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SommeTimes’ Académie <162>(イタリア・バジリカータ州2: Et cetera)
前回は、バジリカータ州を代表する赤ワイン、Aglianico del Vulture D.O.C. と Aglianico del Vulture Superiore D.O.C.G. について学びました。 第二回となる今回は、残る二つの重要度が高いD.O.C.を取り上げます。 州東部に広がる Matera D.O.C.と、伝統的な洞窟セラーの文化を持つ Grottino di Roccanova D.O.C.です。 Aglianicoを中心とするVultureとは異なる葡萄品種やワイン造りを通して、バジリカータ州の多様性を学んでいきます。

梁 世柱
15 時間前


再会 <115> クラシック・オレンジ
La Castellada, Ribolla Gialla 2018 オレンジワインは、もう珍しい存在ではなくなった。 かつては一部の愛好家や、ナチュラルワインを専門とする店でしか出会えなかったものが、今では世界各地で造られ、白でも赤でもロゼでもない、独立したカテゴリーとして認識されるようになった。 ジョージア、イタリア、スロヴェニアを代表格とするオールドワールド各国。 そして、日本すらも含む、世界各地のニューワールドワイン産出国。 造り手とそれぞれの文化的背景が増えれば、当然ながら解釈も増える。 軽快でフルーティーなもの。 和紅茶のようなタンニンを持つもの。 濃密で、酸化的で、強烈な存在感を放つもの。 これほど表現の幅が広がったということは、カテゴリーとしての成熟も意味するのだから、大いに歓迎すべきだ。

梁 世柱
3 日前


鹿肉のローストと、秋冬の赤ワインペアリング
秋から冬へ向かう頃。 ジビエの代表格である鹿肉にとっても、特別な季節だ。 牛肉と比べれば、脂は明らかに少なく、羊肉のような脂そのものの個性的な香りも、それほど強くない。 その代わりにあるのが、締まった赤身と、鉄を思わせる味わい、そしてほのかな野性味だ。 もっとも、鹿肉は「臭い肉」ではない。 適切に処理された鹿肉は、むしろ牛肉にも近い、すっきりと上品な赤身肉である。

梁 世柱
5 日前


SommeTimes’ Académie <161>(イタリア・バジリカータ州1: Vulture)
今回から、南イタリア、バジリカータ州のワインについて学んでいきます。 カンパーニア、プーリア、カラブリアに囲まれたバジリカータは、山岳地帯が広がる、起伏の激しい州です。 この州のワインを代表するのが、北部のヴルトゥレ火山周辺で造られる、Aglianico del Vulture。 強い日差しを受けて成熟した黒い果実、豊かな凝縮感、屈強なタンニン。 そして、山岳地帯の寒暖差によって保たれる酸。 これらの要素が重なり、Aglianico del Vultureには、南イタリアの赤らしい力強さと、長期熟成に耐える構造が備わっています。

梁 世柱
10月13日


出会い <114> 掘り出し物の極上スパークリング
Mas Bertran, Argila Vinyes Velles de Xarel·lo 2013 スパークリングワインの世界で、カヴァほど「安いのにちゃんとしている」という評価に長く縛られてきた存在も、そう多くない。 瓶内二次発酵。 長い澱熟成。 伝統品種。 愚直なほど真面目に造られているのに、シャンパーニュと並べられた瞬間、価格は急に現実的になる。 消費者にとってはありがたい話だが、造り手にとっては、ずいぶん複雑だろう。 実際、カヴァは長く大量生産と低価格のイメージを背負ってきた。

梁 世柱
10月11日


かぼちゃの煮物とペアリング
秋になると、かぼちゃが美味しくなる。 もちろん、一年中スーパーには並んでいるが、夏から秋にかけて収穫されたかぼちゃは、少し時間を置くことでデンプンの一部が糖へ変わり、甘みが増していく。 秋の深まりと、かぼちゃの甘味は、どうやらシンクロしている。 そんなかぼちゃの、日本らしい食べ方といえば、やはり煮物だろう。

梁 世柱
10月9日


SommeTimes’ Académie <160>(イタリア・ウンブリア州4: Torgiano)
ウンブリア州編の最終回となる今回は、Torgianoについて学んでいきます。 第一回では、古典的な白のブレンドである Orvieto D.O.C.。 第二回では、品種の個性が前に出る Spoleto D.O.C.のTrebbiano Spoletino と Todi D.O.C.のGrechetto。 第三回では、ウンブリア赤の中心であるMontefalco Sagrantino D.O.C.G. と Montefalco Rosso D.O.C. について学びました。 前回学んだSagrantinoは、強いタンニンと深い果実味が、強烈な個性となる葡萄でした。 一方、今回のTorgianoでは、重心が少し変わります。 中心になるのは、Sangiovese。 Montefalco Sagrantinoのような圧倒的なタンニンではなく、赤い果実、酸、熟成による落ち着き、そして中部イタリアらしい古典性が重要になります。

