農薬は近代農業と共に発展し、ワイン産業もまた、近代は農薬と共に歩んできた。
農薬という言葉そのものは、実は対象範囲が広く、一般的にイメージされる化学合成農薬にとどまらず、天然由来のものも含まれる。
そのような範囲で農薬を定義するなら、農業と農薬の関係は非常に古い。
例えば、古代ローマや古代ギリシャでは、様々な植物の煮汁や、ワイン、オリーブオイルの搾りかすなども、農薬的な使われ方をされていたと考えられている。
また、紀元前1,000年ごろの技術とされ、その後約2,500年もの間、害虫駆除のために用いられてきたのは、硫黄を燃やす、燻煙法だ。