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Advanced Académie <25> テロワールとワイン vol.1 外観
本稿から数回に渡って、「テロワール」が実際にワインに対してどのような影響を及ぼすのかを検証していく。 このような検証を行う際に 最も気をつけるべき なのは、 ワインという飲み物は様々な要因が極めて複雑に関係性を築きながら最終的な形へと繋がっていくという、紛れもない事実 である。 つまり、 ただ一つの要因だけを抜き出して、「結果」と直接的に結びつけてしまった場合、往々にして不正解となる ということだ。 第一回となる本稿では、 ワインの外観とテロワールの関係性 を探っていく。 なお、白ワイン、ロゼワイン、オレンジワインに関しては、テロワールよりも醸造手段が与える影響の方が遥かに強いため、今回の検証は 赤ワインに限定 して行っていく。 黒葡萄は(品種にもよるが)基本的には、 日照量が多く、紫外線が強いほど、果皮が濃い色調になる 。 つまり、標高が高く、開けた場所になるほど、同じ葡萄でもより濃い色調になる傾向があるということだ。

梁 世柱
2022年10月9日


SommeTimes’ Académie <33>(ワイン概論29:シャンパーニュ醸造 5)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、スパークリングワインの世界的スタンダードであるシャンパーニュの醸造フローを学んでいきます。 醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。 SommeTimes Académie では、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 なお、煩雑なシャンパーニュ醸造のシリーズにおいては、なるべく理解を容易にする

梁 世柱
2022年10月4日


SommeTimes’ Académie <32>(ワイン概論28:シャンパーニュ醸造 4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、スパークリングワインの世界的スタンダードであるシャンパーニュの醸造フローを学んでいきます。 醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。 SommeTimes Académie では、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 なお、煩雑なシャンパーニュ醸造のシリーズにおいては、なるべく理解を容易にする

梁 世柱
2022年9月27日


Advanced Académie <24> ローピネス
今、ナチュラルワインを 新たな脅威 が襲っている。 亜硫酸添加量が極端に少なく(もしくは無添加)、醸造時の細かいケアに失敗したナチュラルワインの場合、 揮発酸、還元臭、ブレタノミセス、ネズミ臭 といった欠陥的特徴が生じる可能性が高まることは、既に広く知られているだろう。 揮発酸、還元臭、ブレタノミセスは過度に生じれば明らかな欠陥となり、ネズミ臭に至っては僅かな発生でも欠陥扱いとなる。 そして、今回取り上げる欠陥は、 深刻度でいえばネズミ臭と同程度 と考えて差し支えないだろう。 その欠陥の名は、 「ローピネス」 。 実はローピネスそのものは、19世紀中頃から後期にかけて多大なる研究成果を残し、「近代細菌学の父」とも呼ばれるフランスの生化学者、細菌学者である ルイ・パストゥール が言及していることから、 非常に古くからある欠陥 として知られている。

梁 世柱
2022年9月24日


SommeTimes’ Académie <31>(ワイン概論27:シャンパーニュ醸造 3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、スパークリングワインの世界的スタンダードであるシャンパーニュの醸造フローを学んでいきます。 醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。 SommeTimes Académie では、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 なお、煩雑なシャンパーニュ醸造のシリーズにおいては、なるべく理解を容易にす

梁 世柱
2022年9月17日


SommeTimes’ Académie <30>(ワイン概論26:シャンパーニュ醸造 2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、スパークリングワインの世界的スタンダードであるシャンパーニュの醸造フローを学んでいきます。 醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。 SommeTimes Académie では、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 なお、煩雑なシャンパーニュ醸造のシリーズにおいては、なるべく理解を容易にする

梁 世柱
2022年9月3日


SommeTimes’ Académie <29>(ワイン概論25:シャンパーニュ醸造 1)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、スパークリングワインの世界的スタンダードであるシャンパーニュの醸造フローを学んでいきます。 醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 なお、煩雑なシャンパーニュ醸造のシリーズにおいては、なるべく理解を容易にするため

梁 世柱
2022年8月10日


SommeTimes’ Académie <28>(ワイン概論24:オレンジワイン醸造 2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、一般的なオレンジワインのスタイルを学んでいきます。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。 SommeTimes Académie では、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 多様化 オレンジワインが復活し、世界中で造られるようになった現在、そのスタイルも多様化の一途を辿っています。それらのスタイルを整理するためには、 3つの要素 を組み合わせ

