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再会 <19> ワインに宿った狂気

Dominio del Urogallo, Las Yolas 2011.


どんなマイナー産地にも、どんなに評価が低い産地にも、一人や二人くらいは、特別な存在が居たりする。


ワインという世界の興味深いところだ。


しかし、たとえ彼らのワインが凡百の「その他」とは明らかに一線を画し、象徴的存在となったとしても、数多くの追従者が現れなければ、その産地自体の評価を押し上げるにはなかなか至らない


例えば、イタリアのアブルッツォ州。モンテプルチアーノ・ダブルッツォというこの地の赤ワインは、長らくの間大量生産型のカジュアルワインとして存続してきたという歴史がある。


アブルッツォには、Valentini、そしてEmidio Pepeという世界的な名声を誇る特別な造り手達がいるが、彼らの品質に追いつくほどの追従者は結局現れていない。


その結果として、モンテプルチアーノ・ダブルッツォというワインは今でもカジュアルワインから脱却できていない。


これもまた、ワインの面白いところであると同時に、ワイン市場の残酷さを示す例と言えるだろう。

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