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出会い <28> その命は、永遠なのか
Julien Courtois, Ancestral 2002. ナチュラルワインは熟成するのか。 実に興味深いテーマだ。 答えを先に言うと、「 ワイン次第 」とはなってしまうのだが、これは 慣行的に造られたクラシックなワインでも同じ なので、ナチュラルワインだからどうと言う話でもない。 だが、 極一部のナチュラルワイン が、 完全に常軌を逸したレベルの長期熟成能力 をもつに至ることがあるのは、紛れもない事実である。 「常軌を逸した」とは、明らかに 一般的な範疇から大いにはみ出している と言うことである。 大袈裟ではない。私は、何度も何度も体験してきたのだから。 偉大なブルゴーニュ、ボルドー、バローロ、リオハがもつ超長期熟成能力が比較にすらならないほどの、この世のものとは思えないような神秘に、私は確かに巡り合ってきた。

梁 世柱
2023年1月14日


再会 <28> ビオディナミとワインの因果関係
Hochkirch, Pinot Noir “Maximus” 2019. ¥6,800 Cause and Effect 。小難しい日本語に訳すと、「 因果関係 」とでもなるだろうか。 ワインという「 結果 」と、そこに至るまでのプロセスである「 要因 」の間には、確かに因果関係が認められるケースが多い。ブルゴーニュに、バローロに、リオハに、ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンに宿る「あの味」の後ろ側には、Cause and Effectが、まるで黄金の方程式が如く存在しているのだ。 しかし、この因果関係は、往々にして 巨大な誤解の温床 となっている。 その理由はただ一つ。 本来、要因と結果の関係性は極めて複雑であるにも関わらず、我々の多くが、自らに都合の良い(理解しやすい)情報だけを切り取って、パズルのピースが全然足りていなくても、必死にその限定された因果関係を正当化しようとしてしまうから だ。 有名産地のワインだから美味しい。 有名生産者のワインだから美味しい。 高価なワインだから美味しい。 などというのは、その最たる例で、要因がそもそ

梁 世柱
2023年1月8日


SommeTimes 2022年ベスト・パフォーマンス賞
2022年は、筆者の考え方が大きく変化した一年でもあった。 それは、ワインの教科書には必ず名前が載っているような、超有名ワインとの向き合い方だ。 私がワインを学び始めた頃、それらの「偉大」とされるワインの価格は、まだギリギリ手の届くものだった。当時学生の身分だった私にとって...

梁 世柱
2022年12月27日


出会い <27> 70’s Remake
Le P’tit Paysan, Old Vine Cabernet Sauvignon San Benito. ¥3,900 温故知新 。 筆者が最も好きな熟語だ。 故きを温め、新しきを知る。 それは 単純な過去回帰ではなく、過去のイデオロギーや成果を反芻し、深くリスペクトした上で、その先へと進みながら新たな道理を探求していくこと だ。 つまり過去回帰はただの「 レプリカ 」だが、温故知新は「 リメイク 」であるということ。 人が現代人として自らの生きた証をたてるなら、当然リメイクの方が手っ取り早い。レプリカにどれだけ精魂込めても、膨大な過去作の大海に、いとも簡単に深く沈みこんでしまうからだ。 もちろん、レプリカそのものを批判している訳ではない。 ただ、レプリカがオリジナルよりも高く評価されることなど、ほとんど無いというだけのことだ。 この真理は、ワインの世界にも当てはまる。 そして、ワインの歴史を振り返ってみると、その時々の「最先端」は、ほぼ例外なく、何かしらの「リメイク」である、という事実が浮かび上がってくる。

