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カベルネ・フランが好き
大阪心斎橋の名店「Le Chat Noir」でオーナーソムリエを務める岡城ソムリエは、クラシックからナチュラルまで幅広い知見の深さと、柔らかい語り口が魅力の名ソムリエです。今回は、クラシックとナチュラルの境界線にいるような、ロワールの偉大なワインに関するコラムです。...

SommeTimes特別寄稿
2021年12月9日


オーストラリアワインの多様性と可能性
Australian Food & Beverage Showcase Japan ブラインド・テイスティング オーストラリアは広い。 国土面積では世界6位。ヨーロッパがほぼすっぽりと入ってしまう大きさ。 だからオーストラリアのワインは多様だ。...

別府 岳則
2021年12月7日


偉大なる難曲の名を冠したワイナリー「ジャイアント・ステップス」
ジャイアント・ステップスとは、1960年に、ジャズ史上最高の天才と評されるサクソフォーン奏者ジョン・コルトレーンが発表したオリジナル曲であり、同名のアルバムでもある。ジャイアント・ステップスは、長3度という当時では非常に珍しかった転調を16小節の1コーラス間に10度も繰り返...

梁 世柱
2021年12月3日


ワインの王、王のワイン <ピエモンテ・ネッビオーロ特集:第二章>
過日、とあるワイン初心者の方から質問を受けた。ピエモンテ州の同じ造り手で、DOCGのワイン(Dogliani)よりも、DOCのワイン(Langhe Nebbiolo)の方が高いのは何故か、と。DOCGは最高位格付けでは無いのか、と。 まさに 雨後の筍 。次々と認定され続けるイタリアの最高位格付けたるDOCGは、 既に意味消失して久しい 。それは、ピエモンテ州に限ったとしても同様だ。Barbera d’Asti、Dolcetto di Dogliani Superiore、Erbaluce di Caluso、Ruche di Castagnole MonferratoといったDOCGは確かにどれも注目に値する素晴らしいワインだが、最高位格付けにふさわしい「 品格 」は無い。いや、品格の話をするのなら、最高位に座せるのはピエモンテ州では ネッビオーロしかそもそもあり得ない 。そして、その頂点は当然、 BaroloとBarbaresco だ。 本章では、ピエモンテ州の真に頂点たる2つのDOCGの中から、 Barolo に焦点を当てて、細かく追っていく

梁 世柱
2021年11月28日


静的なエネルギーに満ちた野武士の如きチェコワイン
別府さんは、世界中の多種多様なワイン産地をカヴァーしつつも、オーストリア、ポルトガル、そして中央ヨーロッパ諸国に造詣が深く、日本のワインファンにとってはまだまだ謎めいたワイン産地の魅力を伝えるトップエキスパートです。今回は、チェコワインの魅力に迫ります。...

別府 岳則
2021年11月25日


葡萄品種から探るペアリング術 <5> リースリング
葡萄品種から探るペアリング術シリーズは、特定の葡萄品種をテーマとして、その品種自体の特性、スタイル、様々なペアリング活用法や、NG例などを学んでいきます。 今回は、 リースリング をテーマと致します。 また、このシリーズに共通する 重要事項 として、葡萄品種から探った場合、 理論的なバックアップが不完全 となることが多くあります。カジュアルなペアリングの場合は十分な効果を発揮しますが、よりプロフェショナルな状況でこの手法を用いる場合は、ペアリング基礎理論も同時に参照しながら、正確なペアリングを組み上げてください。 リースリングのスタイル リースリングの醸造方法は 世界的に一貫性 (シャルドネやソーヴィニヨン・ブランほど多様ではない)が見られますが、 テロワールには極めて敏感 であり、 品種自体の個性も強く出ます 。リースリングの醸造過程で、 新樽が登場することは極めて稀 です。もちろん例外はありますが、バリック熟成をしたリースリングの成功例もまた、極めて稀と言えます。リースリングの大多数は、(産地を問わず)ステンレスタンク、コンクリートタンク、古

梁 世柱
2021年11月19日


「海近のピノ・ノワール」と「ピノ・ノワールのクローン」
ロンドンでソムリエ業を、ニュージーランドとイタリアでブドウ栽培、ワイン醸造を学んだ後に、北海道余市町でさらに経験を積み、満を辞して北海道北斗市に自らのワイナリーDue Puntiを設立した井坂さんは、冷涼気候に強い拘りをもち、栽培家、醸造家としてクレヴァーな視点から、魅力あ...

