Goyo Garcia Viadero, Finca Valdeolmos 2016. ¥5,500
テンプラニーリョという葡萄は、まだまだ過小評価されているので無いでしょうか。リオハには数々の銘醸ワイン(協同組合の品質が恐ろしく高いのがリオハの特徴)がありますし、リベラ・デル・デュエロには、かの有名な「ウニコ」を造るベガ・シシリアや、かなり前にちょっとしたブームになった「ペスケラ」、カルト的人気と超高価格を誇る「ピングス」なんかもあります。
でも、こういった有名ワインはブランドとして有名なだけで、テンプラニーリョの地位を向上させているとは、あまり思えない側面もあります。もし本当にテンプラニーリョ自体が支持されているなら、有名では無いワインも、しっかりと売れるはずなのですよ、テンプラニーリョだから、という理由で。
でも、現実はそう甘くありません。
色々とシノニム(同意語)が多いのも、テンプラニーリョの弱点の一つ。
リベラ・デル・デュエロでは、ティンタ・デル・パイスか、ティント・フィノ。
トロでは、ティンタ・デ・トロ。
ラ・マンチャでは、センシベル。
カタルーニャでは、ウル・デ・リェブレ。
これらのシノニムは全てテンプラニーリョを意味するという、壮大なしっちゃかめっちゃかぶりです。
ソムリエ試験やエキスパート試験に合格した人でも、試験後にはすっかりこのことを忘れてしまって、ティンタ・デル・パイスをテンプラニーリョと認識できないことが多々あるような有様です。
なんという不遇でしょうか、テンプラニーリョ。もういっそのこと、全ての州で呼び名を統一する法律でも作ってしまった方が良い気すらします。
さて、ちょっとかわいそうな感じすらあるテンプラニーリョですが、その資質は本物中の本物。
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