梁 世柱
10月6日


再会 <114> アルバリーニョが未来を担う
Domaine Sogga, Albariño 2025 日本ワインのラベルに、アルバリーニョの名を見かけることが、もう珍しくなくなってきた。 もちろん、その始まりを語るなら、新潟ワインコーストは避けて通れない。 日本はどこにいっても結局、ワイン用葡萄の栽培地としては、多雨多湿の範疇にある。 生育期や収穫期に雨が集中することは、年間降雨量の数字以上に大きなデメリットにもなる。 そんな葡萄にとって決して楽ではない環境で、試験栽培された数多くの品種から、アルバリーニョが結果を残した。

梁 世柱
10月3日


いちじくと生ハムに、辛口ペアリングで挑戦
いちじく、生ハム。 そこへ少しのオリーヴオイルと、黒コショウ。 もはや料理と呼んでいいのか少し迷うほど、材料が少ない。 だが、こういう料理ほど怖いとも言える。 いちじくが水っぽければ、その水っぽさがそのまま皿に出る。 生ハムの質が悪ければ、塩気と脂が不快に浮きあがる。 オリーヴオイルの香りが貧相なら、わざわざ垂らす意味すら消失する。 そう、この料理には、調理でごまかす場所が、全くと言っていいほど、残されていないのだ。

梁 世柱
10月2日


SommeTimes’ Académie <159>(イタリア・ウンブリア州3: Sagrantino)
第一回では、古典的な白のブレンドである Orvieto D.O.C.。 第二回では、品種の個性が前に出る Spoleto D.O.C.のTrebbiano Spoletino と Todi D.O.C.のGrechetto。 ここまで、ウンブリアの白について学んできました。 今回からは、ウンブリアの赤がテーマとなります。 そして、その中心にあるのが、Sagrantinoです。 ウンブリアを代表する赤ワインとして、Montefalco Sagrantino D.O.C.G. は広く知られた存在です。今回は、Montefalco Sagrantino D.O.C.G. と、その周辺にある Montefalco Rosso D.O.C. を通して、ウンブリア赤の中心を学んでいきます。

梁 世柱
9月29日


出会い <113> ウルバリーニョ
Viñedo & Bodega Bouza, Albariño 2024. ウルグアイワインと聞けば、まずタナが思い浮かぶ。 いや、むしろタナしか思い浮かばない、というのが正直なところだ。 ウルグアイを代表する葡萄として、「ウルタナ」の愛称で呼ばれることもあるほど、あまりにも強く定着しているのだから、まぁ仕方はないだろう。 だが、現在のウルグアイをタナだけで理解しようとすると、かなり重要なものを見落とすことになるのかもしれない。 ウルグアイで造られたアルバリーニョを初めて飲んだ瞬間、私はそう説得された気がしたのだ。

梁 世柱
9月27日


しいたけの肉詰めとの、秋色ペアリング
秋になると、しいたけが食べたくなる。 今でこそ、肉厚のしいたけを見つけると、それだけで少し嬉しくなるのだが、子どもの頃はそうでもなかった。 むしろ、少し苦手だった記憶がある。 噛んだ瞬間にジュッと出てくる、あの独特の水気。 土なのか、木なのか、何なのかよくわからない香り。 そして、妙に存在感のある食感。 子ども舌には、少々情報量が多かったのかも知れない。 ところが、大人になると不思議なもので、その嫌だったところが、気付いた時にはだいたい全部好きになっていた。

梁 世柱
9月25日


SommeTimes’ Académie <158>(イタリア・ウンブリア州2: その他白)
前回は、ウンブリア州白の入口として、Trebbiano Toscano / ProcanicoとGrechettoを中心に構成される、古典的な白ワインであるOrvieto D.O.C. を学びました。 今回は、Orvieto以外に重要なウンブリアの白を取り上げます。 中心になるのは、Spoleto D.O.C.のTrebbiano Spoletino。 そして、Todi D.O.C.のGrechetto。 Trebbiano Spoletinoは、同じTrebbianoという名前を持ちながら、Trebbiano Toscano / Procanicoとは性格が異なります。 Grechettoも、Orvietoのブレンド要素としてだけでなく、Todiではより品種そのものの存在感を強く示します。