SommeTimes特別寄稿
2021年11月18日


葡萄品種から探るペアリング術 <4>カベルネ・ソーヴィニヨン
葡萄品種から探るペアリング術シリーズは、特定の葡萄品種をテーマとして、その品種自体の特性、スタイル、様々なペアリング活用法や、NG例などを学んでいきます。 今回は、 カベルネ・ソーヴィニヨン をテーマと致します。 また、このシリーズに共通する 重要事項 として、葡萄品種から探った場合、 理論的なバックアップが不完全 となることが多くあります。カジュアルなペアリングの場合は十分な効果を発揮しますが、よりプロフェショナルな状況でこの手法を用いる場合は、ペアリング基礎理論も同時に参照しながら、正確なペアリングを組み上げてください。 カベルネ・ソーヴィニヨンのスタイル テロワール、栽培、醸造に対して敏感である一方で、 品種自体の個性が非常に強く 、ブレンドに10%程度含まれているだけでも、カベルネ味になってしまうほど、 主張が強い品種 でもあります。国際品種としては最も成功したものの一つですので、文字通り、世界中で栽培されています。 カベルネ・ソーヴィニヨン( 以降、CSと表記 )は大別すると以下のように分かれますが、共通して 樽熟成が基本...

梁 世柱
2021年11月12日


衝撃のブラインドテイスティング
ホテルニューオータニ博多の歴史あるメインダイニング、カステリアンルームでご活躍の千々和ソムリエは、世界各国の銘醸ワインだけでなく、カジュアルなワインや、日本ワインにも精通するトップソムリエです。幅広い視点から、そしてプライヴェートな体験も交えて展開されるコラムをお楽しみくだ...

SommeTimes特別寄稿
2021年11月11日


栄光は霧の中 <ピエモンテ・ネッビオーロ特集:序章>
目に飛び込んでくる世界が紅葉色に染まり、冬の足音が聞こえてくる頃になると、私はいつもピエモンテに想いを馳せる、そしてネッビオーロが恋しくなる。かすかにオレンジがかった魅惑的なワインのエッジがそうさせるのか、枯葉を思わせる滋味深いアロマがそうさせるのか。でも、その想いはいつも、もどかしさや、やりきれなさによって、少し苦い味になる。 偉大なバローロやバルバレスコが、なぜブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュに比べて、こんなにも過小評価されているのかと。 世界最高の黒葡萄の一つであるはずのネッビオーロが、なぜピノ・ノワールと並び称されていないのかと。 イタリアという国の長い歴史を振り返ってみると、いつの時代も、 肝心な時に一枚岩になり切れなかったことが、イタリアを真の栄光から遠ざけてきた ことがわかる。 そしてそれは、ピエモンテにおいても同じだ。 永劫に続くかのような分断と闘争の果てに、ピエモンテは、ネッビオーロは、いったいどこへ向かっているのだろうか。 今一度、確かめてみたい気持ちになった。 本章から全4章に渡って、ピエモンテ州のネッビオーロを特集す

梁 世柱
2021年11月10日


真・日本酒評論 <1>:濃醇旨口の傑作
<菊姫:鶴乃里 山廃純米酒 2017 H29BY> 石川山廃 。日本全国に、巧みな山廃造りで名を馳せる酒蔵があるが、石川県ほど、 山廃造りを得意とする最高峰の蔵が集まる 場所(次点は秋田県か)は無い。 そんな山廃王国石川にあって、一際その名を轟かせる名蔵中の名蔵が、「 菊姫 」で知られる菊姫合資会社( 以降、菊姫と表記 )である。

梁 世柱
2021年11月7日


ワインとコーヒーの考察
ワインとコーヒーに関して、同じ嗜好品として比較される事がしばしばあるかと思います。 ここではワインのプロフェッショナルが集まっているので、今回は少し息抜きとして“コーヒー”という身近な飲み物に関して寄稿させていただきます。 まずは最近のコーヒー事情に関して。...

SommeTimes特別寄稿
2021年11月4日


生体アミンとSO2:示された一つの可能性
個で全を語ることは危険であり、一つのソリューションが全てを救うという希望もまた、ただの夢想に過ぎないのではないだろうか。 「ワイン不耐性にようやく光が」(ジャンシス・ロビンソンMW著、小原陽子訳)と題され、オンラインワインメディア「Vinicuest」上で公開された記事(訳...

梁 世柱
2021年11月2日


南アの多様性と進化
1498年にヴァスコ・ダ・ガマが開拓したヨーロッパからインドへ至る新たな通商海路の要所が、南アフリカの西ケープ州に位置する喜望峰だった。やがて、大航海時代が始まり、オランダ東インド会社の南アフリカ現地法人代表であったヤン・ファン・リーベックがケープタウンに葡萄を植えたのが1655年。ヨーロッパからも、他の主要なニューワールドワイン産出国からも遠く離れた南アフリカは、ヨーロッパのワイン文化とニューワールドのワイン文化が絶妙に入り混じりながらも独自の発展と遂げた、興味深いワイン産地だ。 聡明な南アフリカワイン協会( WOSA )も、南アフリカ特有の多様性のアピールに余念が無い。そして、この国に宿った数多の個性は、確かに独自の声を発している。 今回は、「 南アフリカワイン ベンチマーク テイスティング 」と題された、ブラインドテイスティングプログラムの内容を、筆者のブラインドテイスティングによる感想と共にレポートする。 Flight 1 「Syrah vs Shiraz」 と題されたこのフライトには、南アフリカ特有のワイン文化が色濃く反映されている。S

梁 世柱
2021年10月29日


クリュのこれから
シャンパーニュ地方にも、もちろん存在する格付け。 シャンパーニュの格付け「エシェル・デ・クリュ」は、1919年に初めて導入され、当時は12村がグランクリュに制定されました。その後1985年に改定され、今の 17村となっています。「エシェル・デ・クリュ」の本来の機能は、ブドウ...

