本稿から数回に渡って、「テロワール」が実際にワインに対してどのような影響を及ぼすのかを検証していく。
このような検証を行う際に最も気をつけるべきなのは、ワインという飲み物は様々な要因が極めて複雑に関係性を築きながら最終的な形へと繋がっていくという、紛れもない事実である。
つまり、ただ一つの要因だけを抜き出して、「結果」と直接的に結びつけてしまった場合、往々にして不正解となるということだ。
第一回となる本稿では、ワインの外観とテロワールの関係性を探っていく。
なお、白ワイン、ロゼワイン、オレンジワインに関しては、テロワールよりも醸造手段が与える影響の方が遥かに強いため、今回の検証は赤ワインに限定して行っていく。
黒葡萄は(品種にもよるが)基本的には、日照量が多く、紫外線が強いほど、果皮が濃い色調になる。
つまり、標高が高く、開けた場所になるほど、同じ葡萄でもより濃い色調になる傾向があるということだ。