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ナチュラルワイン 開かれた問いと責任の所在 (無料公開)
SNSで、とある飲食店の店主が執筆したと思われるエッセイを目にした。理路整然とした実に素晴らしい内容で、共感できる部分も非常に多くあった。 しかし、情緒、感情、対話を重視するあまり、少々危うい理論の飛躍に至っていると感じる部分も少なからず見受けられた。 エッセイの根幹部分は大変素晴らしい主張であるため、ジャーナリストとして真正面から然るべき異議を唱えつつ、理が弱いと感じる部分を補完していこうと思う。 当該エッセイの内容を、 「前提」「主張」「結論」 の三層に分けて要約すると、以下の通りとなる。 前提 ワインは、人間だけでなく、土壌中の微生物、酵母、気候、セラー環境など、多数の非人間的要因との相互作用のなかで生成されるにもかかわらず、一般的な品質論では「人間は技術によってワインを制御できるはずだ」という前提が置かれやすい。 その制御とは、培養酵母やSO₂などを通じて、人間以外のアクターの働きを抑制・排除することでもある。 また、香りやフレーバーの知覚は、遺伝、文化、文脈、期待、体調、情動などに強く条件づけられており、万人にとって一義的・客観的ではな
梁 世柱
1 時間前


浜焼きとの世界最強ペアリング
私は昔から、生粋の肉好きだ。 だが、最近は正直、少々重く感じるようにもなってきた。 昔はあまりよく分かっていなかった「脂の甘み」とやらの素晴らしさに、せっかく目覚めたというのに、その脂の処理に胃と新陳代謝が追いついてくれないのは、なんとも悲しいものだ。 そんな肉の代替として、私の食生活で主役級となりつつあるのは、魚介類。 アメリカに住んでいた約10年間は、どうしても鮮度の高い魚介類を買うことが難しかったというのも、私が肉食へと強く傾いた理由の一つだが、やはり日本の魚介は抜群に美味い。 そして、マイブームとなりつつある魚介類の食べ方が、魚介版BBQとも言える 「浜焼き」 である。 浜焼きでも魚は焼くが、主に貝類、甲殻類、そしてイカが浜焼きの主力。 生けすから出したばかりの貝が、網の上で「踊る」姿は、これでもかと食欲を掻き立てるものだ。
梁 世柱
2 日前


SommeTimes’ Académie <135>(イタリア・ロンバルディア州: Part.4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ロンバルディア州 について学んでいきます。 北イタリアのロンバルディア州は、極めて多様性に富んだワイン産地となります。スパークリングワインで知られる産地、赤、白それぞれの主要産地、そして、まさに「何でもあり」となるD.O.C.の存在など、しっかりと整理して捉えなければ、非常に複雑だと感じることも多い州です。 ロンバルディア州編第4回は、イタリア屈指の複雑怪奇なD.O.C.として知られる、 Oltrepo Paveseについて学んでいく後編 となります。 Oltrepò Pavese D.O.C. Oltrepo Paveseは単一の品種やスタイルにフォーカスしたD.O.C.ではなく、数多くの品種、広範囲の製法を規定した巨大な包括型となります。 その多面性故に、「何でもあり」系D.O.C.の代表格とみなされることも多いOltrepo Paveseですが、丁寧に紐解いてい
梁 世柱
5 日前


出会い <102> 銘醸地の共通チャレンジ
Tiberini, Maturato 2024. 現在、世界各国の銘醸地、特に赤ワインで名高い産地において、 白ワインへの挑戦 という共通する変化が起きている。 背景にあるのは、 気候変動によるアルコール濃度の高止まり と、 食のライト化に伴う「重たいワインの人気低迷」 だ。 伝統が深く根ざしている産地であればあるほど、変化を受け入れることは容易ではないはずだが、それでも多くの産地が前を向いているのは、素晴らしいことだと思う。 ただし、その挑戦は まだまだ日の目を見ていない のが現実だ。
梁 世柱
7 日前


天津飯とペアリングチャレンジ
何となくまた、私の町中華熱が再燃している。 そしてなぜかこのマイブームが戻ってくるたびに、好きな料理が変わるのだが、今はもっぱら 天津飯 だ。 さて、この天津飯、実に謎めいた料理でもある。 中国の直轄市(省と同等の行政区画で、都市の最高位)である天津市を思わせる名前がついていることから、さぞかし伝統的な中国料理と思うかも知れないが、 天津飯は「和製中華料理」 だ。 一応の起源は、正統な中国料理である 「芙蓉蟹」(所謂かに玉) 。
梁 世柱
4月6日


SNSを荒らした、自然派を「装った」ワインとは
突然、「日本ワイン 自然派」というキーワードで、SNSが荒れ始めた。 何を今更?と思いながら読み込んでいくと、日本ソムリエ協会の田崎真也名誉会長が、 「日本の自然派を装ったワインの98%は、飲めたものではない。あのようなものがワインを初めて飲む人の口へ渡ったら大変だ。」 という旨の発言をされたようだ。 ここぞとばかりに便乗して、多くの人々がわけもわからないまま「自然派を装った日本ワイン」らしきものを糾弾している様子は、滑稽としか言いようが無いが、なかなかの荒れ具合なので、一応丁寧に読み解いて、レスポンスしていこう。 あくまでも、その発言があった場に私自身が居合わせたわけではなく、 文脈の無い切り抜きに対してレスポンスをすることになるため、文脈を含めた正しいニュアンスに対する批評とはなり得ない ことを、ご理解いただきたい。
梁 世柱
4月5日


SommeTimes’ Académie <134>(イタリア・ロンバルディア州: Part.3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ロンバルディア州 について学んでいきます。 北イタリアのロンバルディア州は、極めて多様性に富んだワイン産地となります。スパークリングワインで知られる産地、赤、白それぞれの主要産地、そして、まさに「何でもあり」となるD.O.C.の存在など、しっかりと整理して捉えなければ、非常に複雑だと感じることも多い州です。 ロンバルディア州編第3回は、イタリア屈指の複雑怪奇なD.O.C.として知られる、 Oltrepo Pavese について学んでいく前編となります。
梁 世柱
4月2日


再会 <102> 熟成プレスティージュシャンパーニュ
Louis Roederer, Cristal 2002. シャンパーニュはワイン だ。 当たり前のことなのだが、シャンパーニュがワインであるという前提を忘れると、扱い方を間違ってしまうことがある。 特に、慎重になるべきなのは、 熟成 に関して。 シャンパーニュには様々なタイプ/カテゴリーがあるが、ポテンシャルに基づいて、ブルゴーニュ方式で大枠の整理をすると以下のようになる。
梁 世柱
3月31日
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