梁 世柱
9月22日


色眼鏡
顔を知るほど、そのワインを厳しく評価することは難しくなる。 ジャーナリストである私にとって、この問題はとりわけ重くのしかかる。 だが、造り手を訪れることもあるソムリエやカヴィスト、ワインメーカーズディナーなどで造り手と親しくなる一般消費者にとっても、全く無縁な話ではない。 私自身は、公平公正を掲げるジャーナリストとして、造り手との距離感をできる限り丁寧に、慎重に築くよう心がけている。 それでも、完全に冷酷であることは難しい。 畑を一緒に歩き、ひんやりとしたセラーで樽に囲まれながら話を聞く。 なぜこの土地を選んだのか。 なぜこの品種を植えたのか。 なぜ収穫を三日待ったのか。 なぜ全房比率を上げたのか。 そうして一本のワインの向こう側にある時間を知ってしまう。

梁 世柱
9月17日


SommeTimes’ Académie <157>(イタリア・ウンブリア州1: Orvieto)
今回から、イタリア中部、ウンブリア州のワインについて学んでいきます。 ウンブリアは、トスカーナ、ラツィオ、マルケに囲まれた内陸の州です。 海に面していないため、テロワールを理解するうえでは、丘陵、谷、川、湖、そして内陸性の気候が大切になります。 ウンブリアを代表するワインというと、白のOrvieto、赤のSagrantino di Montefalcoの名が真っ先に挙がりますが、他にも地ワインらしい素朴さと個性を兼ね備えたワインが造られています。 第1回のテーマは、Orvieto D.O.C.。 Orvietoは、ウンブリアを代表する白ワインであり、イタリアの中でも最も名の通った白ワインの一つとしても知られています。

梁 世柱
9月15日


出会い <112> 信頼のマーク
Fioretti Brera, Arghilos 2022. ワインの世界には、大小様々な生産者団体がある。 その団体が何を志しているのか。 そして、その厳格さと覚悟がどこまで実体を伴っているのか。 そこによって、生産者団体が正直全く意味をなさないこともあれば、その逆もまたある。 例えば、私がイタリアワインにVignaioli Indipendentiのマークを見た時、それはかなり高い確率で後者として機能する。 つまり、信頼の入口になる。

梁 世柱
9月13日


ノンアルに問う
ノンアルコールワインという言葉を、ずいぶん普通に見かけるようになった。 酒を飲まない人、飲めない人、今日は飲みたくない人にも、食卓で同じワイングラスを持つ選択肢が用意される。 ノンアルで通さねばならない事情のある人が、理不尽な疎外感を感じずに済む。 これは、非常に良いことだと思う。 酒を飲まないからといって、烏龍茶か水の二択を迫られなくなることに異論は全くない。 だから私は、ノンアルコールワインを一方的に偽物扱いする気にはなれない。 そもそも、現在ノンアルコールワインと呼ばれているものの代表的な製法は、一度きちんとワインを造り、その後アルコールを取り除くというものだ。 つまり、生まれからして偽物、というわけではない。 少なくとも一度は、本当にワインだったのだから、それらを単純に「葡萄ジュース」と片づけるのも、確かに正確ではない。 ただ、それでも私はノンアルコールワインという存在に、どうにも拭えない退屈さを感じる。 理由は単純だ。 発想が、最初から代替品だからである。

梁 世柱
9月10日


SommeTimes’ Académie <156>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州4: 赤ワイン後編)
ヴァッレ・ダオスタ州編の最終回となる今回は、Petit Rouge以外の土着黒葡萄について学んでいきます。 Petit Rougeは、ヴァッレ・ダオスタの赤における大切な軸になりますが、この州には他にも魅力的な黒葡萄があります。 Fumin。 Cornalin。 Mayolet。 Prëmetta。 Vuillermin。 こうした聞き慣れない名の土着黒葡萄こそ、ヴァッレ・ダオスタという産地の特殊性をよく伝えています。 小さな谷間で細々と生き残ってきた品種が、ヴァッレ・ダオスタに奥行きのある表情をもたらしているのです。

梁 世柱
9月8日


再会 <112> 壊れたナチュラルワイン
Jérôme Jouret, Java 2021. どこまで行っても私はワイン愛好家だ。 残念な思いをしたからといって、そのワインを完全に見捨てるということは基本的にしない。 よくなっているかも知れない、という願いを込めて再訪することは、決して珍しくないのだ。 ただし、それは私があくまでも飲み手だから、と言えるのかも知れない。 例えばワインバーが、あるボトルを数年間寝かせるとする。 このワインには、時間が必要かもしれない。 予測と願いを背負いながら、ボトルはセラーの一角に置かれ、季節を越え、ヴィンテージを越え、誰かに開けられる日を待つ。 ワインバーにとって、それは単なる保管ではない。 スペースを使い、資金を寝かせる。 そして何より、そのボトルをいつ、誰に、どんな文脈で出すのかという判断を背負う。 だからこそ、数年を経て開けられたワインが、一時間ともたず壊れていく光景には、なかなか厳しいものがある。

梁 世柱
9月5日
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