梁 世柱
2022年12月25日


再会 <27> 王の帰還
Weingut Keller, Riesling “von der Fels” 2021. ¥9,000 嬉しさのあまり、筆者が30回は観たであろう映画のタイトルをそのままつけてしまったが、 ドイツの真の王者 である ヴァイングート・ケラー と、このワインにまつわるストーリーを表現するのに、これ以上のキャッチコピーは思い浮かばない。 もう長い間、 日本市場から実質的に姿を消していた ケラーは、我々に 極めて重要な教訓 を与えてくれた。 アップデートを怠ると、気づいた時には手遅れになっている 、と。 今でこそ、ワイン業界関係者もワイン消費者も世代交代が進み、『ドイツワイン=甘い』、あるいは『やっぱりワインは辛口じゃないと!』(筆者は「辛口マッチョ信仰」と呼んでいる)といった古い考えは消滅寸前まで追いやられているが、この固定概念こそが、日本のワイン市場がドイツの トップワイン争奪戦に完全敗北 した、最大の原因でもある。 それは、今から10年以上も前のこと。 当時すでに、明確に辛口路線へと力強く踏み切っていたドイツのリースリングは、ニューヨーク、ロンド

梁 世柱
2022年12月18日


出会い <26> 脱フレンチコンプレックス
Cantina Riezo, Ciao Ciao Rosso “Aglianico” 2020. ¥2,600 長い間、不思議に思ってきたことがある。 19世紀後半、ヨーロッパ全土がフィロキセラ禍に襲われた際に、失職したフランス人ワインメーカーの多くがニューワールドへと進出した、という歴史があるとはいえ、それから100年以上経った今でも、なぜ フランス系品種ばかりが「国際品種」となっている のか。 確かにフランス系国際品種は、 栽培学上も、醸造学上も研究が進んでいる ため、導入はしやすいだろう。 しかし、 世界中に数多あるテロワールに、フランス系国際品種しか適合しない、と考えるのは流石にどうにも無理がある 。 そして、このことが長年疑問視されてこなかった、と言う不思議もまたある。いや、正確に言うと、その他品種にチャレンジはしていたが、売上が悪かったので撤退した、と言うケースもかなりあるのだが、それにしても 世界のワイン産業は、異常なほどフランス色の強い文化を受け入れ続けてきた のだ。

梁 世柱
2022年12月11日


再会 <26> Terroir in California
The Ojai Vineyard, Riesling “Kick on Ranch” 2017. ¥4,200 カリフォルニア・ワインと聞くと、どうも派手で煌びやかな印象をもっている人が多いだろう。 多くのワインが「ブランド化」され、ヨーロッパの銘醸ワインを凌ぐ超価格で取引されるワインも少なくない。筆者個人としては、そのような「技術の粋」にはすっかり興味を失って久しいが、より大きなカリフォルニアとして括れば、長大なFavorite Listが出来上がる程度には、強く心惹かれ続けている産地だ。 ちなみに、 カリフォルニア州 の面積は 約424,000 ㎢。 フランス(約643,800 ㎢)よりは小さいが、 ドイツ(約357,600 ㎢)や 日本(約377,900 ㎢)よりも大きい。 こんなに広ければ、 多種多様なテロワールがあって至極当然 。そして、 テロワールが違えば好適品種もまた異なるというのは、ワイン界の不文律 だ。

梁 世柱
2022年12月4日


出会い <25> 世界一のサンソー
Leeu Passant, Old Vines L ö tter Cinsault 2018. (国内輸入無し) 南アフリカで様々なエリア、様々な葡萄品種のワインをテイスティングする中で、度々唸らされたのは、やはり Leeu Passant だった。 世界最高峰の醸造家である アンドレア・マリヌー の抜きん出た才能が、夫である クリス・マリヌー の卓越した栽培技術によって最大限に発揮される。 二人の名を冠した Mullineux ブランドで、その圧倒的な実力は散々証明してきたが、スワートランドに特化したMullineuxとは別プロジェクトとなるLeeu Passantは、 南アフリカ各地に極僅かながら残る非常に古い畑とマリヌー夫妻のコラボレーション という、反則的なワインだ。 南アフリカ特集記事の第一章 でもLeeu Passantのシャルドネについて軽く触れたが、現地で私の心を強烈に掴んだのは、このワインだった。

