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SommeTimes’ Académie <96>(フランス・シャンパーニュ地方: Part.2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・シャンパーニュ地方 について学んでいきます。 シャンパーニュ地方は、フランスを代表するだけでなく、世界的に最も優れたスパークリングワインの産地とみなされています。 近年は、他国他産地で同じトラディショナル製法で造られたスパークリングワインの、大幅な品質向上も見受けられますが、その平均的品質の高さと、最高品質級の数量において、シャンパーニュの聖域は未だ揺らいでいません。 シャンパーニュ地方第2回は、シャンパーニュ地方の 葡萄品種とブレンドにおける主な役割 について学んでいきます。

梁 世柱
6月19日


再会 <79> スペインの至宝
Vega-Sicilia, Unico 2014. 私がワインを学び始めた頃、正式なタイトルは忘れてしまったが、 「世界の名ワイン100選」 的な本を愛読していた。 ボルドー左岸メドック地区の第一級シャトー、右岸サン=テミリオンやポムロールの極上ワイン、ブルゴーニュのグラン・クリュ、シャンパーニュのプレスティージ・キュヴェ、イタリア・ピエモンテ州のバローロ、バルバレスコ、トスカーナ州のブルネッロ・ディ・モンタルチーノとスーパータスカン、カリフォルニアやオーストラリアの超高級ワイン。 20年以上前の本 だが、よくよく考えてみれば、 現代とそれほどラインナップは変わらない のかもしれないが、驚くことでもない。 偉大なワインは、よほどの失策を繰り返さない限り、いつでも偉大 なのだ。

梁 世柱
3月31日


出会い <63> 環境のアロマ
Marzagana Elementales, Vita 2022. ¥8,000 ふと疑問に思った。 きっかけは、焼肉店でたらふく食べた後の、自分の衣服だった。 美味しかった記憶がすぐに蘇ってくるような、焼肉の匂いが染み付いていた。 そんなことは当たり前、と誰もが思うだろう。 そう、 香りは揮発 し 、染み付く のだ。 生育期の葡萄畑 を歩き回り、その畑から造られたワインを飲む、という経験をしたことがある人であれば、 畑とワインのアロマの間に明らかな共通性を感じたことがある のではないだろうか?

梁 世柱
2024年6月30日


Wine Memo <18>
Bodegas Fulcro, Albariño “A Cesteira” 2021. 昨年12月のVinho Verdeツアーには、日本から2名、イギリスから2名、そしてカナダから8名が招待されていた。 主にソムリエを中心に集められたメンバーだったため、いつもの海外訪問よりは年齢層が低い(海外でも、若いジャーナリストはユニコーンだ。)とは予想してはいたが、カナダから来ていた一人の若者には大いに驚かされた。 職業はモデル、と言われても全く疑わない程の美貌に恵まれた彼女は、なんと21歳。 ソムリエとしても現場に立っているそうだが、彼女はInstagramでフォロワー約29万人を抱える、いわゆる「インフルエンサー」という仕事もしている。 彼女のことを良く知る前は、「なんだ、そういう枠か」と思った(個人的に、ブロガーや自称インフルエンサーなる人々とは、あまり良い思い出がない。)ことを正直に告白するが、ツアーの最中、誰よりも熱心に質問(しかも非常に鋭い!)を繰り返し、テイスティングの際は高い集中力で真剣にワインと向き合い、その知識量は

梁 世柱
2024年1月18日


グレドスワインの軌跡
スペインの首都、 マドリード の中心部から車で約1時間の距離にある グレドス山脈 は、首都圏に住む人々の間で人気のハイキング場所だ。 週末ともなれば、家族連れの観光客が遠足気分を満喫している。 東京に例えるなら高尾山のような感覚だろうか。 その場所が今や、 世界に知られるワイン産地 になるとは、20年ほど前には想像もできなかったであろう。 絶景のハイキング場所は、標高500mから1000m超だが、中心部が500mの標高に位置するマドリードからの移動は、山を登ってきた感覚はない。ハイウェイで向かっていくと、美しい壮大な山脈が出迎えてくれる。険しい山間に葡萄畑があるのだが、まるで何十年も我々を待ってくれていたような、いや安易に近づいてはいけないような、おどろおどろしくも見える 古樹 達が点々と植っている。 今や高級ワイン産地として、まさに 「穴場」的な場所からのシンデレラストーリー をもつ産地だが、スペインの中で、このような形で高級ワイン産地として世界中から注目を浴びた場所は、約30年前の プリオラート 以来であろうか。 ほとんどのぶどう畑は 6

