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わらび餅と魔法のペアリング
スイーツとワインの極上ペアリング を体験していない、もしくは「辛口マッチョ」にこだわる余り、無条件にあらゆる甘いものを拒絶しているのであれば、ワイン愛好家としてかけがえのない体験を見逃している。 甘味が入っていない、いわゆる普通の料理とワインのペアリングにも、もちろん強烈に素晴らしい組み合わせが無限と思えるほど存在しているが、「インパクト」という側面において、スイーツとワインの優れたペアリングは、「普通」を優に上回る。 今回は、そんなスイーツとワインのペアリングにおける、一つの鉄板パターンを紹介しよう。 題材とするのは、 わらび餅 。

梁 世柱
2025年9月21日


秋の味覚「秋刀魚」をペアリング攻略
飲食店のメニューに 秋刀魚 が載り始めると、 秋が目の前に迫っている ことを強く感じる。 特定の食材によって、 季節の移ろい を知ることができるのは、日本らしい 食文化の美 と言える。 そんな秋刀魚を使った料理の定番ペアリングが、コクのある純米酒なのは間違いないが、ワインとのペアリングもポテンシャルが非常に高い。 ただし、 秋刀魚の調理法によって、細かな微調整が必要 になる。 今回は、秋刀魚を 生(あぶり) 、 焼き 、 煮付け の3種類に分けて、検証していこう。

梁 世柱
2025年9月8日


レバニラ炒めとワインで、エネルギー補給
疲れが溜まってきた時の、エネルギー補給食。 人それぞれあるとは思うが、私の場合はレバニラ炒めが最有力候補だ。 日本では一般的な大衆食堂でも当たり前のようにおいてあるメニューとなっているため、イメージが薄くなってはいるが、元々は、 韭菜炒牛肝 という中華料理である。 鶏か豚のレバーを洗ってから血抜きし、生姜汁で臭みを取りつつ下味をつける。刻んだニンニクをたっぷりの油で炒め、さらにニラを加え、最後に事前に揚げ焼きしておいたレバーを投入して味を整える。 醤油と塩コショウに加え、オイスターソースや豆板醤が加えられることもある。 日本では、モヤシが入ることも多い。 レバー特有の風味があるため、ある程度好き嫌いは分かれるだろうが、豊富に鉄分やビタミンを含んでいる上に、ニンニクパワーも相まり、エネルギーが急速補給されていく。 さて、そんなレバニラ炒めにワインを合わせる時なのだが、大きく2通りの方法がある。

梁 世柱
2025年8月31日


ポルチーニは最強のペアリング食材
世界三大キノコをご存知だろうか? トリュフ、マツタケ、そしてポルチーニだ。 量を誤れば、料理に対して完全に支配的となってしまうほどの芳醇な香りが特徴的なトリュフ。 繊細さと大胆さが共存する、日本的美の象徴であるマツタケ。 そして、 キノコの王様 と讃えられ、ヨーロッパ諸国で広く親しまれている ポルチーニ は、ナッツを思わせる奥深い香味と、絶妙な食感がたまらない。

梁 世柱
2025年8月24日


いかめし&ワイン
ピザがイタリア中で食されているように、日本にも、すでに全国区の人気となり、どこの郷土料理かよく分からなくなっているようなものがある。 いかめし、もその一つだろう。 いかめしは、元々は本州から見た北海道の入り口である渡島地方の郷土料理なのだが、駅弁としての爆発的な認知度の上昇をきっかけに、日本全国の飲食店でも供されるようになった。 スルメイカの内臓を取り除き、ゲソを外し、空洞となった胴身に、うるち米ともち米を混ぜて詰め込み、醤油、みりん、酒、砂糖の合わせ調味料と出汁で煮込んだ料理が「いかめし」なのだが、歴史は意外と浅く、第二次世界大戦中の米不足を解消するために考案されたものだ。

梁 世柱
2025年8月3日


カブト煮とのペアリングを制する
割烹的な日本料理の中でも、 カブト煮 は大好物の一つだ。 切り身としては使えない部分を、簡単にほぐれるまで柔らかく煮込んで、余すことなく食べ尽くす。 ゼラチン質が入り混じる小さな小さな身の美味さもさることながら、 食材への、命をいただくことへの深いリスペクト を感じる、素晴らしい料理だと心から思う。 さて、そんなカブト煮は、 醤油ベースの甘辛ダレと生姜 で煮込むのが定番レシピ。

