのとあるワインが、なかなかHIPな存在として注目されていた。 モダンリオハの雄と称されることも多い、ロダだ。 当時はロバート・パーカーJr.の影響力がまだまだ絶大だった頃というのもあり、「注目されている」ワインのほとんどが、まるで金太郎飴のように同じ顔をした、「違う国」のワインだった。 率直に言うと、ロダもまたその中の一つ、と言う印象だった。

梁 世柱
1月7日


SommeTimes’ Best Performance Award 2025
本年もまた、一年の締めくくりとなるBest Performance Awardの時がきた。 例年通り、選出基準は単純なコストパフォーマンスや、価格を度外視した品質といったものではなく、総合評価的に、最も強く印象に残ったワインを選出している。 本年は、クラシックとされるようなワイン(かなりの高額レンジも含む)と、日本ワインのテイスティング機会が例年よりも多い年となった。 同時に、クラシックワインとナチュラルワインも、その中間的なタイプも、満遍なくテイスティングを行ったという印象だ。 では、Awardの発表に移ろう。 Sparkling Wine部門 Ultramarine, Blanc de Noirs Heintz Vineyard “Late Disgorged” 2012.

梁 世柱
2025年12月28日


再会 <96> 歴史を創った中国ワイン
Ao Yun, Ao Yun 2019. ¥70,000前後 木を見て森を見ず。 ワインを探究していると、往々にして陥りがちな罠である。 「あの国のワインは、イマイチ。」 ワイン識者らしき人が、迷いなくそう語る姿を目にしたことがある人は多いだろう。 しかし、そのような見解は、ほとんど間違っている。 低レベルなワインというものは、どの国にも等しく存在している。 ワイン大国と呼ばれるような、フランス、イタリアといった国々も例外では無い。

梁 世柱
2025年12月23日


Not a wine review <6>
珍酒、奇酒の類は大好物だ。 日常的に、ワインという、ある意味では世界で最も「常識的」なアルコール飲料と関わっていると、その対極とすら言える存在に、どうも強く惹かれてしまう。 これもまた、ある種の「無いものねだり」なのだろう。 世界各国の珍しい酒と出会うたびに、心が躍る。 その酒が、どのような「変わった」味わいであったとしても、だ。 さて、今回出会った珍酒は、そのインパクトも強烈。 中国山東省青島で造られる、即墨(ジーモー)老酒である。

梁 世柱
2025年12月20日


Not a wine review <5>
日本人のキッチンに欠かせない調味料の一つである「みりん」。 甘味の調整にフォーカスが当たりがちだが、みりんはその豊かなアミノ酸によって旨みとコクも加える。 そして、その甘味そのものも、調味料として重要な他の役割を担っている。

梁 世柱
2025年12月16日


出会い <95> 熟度の境界線
Vino della Gatta SAKAKI, 猫なで声 2024. ¥4,200 日本ワインに良く見受けられる問題として、葡萄の熟度不足が挙げられる。 この熟度とは、単純な糖度だけではなく、ポリフェノールなどの総合的な熟度であるため、その品種とその土地の相性も非常に重要となるのだ。 さて、ここで疑問を抱く人もいるかも知れない。 十分な熟度、と熟度が足りない、の境界線はどこにあるのだろうか、と。

梁 世柱
2025年12月9日


再会 <95> 究極的ブレンド・シャルドネ
Penfolds, Yattarna Chardonnay Bin 144 2021. ¥28,000前後 ワインを順当に学んでいくと、とある一つの価値観に支配されていくことが多い。 我々ワイン人が、「テロワール」と呼んでいるものだ。 その土地とその葡萄が出会ったからこそ生まれた個性。 テロワールという概念は、確かに我々に決して尽きない探究を与えてくれる。 テロワールの究極が「単一畑」という価値観が強いブルゴーニュを基準にすれば、より狭い範囲にその価値が高く宿ると考えることになるが、実際には、クラシックワインの世界ではもっと広範囲でテロワールの価値が認められている。

梁 世柱
2025年12月1日


出会い <94> 日本ワインの新たな方程式
The Rias Wine, Albarino 凪 2024. ¥3,200 日本における現在進行形のワイナリー設立ブームには、不安を覚える側面も多くあるが、希望の光も同時に多く見えている。 その最たる光とは、フランス系国際品種偏重からの脱却だ。 そもそも、ヨーロッパの中には、日本のワイン産地と気候条件がある程度近しい産地が、フランス以外にそれなりにある(むしろ、フランスの中にはあまり無い。)のだが、1980年代以降の日本ワインの発展は、実質的にフランス系品種に支配されてきた。 醸造用ブドウは、ちゃんと熟してこそ、真に意味性をもつ。 適していないテロワールで無理やり育てられ、結果としてしっかりと熟していない葡萄から造られた、密度が極端に低く薄いワインに、「日本らしさ」という言い訳を覆い被せるのは、実にナンセンスだと私は常々主張してきた。