梁 世柱
2022年11月27日


再会 <25> 二人の天才
Figli Luigi Oddero, Barolo “Vignarionda” 2015. ¥34,000

梁 世柱
2022年11月20日


出会い <24> クスィノマヴロの、もう一つの可能性
Kir-Yianni, Kali Riza 2019. ¥3,000(税抜)

梁 世柱
2022年11月13日


再会 <24> スペインのニューリーダー
Envinate, Palo Blanco 2020. ¥4,700 スペインにおいて、進化のタイミングはクラスター的に発生することが多い。 近代を振り返ってみても、 「四人組」 を中核とした プリオラート、ペスケラ を中心とした リベラ・デル・デュエロ、ラウル・ペレス を中心とした ガリシア など、各地域がまるで順番待ちでもしているかのように異なるタイミングで、突然現れたスター生産者に引っ張られながら進化を果たしてきた。 しかし今スペインで起こっている進化は、 これまでの例とは少し異なっている 。 一つの生産者がムーヴメントを引っ張っている点では相変わらずだが、今回のスーパースターは、なんと 三箇所の全く異なる地域で、同時多発的に進化を促している のだ。 造り手の名は「 エンヴィナーテ 」。 2005年 のデビューから瞬く間に、スペインワインのスタイルを大幅にアップデートした、 新たな「四人組」 だ。 大学の同窓であった ロベルト・サンタナ、アルフォンソ・トレンテ、ラウラ・ラモス、ホセ・マルティネス は、 ガリシア地方のリベイラ・サクラ、アルマ

梁 世柱
2022年11月6日


出会い <23> 140年後の奇跡
Alheit Vineyards, Lost and Found 2019. あのタイプの産地に行ったのは久しぶりだった。 真っ直ぐに伸びる道の左右に、遠くの小山にぶつかるまで広がる平坦な葡萄畑。 レッドブルでも飲んだかのように、異様に元気な葡萄樹。 寸分の狂いもなく、精緻に整えられた畝の配列。 ぴたりと姿を消す鳥たち。 一眼見ればすぐにわかる。そこは、 超大量生産型の産地 だった。 ブリードクルーフBleedekloof の総作付面積は 13,000ha強 。造り手の数は僅か 30軒足らず 。 平均値を出すと、なんと1ワイナリー辺り433ha という凄い数字が出てくる。 日本的な表現をすると、1ワイナリー辺りの作付平均値が 東京ドーム約92個分 に相当するというのだから、その広さが具体的に想像できる人はほとんどいないだろう。 もちろん、あくまで平均値であるため、それよりも遥かに小さいワイナリーも、その逆もまた存在する。 ブリードクルーフにあるワイナリーだけを集めたテイスティングも、あの葡萄畑を通過した後だったからか、どうも最初はなかなかスイッチ

梁 世柱
2022年10月28日


再会 <23> 天使の歌声か、悪魔の囁きか
Klein Constantia, Vin de Constance. ¥11,000 (2018年ヴィンテージ国内価格) ぎっしりと詰まった南アフリアでのスケジュール表を眺めていたら、心の昂りを抑えきれなくなった。 いつか必ず訪問したいと願ってきた、 クライン・コンスタンシア 。 その輝かしい名が、プリントアウトされたなんとも無機質な紙に、確かに刻まれていたのだ。 そもそも私は昔から歴史が好きなので、最古参のワイナリーとか、始まりの地といったパワーワードにはすこぶる弱い。 流石に、最古参のワイナリーだからワインも素晴らしいに違いない!などと言った安直な色眼鏡をかけたりはしないが、そういう場所には何かと特別な雰囲気が漂っているものだ。 南アフリカで最初の葡萄畑は、大航海時代の1652年に、オランダ東インド会社の現地法人代表だったヤン・ファン・リーベックによってケープ・タウンに開墾され、1659年には南アフリカで(記録上)最初のワインが造られた。そして、30年後の 1685年 に、クライン・コンスタンシアの大元となった 「コンスタンシア・エステート