SommeTimes特別寄稿
2023年3月2日


出会い <29> 後悔先に立たず
Txomin Etxaniz, Getariako Txakolina 2021. ¥3,500 ワインと共に生きる中で、様々な後悔に駆られることは少なからずある。 テイスティング会場で疲れ果ててしまい、途中で脱落した時などは、決まって後で後悔するし、同伴者が喜んでくれるだろう、と心から思ってワインリストをまじまじと眺めてやっと決めた選んだワインが、全然好みから外れてしまった時などは、後悔を超えて、一応プロとしては穴にでも入りたい気分になる。 当然、飲み過ぎたことによる後悔は数知れず。 素晴らしいワインを飲んでいたはずなのに、飲み過ぎてディテールを曖昧にしか覚えてない、というときは、「楽しかったから良し!」と自己弁護はするものの、後悔がずりずりと後ろ髪を引っ張り続けてくるものだ。 そんなさまざまなワインにまつわる後悔の中で、多くの人にとって筆頭に挙がるのは、「 もっと飲んでおけば、もっと買っておけば良かった。 」だろう。 10年前に一念発起してドメーヌ・ルロワをたくさん買っていれば、今頃小金持ちになれていたかも知れないし、それ以上にもっと飲んでお

梁 世柱
2023年1月29日


再会 <24> スペインのニューリーダー
Envinate, Palo Blanco 2020. ¥4,700 スペインにおいて、進化のタイミングはクラスター的に発生することが多い。 近代を振り返ってみても、 「四人組」 を中核とした プリオラート、ペスケラ を中心とした リベラ・デル・デュエロ、ラウル・ペレス を中心とした ガリシア など、各地域がまるで順番待ちでもしているかのように異なるタイミングで、突然現れたスター生産者に引っ張られながら進化を果たしてきた。 しかし今スペインで起こっている進化は、 これまでの例とは少し異なっている 。 一つの生産者がムーヴメントを引っ張っている点では相変わらずだが、今回のスーパースターは、なんと 三箇所の全く異なる地域で、同時多発的に進化を促している のだ。 造り手の名は「 エンヴィナーテ 」。 2005年 のデビューから瞬く間に、スペインワインのスタイルを大幅にアップデートした、 新たな「四人組」 だ。 大学の同窓であった ロベルト・サンタナ、アルフォンソ・トレンテ、ラウラ・ラモス、ホセ・マルティネス は、 ガリシア地方のリベイラ・サクラ、アルマ

梁 世柱
2022年11月6日


再会 <21> 熟成の果てに待ち受けるもの
R. López de Heredia, Viña Cubillo Crianza 3er Año, Late 1960s~70s. ワインの熟成というのは非常に奥が深い。 そしてその熟成に付随した「飲み頃」という考え方もまた、実に奥が深い。 筆者も頻繁にこの熟成と飲み頃に関する質問を受けるが、 シンプルかつ完璧な答えが存在していない ため、毎度のようになんとも返答に困ってしまうのだ。 いや、よく考えてみれば、一つだけ完璧な答えがあった。 「 自分の好きにすれば良い 」だ。 まぁ、それは半分くらい冗談なのだが、答えをなかなか明確には示せない理由は確かにある。 その理由とはズバリ、 主観性 の問題だ。 どの熟成タイミングのワインを「美味しい」とか「素晴らしい」と感じるかはまさに 千差万別 で、あまりにも個人差が大きい。 例えば私自身は、はっきりとしたフルーツの味わいと、程よい熟成感が相乗効果を生み出しているようなタイミングのワインが好きだが、同じワインを飲んで「若すぎる」と思う人も、「遅すぎる」と思う人も必ずいる。 一方で、それぞれの熟成タイミング

梁 世柱
2022年9月25日


スペインワイン再認識 リオハ
日本に戻り、再びワイン業界で働き始めて約2年半が経ちました。 これまでインポーターだったこともあり、最初は戸惑いながらの仕事でしたが、今はお客様の声を直接聞きながらワインを提案することにやりがいを感じています。 そのような中で書く今回ですが、今までは1本のワインについて色々...