梁 世柱
2025年11月25日


再会 <94> 見つからない伝説
Valentini, Montepulciano d’Abruzzo 2012. この世界に「伝説」とされるようなワインは、意外とたくさんある。 そして、その多くは、伝説と呼ばれる割には、簡単に探し出すことができる。 ただし、プレミア価格がついて二次市場で高額取引されるケースが残念ながら非常に多いため、実際の問題は、見つかるかどうかではなく、その対価を払えるかどうか、になるのだ。 もし誰かが私に、ロマネ・コンティを探して欲しいと頼んできた場合、ヴィンテージと価格にさえ縛りがなければ、数分もあれば探し出すことができるし、そもそも空港の免税店でも売っていたりする。 では、本当に見つからない伝説のワインとはどういうものなのだろうか。 真っ先に思い浮かぶのは、ヴァレンティーニだ。

梁 世柱
2025年11月18日


出会い <93> またまた出会った、最高のイタリアマイナー品種
Vignamato, Lacrima di Morro d’Alba 2022. 完全な専門分野として特化でもしない限り、イタリアのマイナーの地品種ワインは、とてもとても追いきれるものではない。 ブレンドまで含めると、そのヴァリエーションはまさに無数であり、そしてその事実は、我々を永遠に楽しませてくれるものでもある。 ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ、アリアニコ、ネレッロ・マスカレーゼといった高名な葡萄への敬愛はなかなか捨てきれないので、ついついそういったワインに手を伸ばしがちだが、そこに「安心」はあっても、「驚き」はよっぽどのワインでも無い限り、そうそう訪れてはくれない。

梁 世柱
2025年11月10日


Wine Memo <36>
Astobiza, Arabako Txakolina “Pil Pil” 2024. ¥3,200

梁 世柱
2025年11月9日


再会 <93> デキャンタージュは万能薬ではない
Mathilde et Yves Gangloff, Côte Rôtie La Serène Noire 2010. 私は普段、無闇にデキャンタージュすることを、非推奨としている。 長い間瓶の中で強い還元的状態に置かれていたワインを、ウルトラデキャンターのような大きなデキャンタに移してしまうと、急激な酸化によって、ある種の過呼吸的なパニック状態に陥ることがある。 そのワインが秘めていたあらゆる繊細さが失われ、豊かな香りは消えさり、果実味は二次元的になる。 そのような最悪の結果を避けるために、デキャンタージュするかの判断は、極めて慎重に行うべきだと考えている。

梁 世柱
2025年11月3日


Wine Memo <35>
Arnoux-Lachaux, Vosne-Romanée 1er Cru Les Chaumes 2013. 先代のワイン、と聞くと、不思議とロマンの香りが漂ってくる。 ただしそのロマンは、往々にしてノスタルジアに似たものであり、ワインそのものの素晴らしさとは、少し評価の軸がずれたところにポイントが置かれていることも多くある。(その逆もまた然りだが。) 今回のWine Memoで取り上げたいのは、ブルゴーニュの「先代」ワイン。 ヴォーヌ=ロマネ村の古参ドメーヌとして知られたロベール=アルヌーが、2008年に改称して誕生したのが、アルヌー=ラショーだ。

梁 世柱
2025年10月31日


出会い <92> 中国ワインの巨星
Dan Sheng Di, Célèbre Red 2018. もう、6~7年前だろうか。私が初めて最高峰の中国ワインをテイスティングしたとき、少なからずショックを受けた。 今ではすっかり日本国内でも知名度が上がったAo Yunは、日本で造られる同形品種のワインが(品質的に)到達することが極めて難しい領域にすでにいると、認めざるを得なかった。 もちろん、品質だけがワインの全てではない。 その国、その産地だからこそ成し得た個性には、素晴らしい価値が宿る。 ただし、ワインをそのような価値観でもって受け止めることができる人は、国産バイアスが強烈にかかる初心者か、あらゆる国々のワインを飲み重ねてきた、歴戦の玄人くらいなものだ。

梁 世柱
2025年10月28日


再会 <92> 折衷派バローロの真髄
Aldo Conterno, Barolo Bussia Cicala 2017. ブルゴーニュの爆発的な高騰が終息しないなか、いわゆる「グラン・ヴァン(偉大なワイン)」を飲みたいと思った時、私の食指がバローロ・バルバレスコへと動くことは格段に増えた。 かねてから、最上クラスのバローロ・バルバレスコは、ブルゴーニュに対しても全く見劣りしないと考えてきたが、これほど価格差が開いてしまうと、もはや私には偉大なブルゴーニュを自ら買って楽しむ「言い訳」を探すことが不可能となっている。 ブルゴーニュのグラン・クリュ一本に10万円を支払うなら、最高のバローロを4本飲みたい、というのが私の本音である。 さて、そんなランゲ地方の雄たちだが、現在はモダン派、古典派、折衷派の3大スタイルが共存している。

梁 世柱
2025年10月21日
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