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SommeTimes’ Académie <24>(ワイン概論20:白ワイン醸造3)

一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回から、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。赤ワイン醸造と重複する部分もありますので、適宜参考にしながら読み進めてください。

本稿の内容は、<ワイン概論16:赤ワイン醸造4>ともリンクしています。

同じ工程であっても、赤ワインと白ワインとではタイミングや目的が異なる場合も多々ありますので、注意してください。


なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる英語にて表記します。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。


試験後に忘れてしまった知識に意味はありません。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「記号」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「何を意味するのか」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「リアル」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください


8:熟成(Aging)

タンクや樽などで行われる熟成は、ワインを育てるという意味合いから、フランス語では「育成」を意味するElevage(エルヴァージュ)という言葉が用いられてきました。酸素透過率の高い容器アンフォラ)の場合、熟成中のワインが徐々に蒸発してしまう(天使の分け前、Angel’s Share)ため、定期的に補酒をして、容器内にワインをしっかりと満たし続けるようにします。この補酒の作業のことをフランス語でOuillage(ウイヤージュ)と呼び、英語での呼び名はUllage(アレージ)となっています。また、一部の白ワインでは、熟成期間中に澱を攪拌するBatonage(バトナージュ)という作業をすることによって、酵母からアミノ酸などの旨味を抽出します。


SommeTimes’ View

白ワインを酸素透過率の高い容器(樽、アンフォラなど)で熟成させる場合、赤ワインよりも補酒(ウイヤージュ)の重要性が高くなると言えます。一般的な白ワインは、赤ワインに比べてポリフェノール含有量が少ないため、酸化に対して、より脆弱です。補酒を怠った場合、もしくはあえて極力行わなかった場合は、最終的なワインに大きな影響が出ます。補酒をあえて極力行わないスタイルの代表例は、伝統的なフランス・ジュラ地方の白ワインです。

記事の続きは…

sommetimes.net を定期購読してお読みください。

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