SommeTimes特別寄稿
2022年9月9日


再会 <19> ワインに宿った狂気
Dominio del Urogallo, Las Yolas 2011. どんなマイナー産地にも、どんなに評価が低い産地にも、一人や二人くらいは、 特別な存在 が居たりする。 ワインという世界の興味深いところだ。 しかし、たとえ彼らのワインが凡百の「その他」とは明らかに一線を画し、象徴的存在となったとしても、 数多くの追従者が現れなければ、その産地自体の評価を押し上げるにはなかなか至らない 。 例えば、イタリアのアブルッツォ州。 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ というこの地の赤ワインは、長らくの間大量生産型のカジュアルワインとして存続してきたという歴史がある。 アブルッツォには、Valentini、そしてEmidio Pepeという世界的な名声を誇る特別な造り手達がいるが、彼らの品質に追いつくほどの追従者は結局現れていない。 その結果として、モンテプルチアーノ・ダブルッツォというワインは今でもカジュアルワインから脱却できていない。 これもまた、ワインの面白いところであると同時に、ワイン市場の残酷さを示す例と言えるだろう。

梁 世柱
2022年8月27日


出会い <18> 常識の外側
Bat Gara, Txakoli “Uno” 2014 ワインの世界にも、 「常識」 というものはある。 シャンパーニュ地方でシャンパーニュ製法に基づいて造ったスパークリングワインのみが、シャンパーニュを名乗れる。 ブルゴーニュのシャルドネは、バトナージュして、MLFして、それなりに新樽を使う。 優れたバローロは、少なくとも10年は寝かせる。 ワインという文化を形成する様々な要素に、常識はついて回る。 そして、常識を知らないと恥ずかしい思いをすることも、確かに少なからずある。 しかし、それらの常識には必ずと言ってよいほど 例外がある ものだ。

梁 世柱
2022年8月13日


再会 <14> ガリシアの秘宝
Quinta da Muradella, Muradella Blanco 2012 2000~2010年前後頃のスペインワインは、実に楽しかった。 現在はカタルーニャ州の各地やマドリード近郊を中心に新たな盛り上がりを見せ、また違った楽しさが生まれているが、 ほんの10年ほど前まで、スペインワインのホットゾーンは、間違いなく北西のガリシア地方だった 。 そのシーンを引っ張っていた象徴的存在は、 ラウル・ペレス 。 天才 の名をほしいままにした希代の醸造家は、ガリシアの各地に点在していた気概溢れる造り手たちとタッグを組み、時に自らの名を冠し、時に彼らの名を冠して、数えきれないほどの傑作群を世に送り出していた。 ラウルとタッグを組んだことによって、結果的にその名声や評価が大きく高まった造り手も多く、フォルハス・デル・サルネスのロドリゴ・メンデス(リアス・バイシャス)、アデガス・ギマロのペドロ・ロドリゲス(リベラ・サクラ)などは、すでにスーパースター級の存在となっている。 そんなラウルに連なる造り手たちの中でも、最も地味で、最も奥深く、最も難解かつ異質

梁 世柱
2022年6月12日


償いの丘 <カタルーニャ特集:ペネデス編>
何度も、何度も、フラッシュバックする光景がある。あの瞬間、不意に気付かされた過ちに、あらゆる言い訳は意味消失した。私にとってペネデスの丘は、終わりのない贖 罪 の日々と、生涯守り続けることになる約束の、始まりの地である。 ペネデス カタルーニャ州のペネデスは、プリオラートと並ぶ最重要産地として、名を馳せてきた。しかし、この2産地は 両極端の性質をもつ に至ったことでも知られている。プリオラートが4人組による復興後、スペイン最上のクオリティ産地へと進化した一方で、 ペネデスは超大量生産型産地の典型例として猛進を続けた 。 言うまでもないかも知れないが、ペネデスで超大量生産されてきたワインとは、スパークリングワインの カバ である。 コストパフォーマンスという一点において、カバは世界各国のトラディショナル製法(シャンパーニュ製法)で造られるスパークリングワインに対して、圧倒的な優位を維持し続けてきた。 また、カベルネ・ソーヴィニヨンなどで造られる インターナショナルスタイル のワインも、カバに比べればマイナーだが、強い勢力を維持してきた。こういったワ

