南アの多様性と進化 

1498年にヴァスコ・ダ・ガマが開拓したヨーロッパからインドへ至る新たな通商海路の要所が、南アフリカの西ケープ州に位置する喜望峰だった。やがて、大航海時代が始まり、オランダ東インド会社の南アフリカ現地法人代表であったヤン・ファン・リーベックがケープタウンに葡萄を植えたのが1655年。ヨーロッパからも、他の主要なニューワールドワイン産出国からも遠く離れた南アフリカは、ヨーロッパのワイン文化とニューワールドのワイン文化が絶妙に入り混じりながらも独自の発展と遂げた、興味深いワイン産地だ。


聡明な南アフリカワイン協会(WOSA)も、南アフリカ特有の多様性のアピールに余念が無い。そして、この国に宿った数多の個性は、確かに独自の声を発している。


今回は、「南アフリカワイン ベンチマーク テイスティング」と題された、ブラインドテイスティングプログラムの内容を、筆者のブラインドテイスティングによる感想と共にレポートする。



Flight 1

「Syrah vs Shiraz」と題されたこのフライトには、南アフリカ特有のワイン文化が色濃く反映されている。Syrahはヨーロッパ的ワイン、Shirazはニューワールド的ワインを目指してデザインされた味わい。果たしてどれほどの違いが生まれるのだろうか。


Sample 1

透き通らないくらいの濃いパープル。

ヴァイオレット、ブルーベリー、黒胡椒の香り。

非常に滑らかなテクスチャー、こなれたタンニンと丸い酸。

中心は硬いが、程よく密度のあるボディ。

余韻は柔らかいが短い。 

Shiraz 予想価格 3,500円 


©︎WOSA


実際は、2,210円のShirazであった。価格に関しては公正にジャッジしたつもりだったので、まさかの2,000円代前半という結果には驚いた。スタイルとしては、分かりやすくニューワールド風。果実味が味わいの中核にしっかりと座っており、タンニンと酸の処理もスムーズなタイプ。



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