梁 世柱
2025年7月20日


フカヒレの姿煮と極上ペアリング
フカヒレ といえば、中国料理を代表する高級食材の一つ。 フカヒレの原料となるのは、大型サメ類のヒレ。特に超大型に属するジンベイザメ(最大18m超級)とウバザメ(最大12m級)の背びれが最上( 天九 翅 と呼ばれる)とされているが、捕獲及び取引に厳しい規制がかかっているため、非常に稀少となっている。 高級料理の食材となる姿煮用のものは、 排 翅と呼ばれ、 ヨシキリザメやネズミザメ(共に最大3M級)の背びれと尾びれが最も良く用いられている。イタチザメ(最大5M級)やなどのさらに大型なものだと、同じ 排 翅でも 価格が高くなる。 より大きく厚く、形が整ったものが高値で取引されるのだが、僅かな違いが大きな価格差を生み出す、なんとも非常に特殊な食材だ。

梁 世柱
2025年7月13日


Not a Wine Pairing <6> 紹興酒漬けには、やっぱり中国酒
本記事は、先日の <紹興酒漬けとワイン> に対する、セルフ反論となる。 紹興酒漬けに対して、いかにワインを合わせていくか、にフォーカスしたのが先日の記事なのだが、 その目的は中国酒とのクラシックペアリングを否定する類のものではない 。 むしろ、あのような 変化球ペアリングは、クラシックへの多大なリスペクトがあってこそ、成功への道が見えてくる のだ。 さて、今回はNot a Wine Pairingシリーズとして、そのクラシックに迫ってみよう。 ペアリングの題材に選んだのは、 車海老の紹興酒漬け だ。

梁 世柱
2025年7月8日


カラスミパスタは、ペアリングの難敵か?
カラスミ と言えば、日本では秋から冬にかけて旬が訪れる高級食材。 その時期が旬となる理由は2つあり、まずは日本の近海におけるボラの産卵期が10~1月であることと、乾燥に適した気候(風通しが良く、空気が乾燥している)もまた同じ時期に訪れる。 日本のカラスミは、塩抜きの工程で清酒か焼酎を用いる点にも特徴がある。 独特のしっとりねっとりとした食感と、奥深い味わいは、高級珍味の名に相応しいものだ。 他にも、 台湾(オーヒージー) や、 イタリア(ボッタルガ) などが特にカラスミの生産で名高い。 歴史的には、 古来からギリシャとエジプトで造られていた ものが、 安土桃山時代 に日本に中国からもたらされたと考えられている。

梁 世柱
2025年6月29日


プリンとワインの極上ペアリング
子供から大人まで楽しめる。 プリン は実に偉大なスイーツだ。 プリンの歴史を紐解くと、なかなかに興味深い。 発祥に関しては2つの有力な説があり、一つは16世紀にイギリスの航海士が考案したという説、もう一つはなんとソーセージ(腸詰)から派生したという説だ。 後者の説には違和感を覚える人もいると思うが、 プリンの語源であるpuddingの原義 は、そもそもスイーツのみを意味していない。

梁 世柱
2025年6月22日


おでんとワインの出会い
おでんといえば、冬!なのかも知れないが、私はロゼを一年中飲んでいるように、旬の食材以外は、それほど季節感にこだわりなく、食べたいもの、飲みたいものに本能がささやくままに手を伸ばす習性がある。 そして、なぜか今年の冬には一度も食べなかったおでんを、初夏の今頃になって食べたのだ。 ひたひたに出汁が染み込んだ大根や卵、出汁を吸ってふわっと膨れた練り物、とろとろになるまで煮込まれた牛すじ肉。 カラシや柚子コショウでアクセントをつけたら、日本が世界に誇る大衆料理が完成する。

梁 世柱
2025年6月15日


キムチとのペアリングは可能か?
アジア独自の 漬物文化 は、奥深い魅力に満ちているが、ペアリングとなると頭を抱えることも多い。 唯一、 酢漬け系 のみが、漬物の酸味とワインの酸味をしっかりと量的に合わせていくことで、比較的容易な攻略が可能だが、その他となると非常に厄介なイメージが付きまとう。 塩味をワインの酸でカットしても、多少の酸味をワインの酸で調和させても、結局は強い 「漬物風味」 が覆い被さってきてしまうように感じる人も多いだろう。 今回のペアリング研究室は、漬物系の中でも難題中の難題の一つ、 キムチ を題材にしよう。 ご存知の通り、キムチは朝鮮半島を代表する漬物。

梁 世柱
2025年6月7日


驚愕のビール+αペアリング
私はあまり、外食の時にペアリングを頼まない。 ペアリングになると、どうしても「オン」になってしまい、せっかくのプライヴェート時間まで仕事モードになってしまうのが一番の理由だ。 誰かと食卓を共にしているのに、ペアリングの分析に夢中になってしまい、ついつい会話を疎かにしてしまうのは、私の悪癖である。

梁 世柱
2025年5月25日


アクアパッツァには地中海のワイン
食の都 ナポリ が誇る名物料理は多々あるが、 アクアパッツァ (ペシェ・アッラックア・パッツァ)は、カジュアルイタリアンとして広く親しまれている逸品だ。 魚介類をトマト、オリーヴオイルと共に煮込む、というシンプル極まりない料理なだけに、素材の質と、シェフの腕が極めて重要となる。 いや、重要どころか、一切のごまかしが効かない、とすら言えるだろう。 残酷だが、半端な店でアクアパッツァを頼んでも、満足度はそれほど高くならないのだ。 特に、既製のブイヨンを用いない伝統的なレシピの場合、そもそもカジュアルな料理として成立させるのが難しくなってしまう側面すらある。