梁 世柱
2022年10月23日


出会い <22> 極甘口ワインの聖地、南アフリカ
Savage, Not tonight Josephine 2020. ¥6,000(375ml) 南アフリカでの旅では、数多くの古いヴィンテージをテイスティングする機会に恵まれた。歴史を少しずつ紐解いていくような体験は何者にも代え難かったが、一貫して納得せざるを得ないことが一つあった。 それは、 南アフリカワインは、新しいヴィンテージの方が確実に品質が高い 、ということだ。 その根源たる理由は11月からの南ア特集記事で詳細に書く予定だが、端的にいうと、 アパルトヘイトの終 焉がターニングポイントとなっているということになる。 アパルトヘイトが完全に終わったのは、ネルソン・マンデラが大統領となった1994年。そして、 1994年以前の南アフリカは、国際社会から「総スカン」をくらっていた のだ。 分かりやすく表現するなら、現在のロシアや北朝鮮と同じような扱い(軍事的脅威故ではなく、人道的な意味で)を受けていたとも言える。 当然、 40年近くもの間、苛烈な経済制裁 が課されていたため、南アフリカワインが先進国の目に触れる機会は極めて限られていた。 つ

梁 世柱
2022年10月16日


再会 <22> 地球の裏側で再会
Capensis, “Fijnbosch 2019”. ¥27,000(国内予想価格) 3年に一度、南アフリカのケープワインで開催される巨大な南アフリカワイン展示会 「Cape Wine」 。 前回は2018年に開催されたが、新型コロナ禍の影響により延期となり、2022年10月に満を持しての開催となった。 乗り継ぎ待ちの時間次第では30時間ほどの旅程となる南アフリカは、日本からすれば文字通りの「地球の裏側」となるが、西ケープの壮大な山々と、ダイナミックにうねる丘陵地に拓かれた葡萄畑を見ると、疲れもどこかへ吹き飛んでしまう。 筆者にとっても、待ちに待った初めての南アフリカだったからか、アフリカ大陸に降り立つこと自体が初めてだったからか、肌にピリピリと感じる、どうにも慣れない鋭い視線(南アフリカにはアジア人は非常に少ない)からか、高揚感と共に、いつもよりは少し気が引き締まっていたように思う。 Cape Wine 2022は3日間に渡って開催 されたが、巨大な会場と数多のワイナリー、そして膨大な数のワイン、会場を埋め尽くす人々の熱気に圧倒され、3日間の

梁 世柱
2022年10月10日


出会い <21> 誰かが選んだワイン
Scheurmann, Rosé 2020. ¥5,400 固定概念というのは本当に厄介なものだ。 私自身は普段から相当気を使って、自分を縛り付けるような考えは可能な限りもたないようにしているのだが、それでも 積み重ねた経験とやらが半自動的に邪魔をしてくる ことが少なからずある。 「老い」も経験の一種なのだから、「年は取りたくないなぁ」と自分の思い込みが機会損失につながってしまう度にため息の一つや二つはつくものだ。 そんな時の特効薬は、 誰かにワインを選んでもらう こと。 これもまた、経験を重ねるほど機会や動機が減ってきてしまうものなので、積極的にそうしようと意識していないとなかなか難しいのだが、大きな学びを得ることが実に多い。 さて、今回出会った最高のワインもまた、誰かが選んだワインだった。 しかも、 普段の自分なら選ばない可能性もあるワイン だっただけに、その喜びも大きかった。