SommeTimes特別寄稿
2021年10月28日


パーカーとボルドー <ボルドー特集:後編>
人は変われないのか。私はその問いに対する答えをもたぬまま、本稿の執筆と向き合い始めた。失敗は恥ではない。愚かさも、未熟さも恥ではない。私はずっとそう思ってきた。だが、繰り返すことは確かな恥だとも、知っていたはずだ。だから、もうこれ以上繰り返さないために、常識も、一般論も、過去の自分ですらも徹底的に疑ってみようと思う。その果ての答えが、どこに行き着くのかは分からなくても、私が変われる保証などどこにも無いとしても、自らに、そして偉大なるボルドーに、問いかけてみよう。 本当にボルドーは、ロバート・パーカーに、誇りを、魂を捧げ続けてきたのだろうか 、と。 ロバート・M・パーカー・Jr. 1975年からワイン評論活動を本格的にスタートさせた ロバート・M・パーカー・Jr.( 以降、パーカーと表記 )は、ワイナリーやワイン商と蜜月の関係にあったジャーナリズム(そう呼ぶにはあまりにも腐敗していたが)に異議を唱え、圧力に屈さず、何者にも影響されず、ただひたすら自らの絶対的な価値観を、断固として突き通していた。まさに 異端児 と呼ぶべき存在であったはずのパーカーだ

梁 世柱
2021年10月26日


葡萄品種から探るペアリング術 <3> ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブラン をテーマとします。このシリーズに共通する 重要事項 として、葡萄品種から探った場合、 理論的なバックアップが不完全 となることが多くあります。カジュアルなペアリングの場合は十分な効果を発揮しますが、よりプロフェショナルな状況でこの手法を用いる場合は、ペアリング基礎理論も同時に参照しながら、正確なペアリングを組み上げてください。 ソーヴィニヨン・ブランの特徴 テロワール、栽培、醸造に対して非常に敏感に反応する性質がありますが、ブラインド・テイスティングでも容易に判別できるほど、ソーヴィニヨン・ブラン 特有の個性も強い品種 です。世界各国で栽培されている人気の高い国際品種ですが、そのスタイルは意外とシンプルにまとめることができます。一つは単一品種で造り、樽の影響を効かせない ロワール型 、もう一つは他品種(最も一般的なブレンド相手はセミヨン)とブレンドし、新樽もしっかりと効かせる ボルドー型 (グラーヴ型とも)です。 ペアリングにおいては、ロワール型はソーヴィニヨン・ブラン特有のカヴァー範囲の広さと、特殊な対応力を発揮する一方

梁 世柱
2021年10月17日


「ヴァン・グリ」って何でしょうか!?
直訳すれば「灰色ワイン」。 今日は淡いロゼのような色合いの「Vin Gris(ヴァン・グリ)」というカテゴリーのブルゴーニュワインをご紹介します。 「ヴァン・グリ」はフランスでは昔から造られているワインですが、近年あまり見かけなくなり、日本へ輸入しているインポーターさんも少...

SommeTimes特別寄稿
2021年10月14日


Bordeaux in Green <ボルドー特集:前編>
正直に言おう。私の心は長らくの間、ボルドーから離れていた。かつて夢中になっていたことを、どこか小っ恥ずかしく感じて、少し酸っぱい想い出に蓋をするようなところもあったとは思うが、単純に、私の心に響くボルドーになかなか出会わなくなっていたのもまた事実だ。思えば、近代のボルドーにとって、莫大な設備投資は品質向上とイコールであるかのような報道が、絶え間なく続いてきた。その金満的で工業的な進化は、ワインに自然への賛美を求める私のようなトラディショナリストにとって、決して魅力的なものではなかった。もちろん、全てのボルドーがそうでは無いことは重々承知していたが、それでも、私の酷く個人的で感情的な嫌悪感を拭い去るには至ってこなかった。はっきりと言おう。私はもうとっくの昔に、ボルドーのファンではなくなっていたのだ。そんな私が、なぜ今更ボルドーに向き合うことになったのか。かの地に対して10年以上失っていた興味が、なぜ戻ってきたのか。それは、 ボルドーが変わった からだ。驚くほど 劇的に、そして急速に。今ボルドーは、世界最高の銘醸地として、世界のワインシーンを力強く牽

梁 世柱
2021年10月10日
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