梁 世柱
2025年5月19日


生肉のカルパッチョを攻略
肉料理、特に赤身肉を使った料理には、赤ワインが定番。 ワインペアリングの常識は概ね正しい。 特に 噛みごたえのある赤身肉 と合わせるには、赤ワインの タンニンが必要 になるからだ。 しかし、その法則は、 「逆」の可能性 も示している。 噛むことを僅かしか必要としない赤身肉料理なのであれば、タンニンもまた不必要となる のでは無いのか、と。

梁 世柱
2025年5月10日


甲殻類の正解ペアリング
数多い海や川の幸の中でも、甲殻類は(本マグロなど特殊なものを除いて)別格と言えるほど価値が高い。 上海蟹、松葉蟹、伊勢海老、オマール海老など、甲殻類はまさに花形的存在だ。 そして、日本人の食文化とも、甲殻類は深く結びついている。 懐石料理の中でも、甲殻類を献立の主軸とした店は、頭一つ抜けて価格が高い。 今回はそんな甲殻類に対して、最高のペアリングアイデアを紹介していこう。

梁 世柱
2025年4月25日


魔法の料理 サルシッチャとペアリング
今思えば、イタリアンレストランと私の縁は、かなり古い。 高校生の時のアルバイトで、イタリアンレストランに入ったことがあったのだが、レストランの中で飛び交う聞き慣れない横文字の連呼にすぐさま挫折してしまい、長くは続かなかった。でも、歓楽街の大衆的なお好み焼き店でのバイトが長かった私にとっては、全くの異世界に触れたようなものだったので、なぜか強く記憶に残っている。 それから、日本酒バー、割烹、高級日本料理、高級フレンチ、高級中国料理など、さまざまな料理店で経験を積んで行ったが、最後にフルタイムで現場に入ったのは、イタリアンだった。 10代の頃とは違い、経験を積んできた私にとって、クリエイティヴなイタリアンでの仕事は楽しかった。 それまではワインの教科書で、名前だけ知っていて実際には食べたことはなかった料理に、数多く触れることもできた。

梁 世柱
2025年4月19日


ユッケの正解は、赤ワインなのか?
1996年に、食材の中で死滅していなかったO-157などの大腸菌によって、大規模な食中毒が起こったことを機に、食品衛生への懸念が高まっていた中、2011年に焼肉チェーン店が起こした、ユッケ集団食中毒事件は、181人の顧客に腸管出血性大腸菌O-111を感染させ、5人の死者と24名の重症者を出すという、日本の飲食史上最悪とも言える大惨事に繋がった。 この事件を受けて、生食用牛肉の処理に関する基準がさらに厳格化。生肉としての提供自体が完全に禁止されたのは牛レバーのみ(2012年以降)だが、生肉提供のために必要な検査や処理の煩雑さ、所要時間、高いコストなどから、実質的には全ての牛生肉提供が禁止に限りなく等しい状況となった。 しかし、店舗が自治体からの許可を取得した上で、規定を満たした生肉処理を行なった肉卸業者から購入すれば、今でも牛レバー以外は提供することはできる。 そう、正しいお店選びをすれば、「本物の」ユッケを、安全に食べることができるのだ。

梁 世柱
2025年4月12日


鰻重を活かす赤ワインとは
一昔前まで、鰻は日本人の食卓には欠かせない食材のはずだったが、20年前と比べると2倍以上に膨れ上がった価格が、鰻をすっかりハレの日の楽しみへと変えてしまった。 鰻の価格が跳ね上がった理由には、もちろん需要と供給の関係という市場原理が働いている側面もあるが、別の問題として、鰻養殖の難しさがある。 鰻の養殖は、実は現状その大部分を、天然のシラスウナギ(鰻の稚魚)の漁獲に頼っている。 近年は、そのシラスウナギの漁獲量が減少の一途を辿っているため、輸入への依存度が高くなり、さらに飼料の高騰などの要因も重なって、価格上昇に歯止めが効かなくなった。 2024年の朝日新聞の記事によると、日本の水産省は1990年代からシラスウナギそのものを養殖する技術開発に取り組み、2002年には世界で初めて成功。現在では、年間4~5万匹ほどのシラスウナギ生産が可能になったようだが、日本国内における鰻の年間消費量は約1億匹とされているため、全てを賄うには到底足りない。 2050年までには、国内の全ての鰻養殖業者に、養殖シラスウナギを行き渡らせる計画を立てているそうだが、それほど

梁 世柱
2025年4月5日
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