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出会い <105> ハプスブルクの残響
3/4 -Tři Čtvrtě , Frankovka 2023. 現在、中東欧において、ワイン産出国として十分に成立する規模を持ちながら、日本のワイン学習の標準的な地図から、ほとんど抜け落ちている国がある。 チェコである。 チェコと聞いて、最初にワインを思い浮かべる人は多くないだろう。
プラハの美しい中世の街並み。歴史を刻んできた石畳。極上のビール。
そのあたりで大体想像力は満杯になる。 だが、謎に包まれているように見えるものほど、視点を少しずらすと、案外あっさり実像が見えてくるものだ。 チェコワインを理解する上で、最初に押さえるべき事実は単純だ。
チェコにおけるワイン用葡萄畑の大部分(約96%)は、南モラヴィアに集中している。 つまり、チェコワインを語るとは、ほとんどの場合、南モラヴィアを語ることに近い。

梁 世柱
5月30日


再会 <99> スーパータスカンの今
Querciabella, Camartina 2021. スーパータスカンは、ある意味「旬を過ぎた」ワインとも言える。 1968年にボルゲリの地でサッシカイアが誕生し、伝説的な1985年ヴィンテージによって、スーパータスカンという存在を一躍メインロードへと乗せたのだが、最初期のスーパータスカンは、実はボルゲリよりもキアンティ・クラシコの地で多く誕生していた。

梁 世柱
2月17日


Not a wine review <7>
テキーラ、と聞けばどういうイメージが真っ先に思い浮かぶだろうか? 現代は、少し昔ほどのパーティー飲み文化も無くなってきているので、親指と人差し指の間をライムで軽く湿らせてから塩を乗せ、それをひと舐めし、テキーラを一気に飲んだあと、ライムをかじる、という一連の「テキーラショット」という「パーティー作法」(別名:若かりし魂への点火)を知らない人も増えているだろうか。 もしくは、マルガリータやテキーラサンライズといったど定番カクテルの材料としても知られているだろうか。 少なくとも、高価なスコッチやブランデーのように、ゆったりと嗜む、というイメージをテキーラに対してもっている人は、かなり少ないと考えられる。

梁 世柱
2月4日


Wine Memo <35>
Arnoux-Lachaux, Vosne-Romanée 1er Cru Les Chaumes 2013. 先代のワイン、と聞くと、不思議とロマンの香りが漂ってくる。 ただしそのロマンは、往々にしてノスタルジアに似たものであり、ワインそのものの素晴らしさとは、少し評価の軸がずれたところにポイントが置かれていることも多くある。(その逆もまた然りだが。) 今回のWine Memoで取り上げたいのは、ブルゴーニュの「先代」ワイン。 ヴォーヌ=ロマネ村の古参ドメーヌとして知られたロベール=アルヌーが、2008年に改称して誕生したのが、アルヌー=ラショーだ。

梁 世柱
2025年10月31日


出会い <90> ポルトガル=オレンジワインのホットゾーン
Espera, Espera Curtimenta 2022. ¥3,900 オレンジワインとは、つくづく興味の尽きないジャンルだと思う。 その理由は、「常識の破壊」にある。 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。我々が白ワインとして慣れ親しんだ葡萄が、オレンジワインとなった途端に、全く未知の姿を見せる。

梁 世柱
2025年9月25日


真・日本酒評論 <5> 飲みやすさの進化系
<正雪:純米大吟醸 天満月> 飲みやすい酒。水のような酒。 この表現が褒め言葉なのか、そうでないのかは、実にややこしい問題だ。 古典的な反論は、「水のように飲みやすい酒が飲みたいなら、水でも茶でもレモンサワーでも飲めば良い。」だとか、「酒は飲んだら酔うのだから、飲みにくいくらいがちょうど良い。」と言った、実に正論と言えるもの。 そのジャンルの玄人になればなるほど、飲みやすい酒という表現を嫌う傾向も見られるが、さらに突き抜けたところになるとまた話が違ってきたりするのが、難しいところでもある。 例えばワインなら、ロマネ・コンティやシャトー・マルゴーは究極的な意味で「飲みやすい酒」と表現して差し支えないだろう。 スコッチ・ウィスキーで最も「飲みやすい酒」がマッカランであることに異論を唱える人は、どう考えても少数派だ。 もし、同じことが日本酒にも当てはまるのであれば、中途半端に飲みやすい酒は賛否両論、突き抜けて飲みやすい酒は称賛の的となるのかも知れない。 むしろ、大量の水を原料とし、各酒蔵の仕込み水の水質が酒質にも大きく影響する日本酒だからこそ、「水のよ

梁 世柱
2022年2月12日


出会い <4> ナチュラルなグラン・ヴィーノ
Goyo Garcia Viadero, Finca Valdeolmos 2016. ¥5,500 テンプラニーリョという葡萄は、まだまだ過小評価されているので無いでしょうか。リオハには数々の銘醸ワイン(協同組合の品質が恐ろしく高いのがリオハの特徴)がありますし、リベラ・デル・デュエロには、かの有名な「ウニコ」を造るベガ・シシリアや、かなり前にちょっとしたブームになった「ペスケラ」、カルト的人気と超高価格を誇る「ピングス」なんかもあります。 でも、こういった有名ワインはブランドとして有名なだけで、テンプラニーリョの地位を向上させているとは、あまり思えない側面もあります。もし本当にテンプラニーリョ自体が支持されているなら、有名では無いワインも、しっかりと売れるはずなのですよ、テンプラニーリョだから、という理由で。 でも、現実はそう甘くありません。 色々とシノニム(同意語)が多いのも、テンプラニーリョの弱点の一つ。 リベラ・デル・デュエロでは、ティンタ・デル・パイスか、ティント・フィノ。 トロでは、ティンタ・デ・トロ。 ラ・マンチャでは、センシベル

梁 世柱
2021年12月18日
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