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レッツィーナの面白い可能性
皆さまこんにちは。 乃木坂しんの飛田です。 最近では周囲に独立された素晴らしいソムリエ、ソムリエールが増えてきており、その働き方の多様性を間近で見ながらますます面白い時代になってきたぞと可能性を感じつつ、自分においては危機感を感じる日々を過ごしております(苦笑)。 とは言いつつ、私自身も店舗以外のお仕事の機会を少しずついただいているので、様々なペアリングを考えていく際に、何かこう、「 困ったときのこれ1本 」となる複数のポジションをこなせる ユーティリティープレイヤー的存在 をいつも探しており、今日はそんなワインの中から1本をご紹介させていただきます。 そう、それはタイトルにも上げた「 レッツィーナ 」というワインです。 ソムリエの方はもちろん知っているのですが、一般の方には全く馴染みのないワインでしょうか。いや、ソムリエさんも教本で読んだだけで知らない、テイスティングしたこともない、という方ももしかしたら多いかもしれません。かくいう私もそうでした(笑)。 松脂を醸造時に添加して造る レッツィーナは、ギリシャにおける 伝統的ワイン...

SommeTimes特別寄稿
2023年5月19日


インバウンドゲストへのアプローチ
皆さんこんにちわ。ソムリエの矢田部です。 今回はホテルソムリエとして、海外ゲストのワインオーダーの、最近の傾向と対策をお話しさせていただきます。 インバウンドゲストの現状 まずはインバウンドゲストの現状として。 私が勤務している東京エディション虎ノ門では、 レストラン、バー利用者の80% 近く、 宿泊滞在者の90% 近くが、海外ゲストとなっています。 昨年12月半ばから渡航のボーダーが開けたことにより、ホテルの稼働と宿泊料金が爆あがりしている状況です。最も安い宿泊料金は10万円を超えていて、素泊まりでも1泊1室15万円から20万円のハイレートになっています。これはエディションが特別という状況ではなく、都内の外資系ホテルではどこでも同じことが起きています。恐らく、もっと高い宿泊料金設定になっているホテルも、少なからずあると思います。 この状況になると当然、今までご利用していた国内ゲスト、リピーターは宿泊出来なくなり、宿泊も兼ねた新規インバウンドゲストのレストラン利用がメインになって行きます。 国籍の割合は 中国系が40%、USAが30%、EU圏が2

SommeTimes特別寄稿
2023年5月6日
![生まれ変わるドイツ [New German Wine Law]](https://static.wixstatic.com/media/568330_bb1322beb9b446089482311d756edb14~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/568330_bb1322beb9b446089482311d756edb14~mv2.webp)
![生まれ変わるドイツ [New German Wine Law]](https://static.wixstatic.com/media/568330_bb1322beb9b446089482311d756edb14~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/568330_bb1322beb9b446089482311d756edb14~mv2.webp)
生まれ変わるドイツ [New German Wine Law]
伝統的な文化やしきたりを守る事に人間は固執する。 「日本古来の伝統を守る。」 「先祖代々そうしてきたからそれに従う。」 我々日本人もそれが好きな人種である。 「伝統に背く。」 「新しく何かを変えよう。」 と運動を起こすと、他方から強制の圧力が強くかかるのは必然といえる。 ワインの法律に対しても、勿論それは例外ではない。特に歴史ある生産国程、様々な障害や問題が付き纏う。 ある国で今正にその伝統へ正面から向き合い、国を挙げて一新しようとする大きな動きが見られる。 それは国民性を見ても勤勉でルールを遵守することに重きを置く、旧世界生産国 ドイツ である。 去年の8月末日、幸運にもドイツを訪れる機会に恵まれた。まだまだ日本も残暑を感じる夏の終わりだった。 今回はドイツ・ワインインスティテュート(DWI)が発足した、世界13か国共通の教育制度 German Wine Academyの、日本における運営オフィスWines of Germany様のご招待によりラインガウとラインヘッセンを巡るプログラム。 元々三年前にお声がけいただいた案件ではあったものの