梁 世柱
2022年10月2日


再会 <21> 熟成の果てに待ち受けるもの
R. López de Heredia, Viña Cubillo Crianza 3er Año, Late 1960s~70s. ワインの熟成というのは非常に奥が深い。 そしてその熟成に付随した「飲み頃」という考え方もまた、実に奥が深い。 筆者も頻繁にこの熟成と飲み頃に関する質問を受けるが、 シンプルかつ完璧な答えが存在していない ため、毎度のようになんとも返答に困ってしまうのだ。 いや、よく考えてみれば、一つだけ完璧な答えがあった。 「 自分の好きにすれば良い 」だ。 まぁ、それは半分くらい冗談なのだが、答えをなかなか明確には示せない理由は確かにある。 その理由とはズバリ、 主観性 の問題だ。 どの熟成タイミングのワインを「美味しい」とか「素晴らしい」と感じるかはまさに 千差万別 で、あまりにも個人差が大きい。 例えば私自身は、はっきりとしたフルーツの味わいと、程よい熟成感が相乗効果を生み出しているようなタイミングのワインが好きだが、同じワインを飲んで「若すぎる」と思う人も、「遅すぎる」と思う人も必ずいる。 一方で、それぞれの熟成タイミング

梁 世柱
2022年9月25日


出会い <20> 葡萄品種を気にしない、という自由
Gi ó Hills, thoải m ái Blanc 2021. ¥2,700 長野県・千曲川ワインヴァレー特集の 第2章 でも触れたが、2022年現在、 ワインを品種名で売らないといけない時代が終焉へと向かっている 。 ヨーロッパ伝統国の複雑な原産地呼称制度を覚えなければ、何もワインのことがわからない。そんな極端に高いハードルを、 「品種名で売る」 というアイデアが豪快に破壊し、ワインの裾野を広げるために、 多大なる貢献 をしてきたのは間違いない。 筆者がソムリエ修行をしていたニューヨークでも「品種名の便利さ」は顕著で、ごく一部の熱心なワインマニア以外は、ほぼ必ず品種名でワインを選んでいた。それがどの国のワインであっても、だ。 原産地呼称よりもはるかに使い勝手の良い 「共通言語」 となった品種名は、ワインをサーヴィスする人と、ワインを飲む人たちの間のコミュニケーションを劇的に簡素化し、様々なミス・コミュニケーションや、ロスト・イン・トランスレーションのリスクを低下させてきた。 実は、品種名でワインを売るというアイデアが、これほどまでに強力な

梁 世柱
2022年9月18日


再会 <20> 孤島の伝説
Domaine Hatzidakis, Vinsanto 16, 2004. エーゲ海に浮かぶ孤島、 サントリーニ島 は、世界で最も美しい島の一つ。 そのことに異論を唱える人は少ないだろう。 火山島らしく隆起の激しいダイナミックな大地。断崖をくり抜きながらヒトが築き上げた純白の建築物と、ディープブルーに輝く海の鮮やかなコントラスト。そして、地表に置かれた籠のようにも見える古い葡萄樹の数々。 サントリーニ島は確かに、ポセイドンに愛されたとでも言いたくなるような、特別な場所だ。 世界中が喉から手が出るほど欲しがるような観光資源をもつサントリーニ島の主要産業は当然、観光業である。そして、高品質なレンズ豆の特産地であり、サントリーニ島特有のサントリン土を使用したセメント工業でも知られている。 我々のような「ワインにどっぷりと使った人たち」からすれば意外かも知れないが、サントリーニ島を全体として見ると、ワイン産業は「サントリーニ島ではワインも造ってる」というくらいの立ち位置となる。 実際に、 サントリーニ島の葡萄は次々と引き抜かれ、その上に高級ホテルや商業

梁 世柱
2022年9月11日


出会い <19> 意味不明というスパイス
M é lange, Rougir 2021. ¥5,500 長年数多くのワインと接していると、ある程度の 予測 が付くようになってしまう。 もちろん、正確無比な予測とまではいかないが、まぁどうして、なかなかいい線まで行けたりするものだ。 場所、葡萄、ヴィンテージ、醸造スタイル。 情報がこれだけあれば、大体は十分と言える範囲までは予測できる。 それなりに便利な技能と言えなくもないが、普段からワインをそういう目線から見るのは推奨しない。 方程式 に何もかも当てはめてしまうと、どうにも、ワインが 無機質 なものに見えてきてしまうからだ。

梁 世柱
2022年9月4日
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