梁 世柱
2022年2月28日


出会い <7> 経験を超えるもの
Augalevada, Ollos de Roque. 2018 ¥3,900 卓越したワイン造りに、 経験値 は必要なのでしょうか。 普通に考えれば、答えは YES です。 かつて「猿酒」造り(葡萄を容器の中で潰して、放置するだけ)に挑戦して、大失敗した経験のある筆者にとって、ワインメーカーという職は、明白に 「専門職」 です。素人がいきなり素晴らしいワインをいとも簡単に造れるほど、ワイン造りは甘いものではありません。それだけは間違いない、と断言できます。 しかし、モノづくりとは不思議なもので、経験値に加えて、 センス 、別の言い方をすれば 才能 とでも呼ぶべきものが、大いに関わることも確かにあるのです。 少々厳しい言い方にはなりますが、いつまで経っても一向に品質が向上しない造り手もいれば、キャリアは浅くても三段跳びで進化してしまうような造り手もいる、ということです。 排他的な考え方は好きではないので、センスに恵まれなかった(と私が個人的に感じる)造り手を非難する気は一切ありませんが、ルーキーの大活躍には、心が躍るのも確かです。

梁 世柱
2022年2月26日


葡萄品種から探るペアリング術 <9> アルバリーニョ
葡萄品種から探るペアリング術シリーズは、特定の葡萄品種をテーマとして、その品種自体の特性、スタイル、様々なペアリング活用法や、NG例などを学んでいきます。 今回は、アルバリーニョをテーマと致します。 また、このシリーズに共通する 重要事項 として、葡萄品種から探った場合、 理論的なバックアップが不完全 となることが多くあります。カジュアルなペアリングの場合は十分な効果を発揮しますが、よりプロフェショナルな状況でこの手法を用いる場合は、ペアリング基礎理論も同時に参照しながら、正確なペアリングを組み上げてください。 アルバリーニョのスタイル アルバリーニョのスタイルは、(甘口が非常に少ないという点を除いて) リースリングとの類似点 が多く見られます。醸造方法や他品種とブレンドするか否かに関しては、世界各地で様々なヴァリエーションがありますが、ペアリングという局面において、アルバリーニョを用いる意味を踏まえれば、 考慮すべき基本スタイルは一つ しかありません。基本的には、 ステンレスタンクやコンクリートタンクといったクリーンでニュートラルな発酵槽と熟成

梁 世柱
2022年2月22日


誰がために鐘は鳴る <カタルーニャ特集:プリオラート編>
世界を旅していると、自分がその場所にいる違和感を全く感じない街に出会うことが稀にある。異国であるはずの場所が、生まれ故郷のように肌に、心に、自然と馴染むのだ。街角から聞こえてくる色とりどりの音が、耳あたりの良い大阪の言葉にすら聞こえてくるのだ。 筆者にとっては、ニューヨークとバルセロナが、そういう街である。 心地良さの理由は、はっきりしている。ニューヨークにも、バルセロナにも、 反骨精神が強固に根付いている からだ。自由と尊厳を求める人々のエネルギーが巨大な渦となって、街全体を満たしているからだ。だからこそ、大阪の下町で、社会的マイノリティーとして生まれた筆者は、その場所をホームと感じることができたのだと思う。 長らく訪問は叶っていないが、久々に心の故郷の一つに、想いを馳せよう。 騒がしく、慌ただしく、エネルギッシュで、優しく、何よりも美しいバロセロナに。 そして、バルセロナを囲む、カタルーニャ自治州という驚異的な魅惑な放つ偉大なワイン産地に。 カタルーニャの反骨精神 かつて地中海の覇者として栄華を誇ったカタルーニャ帝国は、15世紀以降、苦難の道