SommeTimes特別寄稿
2023年4月8日


フランスワインの多様性
フランスワインの特徴とは何でしょう? どうしても一部の有名産地に偏りがちなのですが、実はその 多様性 にこそ魅力があると私は思います。 そして、フランスワインを深掘りしていくと見えてくる面白さが、 フランスという国そのものの多様性 。 それぞれの地方の 気候、民族、文化が影響しあい、歴史を積み重ねてきた集合体 。 それは、ワインにも現れております。 また、ワインと料理の結びつきが昔から強く、 地方料理とその土地のワインのペアリング を楽しむ文化があります。 実はここに、 ペアリングを考えるヒント があります。 ペアリングのポイントとなる、 土地を合わせる という考え方。 その土地柄、気候風土に根付いた料理とワインの組み合わせは理にかなったものが多く、特にフランス地方料理の場合は、 古くから合わせられ取捨選択をされてきた歴史 があります。 お勧めする上での ストーリー性 があり、イメージ共有がしやすく説得力があります。 私がペアリングを考えるうえでのポイントとして、お料理の味わいなどを分析し、どのパターンにするのかと理論立てて検討するのですが、イメ

SommeTimes特別寄稿
2023年3月18日


グレドスワインの軌跡
スペインの首都、 マドリード の中心部から車で約1時間の距離にある グレドス山脈 は、首都圏に住む人々の間で人気のハイキング場所だ。 週末ともなれば、家族連れの観光客が遠足気分を満喫している。 東京に例えるなら高尾山のような感覚だろうか。 その場所が今や、 世界に知られるワイン産地 になるとは、20年ほど前には想像もできなかったであろう。 絶景のハイキング場所は、標高500mから1000m超だが、中心部が500mの標高に位置するマドリードからの移動は、山を登ってきた感覚はない。ハイウェイで向かっていくと、美しい壮大な山脈が出迎えてくれる。険しい山間に葡萄畑があるのだが、まるで何十年も我々を待ってくれていたような、いや安易に近づいてはいけないような、おどろおどろしくも見える 古樹 達が点々と植っている。 今や高級ワイン産地として、まさに 「穴場」的な場所からのシンデレラストーリー をもつ産地だが、スペインの中で、このような形で高級ワイン産地として世界中から注目を浴びた場所は、約30年前の プリオラート 以来であろうか。 ほとんどのぶどう畑は 6

SommeTimes特別寄稿
2023年3月2日


フリーランスの観点から考察する、地方とワイン
ソムリエ朝倉達也です。 フリーランスとして独立をし、自らの会社を設立してちょうど1年が経った。 いざ自身で始めると今まで知らなかった事が本当に多いことに気が付いて、まだまだ至らぬ点は多いながらも独立して良かったと感じている。...

SommeTimes特別寄稿
2023年2月17日


未来のワインリストを考える(後編)
前編の記事を読んで頂き有難うございます。 まだの方は、良ければ御読み下さい。 そもそもワインリストは必要なのか? 皆さんはどう思いますか? 1.業態別による必要性 以下の三つの業態に分けて考えてみたいと思います。 ①ワインバー ②ビストロ ③ファインダイニング ①ワインバー...

SommeTimes特別寄稿
2022年11月18日


まだまだ未知の世界、カナダワインについて
プロローグ SOMMETIMESでワインを勉強している方や、常に情報のアップデートを欠かさない方々にとっては、「カナダ」というワイン生産国はきっと定期的に登場し、そんなに珍しくはないワイン生産国かと思いますが、世界各国のワインを幅広く扱う機会のあるプロフェッショナルの方だけ...

SommeTimes特別寄稿
2022年10月29日


バロッサ・ヴァレーのイメージを覆すYelland & Papps 〜ミニマム・インターヴェンションの要「適地適品種」のブドウ〜
オーストラリア、バロッサ・ヴァレーのニュースターYelland & Pappsイエランド・パップス。 スーザンとマイケルのカップルが手掛けるワインは、日本入荷がまだ昨年10月に始まったばかり。生産量もとても少ないので、見かけたらぜひ飲んでみて欲しいワインを今回はご紹介します...

SommeTimes特別寄稿
2022年10月20日


巨匠から新世代の象徴へ
今回ご紹介するのは、アルザスに於いて最も著名と言っても過言ではない作り手、マルセル・ダイス。テロワールへの並々ならぬ情熱はAOC法の改正まで成し遂げ、ボトルに品種名の記載を行わなくて良くなる等の革新を齎した。 基本的には混植によるテロワールの表現を至上とするマルセル・ダイス...

SommeTimes特別寄稿
2022年10月14日


Think Simple
Sommetimes読者の皆様、こんにちは。 ライターの森本 浩基です。 暑さが少し和らぎ、これからより一層ワインが美味しく感じる季節ですね。 さて今回は、ワインを飲むシチェーションのお話です。 シェフ自慢のスペシャリテと共に、ピカピカに拭き上げられた上質なグラスでソムリエ...