梁 世柱
2022年6月22日


SommeTimes’ Académie <27>(ワイン概論23:オレンジワイン醸造 1)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、一般的なロゼワインの醸造フローを学んでいきます。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記し、英語が一般的で無いものに限り、フランス語で表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「

梁 世柱
2022年5月28日


SommeTimes’ Académie <26>(ワイン概論22:ロゼワイン醸造)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、一般的なロゼワインの醸造フローを学んでいきます。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記し、英語が一般的で無いものに限り、フランス語で表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として

梁 世柱
2022年4月20日


SommeTimes’ Académie <25>(ワイン概論21:白ワイン醸造4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記し、英語が一般的で無いものに限り、フランス語で表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「

梁 世柱
2022年4月9日


Advanced Académie <23> フルボディ
フルボディ という言葉は、感覚的に感じるワインの 「重さ」 を表現するために、長く用いられてきた。実際、非常に便利な言葉であり、自身のおおよその好みを伝える際にも、重宝してきた人は多いだろう。 しかし今、このフルボディという言葉の基準が大きく揺らいでいる。 これまでの一般論で言うと、おおよそ以下の通りに「重さ」に関する表現は使い分けられてきた。 1. アルコール濃度12%以下:ライトボディ 2. アルコール濃度12~12.5%:ライト or ミディアムボディ 3. アルコール濃度12.5 ~ 13.5%:ミディアムボディ 4. アルコール濃度13.5 ~14%:ミディアム or フルボディ 5. アルコール濃度14%以上:フルボディ 簡単に整理すると、 12%以下はライト、13%前後はミディアム、14%以上はフルボディ となり、その間に意見が分かれるグレーゾーンが存在してきた。 これは基本的には赤ワインがベースの考え方だが、白ワインの場合はそのまま用いるか、0.5%ずつそれぞれ下げれば、違和感なく使えていた

梁 世柱
2022年4月5日


SommeTimes’ Académie <24>(ワイン概論20:白ワイン醸造3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回から 、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。赤ワイン醸造と重複する部分もありますので、適宜参考にしながら読み進めてください。 本稿の内容は、 <ワイン概論16:赤ワイン醸造4> ともリンクしています。 同じ工程であっても、赤ワインと白ワインとではタイミングや目的が異なる場合も多々ありますので、注意してください。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「

梁 世柱
2022年3月22日


Advanced Académie <22> 農薬の歴史
農薬は近代農業と共に発展し、ワイン産業もまた、近代は農薬と共に歩んできた。 農薬という言葉そのものは、実は対象範囲が広く、一般的にイメージされる化学合成農薬にとどまらず、天然由来のものも含まれる。 そのような範囲で農薬を定義するなら、農業と農薬の関係は非常に古い。 例えば、 古代ローマや古代ギリシャ では、様々な植物の煮汁や、ワイン、オリーブオイルの搾りかすなども、農薬的な使われ方をされていたと考えられている。 また、 紀元前1,000年ごろの技術 とされ、その後 約2,500年 もの間、害虫駆除のために用いられてきたのは、 硫黄を燃やす、燻煙法 だ。

梁 世柱
2022年3月18日


Advanced Académie <21> テロワール
SommeTimesでは、ワインにおける古来の価値観である 「テロワール」 に関する話が頻出する。 そこで今回は改めて、 SommeTimesとしてのテロワールの定義 を明確にしておこうと思う。 特にメインライターである筆者(梁 世柱)のあらゆる記事と密接に関わってくる内容となるため、是非ご一読いただきたい。 まずは、テロワールの 前段階 の話をしよう。 この前段階は、 自然環境そのもの である。 特定のエリアの土壌、気候、生態系を含めた 「空間」 と置き換えても良いだろう。 しかし、この 「空間」 は、我々の周りに常にある空気と同様に、基本的には 「ただそこに存在しているだけ」 であり、特殊な意味性をもつには至らない。 つまり、その空間がブルゴーニュにあろうが、リオハにあろうが、北海道にあろうが、 空間のままではそれ自体に意味は生じない ため、(ワイン目線から見た) 「違い」という概念はまだ生まれていない 。 テロワールが形成され始めるのは、 次の段階 からだ。

梁 世柱
2022年3月8日


SommeTimes’ Académie <23>(ワイン概論19:白ワイン醸造2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回から 、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。赤ワイン醸造と重複する部分もありますので、適宜参考にしながら読み進めてください。 本稿の内容は、 <ワイン概論14:赤ワイン醸造2> 、 <ワイン概論15:赤ワイン醸造3> ともリンクしています。 同じ工程であっても、赤ワインと白ワインとではタイミングや目的が異なる場合も多々ありますので、注意してください。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦

梁 世柱
2022年2月20日


Advanced Académie <20> 外観
我々が日々行うワインテイスティングは、実に様々なものに影響を受ける。味わうという行為は、味覚だけでなく、五感にワインの情報がプラスされた、 脳の総合体験 と言い換えることができるという話は度々してきたが、今回は 「視覚」 の影響について、より深く考察していく。 真っ黒なグラス(Riedel社などが販売している)にワインを注いで飲むと、白ワインか赤ワインか判別できない人が続出する、といった話は有名だし、白ワインを無味無臭の食用着色料で赤ワインのように色付けして、専門家にテイスティングさせたところ、テイスティングシートが、赤ワインを想起させるコメントで埋め尽くされた、なんていうなんとも意地悪な実験の報告もあったりする。 認知心理学者の フレデリック・ブロシェ (後者の実験を行った人物)は、この現象を 「知覚の期待」 と呼んでいる。 簡単に言うと、視覚的なものであれ、情報的(例えば、グランクリュであるという前情報)なものであれ、嗅覚的なものであれ、 人は味わう前に知覚したものと同じ結果を無意識に求める 、ということだ。

梁 世柱
2022年2月16日


SommeTimes’ Académie <22>(ワイン概論18:白ワイン醸造1)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回から、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。赤ワイン醸造と重複する部分もありますので、適宜参考にしながら読み進めてください。 本稿の内容は、 <ワイン概論13:赤ワイン醸造1> 、 <ワイン概論15:赤ワイン醸造3> ともリンクしています。 同じ工程であっても、赤ワインと白ワインとではタイミングや目的が異なる場合も多々ありますので、注意してください。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦

梁 世柱
2022年1月25日


Advanced Académie <19> ヴィンテージ
ワインの世界において、「 ヴィンテージ 」という言葉は、主に3通りの使われ方がある。 1. ヴィンテージワイン、というように 熟成 を意味する使い方。 例:今日は記念日だし、ヴィンテージワインでお祝いしようか? 2. 2013年、のように特定の 収穫年 を意味する使い方。 例:2015年のボルドーは、○○○なヴィンテージだった。 3. (生産者が)その年の収穫作業や、 収穫の開始 を意味する言葉として使う場合。 例:もうそろそろ今年のヴィンテージだな。 今回は、2の使用法、つまり特定の年を意味する記号としての使われ方と、我々消費者側がどのように接していくのが良いかを考察していく。 グレート・ヴィンテージ まず、グレート・ヴィンテージ、バッド・ヴィンテージという言葉が何を意味してきたのかを整理しておく。 1980年代後半頃から、アメリカのワイン評論家 ロバート・パーカーJr. が影響力を増し始めたことによって、 ヴィンテージの優劣という価値観に、変化が生じた 。 それまでは、 グレート・ヴィンテージとはつまり長熟型のヴィンテ

梁 世柱
2022年1月11日


Advanced Académie <18> 葡萄畑の方角
太陽は、赤道上を東から昇り西へと沈む 。赤道よりも北では、太陽は常に南側にあり、赤道よりも南では、常に北側にある。 この当たり前の自然現象が、ワインの世界ではとても大きな意味をもつ 。そう、 葡萄畑の斜面の方角 だ。 北半球のワイン伝統国 では長年に渡って、 真南を中心とした90度の範囲 、つまり 南西から南東向きの斜面が良い (南半球では南北が逆 になる)とされてきた。 南東向きの斜面 は、昼夜の寒暖差が大きい地域では特に効力を発揮する。日が昇るとすぐに 朝露や霜を払い 、葡萄が太陽光を吸収する体制を整えてくれるからだ。 では、 南西側の斜面 はどうだろうか。日当たりのことだけを考えれば、東でも西でも一緒のように思えるかも知れないが、実は 大きな違い がある。 その違いが生まれる理由は、 植物が光合成を活発に行う時間帯 にあるのだ。 植物には、 朝から午前中にたっぷりと光合成をして、午後はのんびりする 、という性質がある。つまり、植物が西日を受ける午後の時間帯には、既に光合成は随分とスローペースになっているため、太陽エネルギーを処理しきれずに、

梁 世柱
2022年1月7日
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