梁 世柱
2022年2月13日


出会い <6> スペインワインの新常識
Muchada-Léclapart, Lumière 2017. ¥8,900 前回の「再会」では、小さなマイブームの波と、いつまでも色褪せない魅力の話をしました。 そう、ピノ・ノワールのように、永遠とも思える興味を与え続けてくれる品種もありますが、筆者にはいつでも、何かしらのマイブームが訪れています。 実は現在進行形のマイブームは、 スペイン 。 正確に言うと、スペインの中でも 特定の3産地 がマイブームの対象となっています。 1つ目の産地は カタルーニャ州のペネデス 。 2つ目の産地はスペイン領だけど位置的にはほぼアフリカな カナリア諸島 。 そして3つ目の産地は、本日ご紹介する アンダルシア地方 です。 アンダルシア と聞くと、皆様何を思い浮かべるでしょうか? 世界遺産でもある、荘厳な アルハンブラ宮殿 でしょうか。 有名なリゾート地である、 コスタ・デル・ソル でしょうか。 夏の定番料理、 ガスパチョ でしょうか。 それとも、異様なほどに奥深い世界が形成されている、 シェリー に代表される様々な酒精強化酒でしょうか。 魅惑的なアンダルシア

梁 世柱
2022年2月6日


開拓し、牽引し続ける、カタルーニャの地元愛
スペインワインにおいて、カタルーニャは特に重要である。 その歴史は古く、港町としても栄えたバルセロナ、タラゴナでカタルーニャワインの交易が記録された古い文献が残っている。 フィロキセラ禍の際には、フランスへのワイン輸出で大きな利益を生み、自国の被害の際にはちょうどシャンパー...

SommeTimes特別寄稿
2022年1月27日


出会い <5> 衝撃のオレンジ
Vinyas d’Empremta, Rabassa 2019. ¥5,200 オレンジワインの復興は、北イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州とスロヴェニアの国境付近から始まりました。 復興が始まったばかりの1990年代後半は批判も多かったのですが、2000年代に入ると徐々に理解を得るようになり、2010年代から一気に世界各国に拡散、今では第4のカテゴリーとして完全に確立したと言っても過言ではありません。 そして同時に、そのスタイルも、爆発的に多様化しました。 ほとんど白ワインと見分けがつかない色、ほぼ茶色のワイン、確かにオレンジ色に見えるものなど、色だけでも多種多様。 味わいも、古典的な旨渋味型、モダンなフルーティー型、いいとこ取りのバランス型と、大きく分けても3種類。さらに、濁っていたりいなかったり、泡立っていたりいなかったりと、これはもう確かに、一つの立派な大カテゴリーとしての確立を実感させられます。 中でも、筆者が特に注目しているのは、 混植混醸 (一つの葡萄畑に植わった多種類の葡萄を、全て混ぜて醸造する)タイプのオレンジワインで

梁 世柱
2022年1月16日


出会い <4> ナチュラルなグラン・ヴィーノ
Goyo Garcia Viadero, Finca Valdeolmos 2016. ¥5,500 テンプラニーリョ という葡萄は、 まだまだ過小評価されている ので無いでしょうか。 リオハ には数々の銘醸ワイン(協同組合の品質が恐ろしく高いのがリオハの特徴)がありますし、 リベラ・デル・デュエロ には、かの有名な「ウニコ」を造るベガ・シシリアや、かなり前にちょっとしたブームになった「ペスケラ」、カルト的人気と超高価格を誇る「ピングス」なんかもあります。 でも、こういった有名ワインは ブランドとして有名なだけ で、 テンプラニーリョの地位を向上させているとは、あまり思えない 側面もあります。もし本当にテンプラニーリョ自体が支持されているなら、有名では無いワインも、 しっかりと売れるはずなのですよ、テンプラニーリョだから、という理由で 。 でも、現実はそう甘くありません。 色々と シノニム (同意語)が多いのも、テンプラニーリョの弱点の一つ。 リベラ・デル・デュエロでは、ティンタ・デル・パイスか、ティント・フィノ。 トロでは、ティンタ・デ・トロ。

梁 世柱
2021年12月18日
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