Advanced Académie <20> 外観

我々が日々行うワインテイスティングは、実に様々なものに影響を受ける。味わうという行為は、味覚だけでなく、五感にワインの情報がプラスされた、脳の総合体験と言い換えることができるという話は度々してきたが、今回は「視覚」の影響について、より深く考察していく。


真っ黒なグラス(Riedel社などが販売している)にワインを注いで飲むと、白ワインか赤ワインか判別できない人が続出する、といった話は有名だし、白ワインを無味無臭の食用着色料で赤ワインのように色付けして、専門家にテイスティングさせたところ、テイスティングシートが、赤ワインを想起させるコメントで埋め尽くされた、なんていうなんとも意地悪な実験の報告もあったりする。


認知心理学者のフレデリック・ブロシェ(後者の実験を行った人物)は、この現象を「知覚の期待」と呼んでいる。


簡単に言うと、視覚的なものであれ、情報的(例えば、グランクリュであるという前情報)なものであれ、嗅覚的なものであれ、人は味わう前に知覚したものと同じ結果を無意識に求める、ということだ。

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