SommeTimes特別寄稿
2022年10月6日


え!そんなことするの?
「え!そんなことするの?」 20年前にフランスで思った正直な感想だ。 当時僕は22,3才だったかな。日本ではバーテンダーとして数年働いたあとフランスにわたって少しの間、現地で働いてみた時に思ったこと。ワインの勉強でというとかっこいい感じに聞こえるけど、単純に海外に出てみたか...

SommeTimes特別寄稿
2022年9月29日


98の勇気
まるでそこは、忘れ去られたかのような小さな集落が甦る、山梨県甲州市、塩山の福生里(ふくおり)。 塩山の美しく古い街並みの中には古寺も多く、武田信玄公の菩提寺 乾徳山恵林寺もある。一面に広がる葡萄畑や、多くのワイナリーが点在する同じ甲州市の勝沼近辺からは少し外れた、言わば山奥...

SommeTimes特別寄稿
2022年9月22日


新時代のテロワール・アルゼンチン
アルゼンチンにテロワールはあるのか。 そりゃあるだろう。何をいっているんだといわれそうだ。テロワール=土地の個性、だと狭義に翻訳しても、それがない場所は地球上にどこにもない。良し悪しはあるとしても。 なんでそんな当たり前のことを聞くのかって?それはアレですよ、改めて考えてみ...

別府 岳則
2022年9月15日


スペインワイン再認識 リオハ
日本に戻り、再びワイン業界で働き始めて約2年半が経ちました。 これまでインポーターだったこともあり、最初は戸惑いながらの仕事でしたが、今はお客様の声を直接聞きながらワインを提案することにやりがいを感じています。 そのような中で書く今回ですが、今までは1本のワインについて色々...

SommeTimes特別寄稿
2022年9月9日


多雨な日本でのワイン造り
雨のない日が続いた昨年の生育期とは打って変わって、平年よりも雨が降りすぎている今年の北海道・北斗市。今回は日本でのブドウ栽培の大敵、多雨について考えてみます。 ご存じの通りブドウにとって水分の欠乏は、(程度はあるものの)ワインになるブドウにとっては良いことと捉えられています...

SommeTimes特別寄稿
2022年9月1日


セミヨンという選択肢
福岡市は今年(2022年)、ボルドー市と姉妹都市を締結して40周年を迎える。 福岡市とボルドー市の交流の歴史は長く、1977年に当時の九州日仏学館館長から両市縁組の話がもち込まれ、その後、九州大学とボルドー大学の姉妹校提携など市民レベルでも交流を重ね、類似箇所が100箇所以...

SommeTimes特別寄稿
2022年8月26日


ワインとコーヒーの考察 ②
前回のコラムでは"Specialty Coffee"と"時代の変遷"に関して記しましたが、"フレーバーホイール"を中心に コーヒーとワインがいかに近しいものかに関して考察していければと思っています。 皆さんはワインをどのように表現していますでしょうか?...

SommeTimes特別寄稿
2022年8月11日


シャンパーニュにおける「旨味」への考察
うまみとは何か 1908年にだし昆布の中からグルタミン酸を発見したことが、「UMAMI」という味わいの はじまりです。2000年になり、舌の味蕾にある細胞にグルタミン酸受容体が発見されたことにより、従来の甘味・酸味・塩味・苦みに加え、うま味の実在が世界的に広く認知されるに至...

SommeTimes特別寄稿
2022年8月5日


【コルク抜き、ソムリエナイフの歴史について】
こんにちは、恵比寿にあるワインショップ、ワインマーケット・パーティーの沼田です。 今回は抜栓に使われるソムリエナイフなど、 コルクスクリュー の話を一つ。 コルク抜きの原型は、おそらく 17世紀 、銃筒を掃除する為に使われていたスクリュー(螺旋状の道具)か、それを改造したものに違いないとされています。 そのスクリューは先込め式銃や拳銃用のさく杖(銃身の中を手入れする細長い金属棒)の先に付いていて、詰まった銃弾や不発の弾薬を取り除くのに、ちょうどワインのコルク栓を抜くのと同じ要領で使われていました。 屋外にあっては瓶の中にあるコルクを抜く行為は容易なものではなかった時代があったことから、この偶然の一致は、兵士や猟師達を大いに喜ばせたのではないでしょうか。 それよりも以前の時代、 ワイン栓の原型はなんと液体 でした。 ギリシア人はワインを運ぶ時、ボトルに封をする方法として 松脂 を使用していました。

SommeTimes特別寄稿
2022年8月4日
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