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SommeTimes’ Académie <112>(イタリア・ピエモンテ州: Part.5)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである ピエモンテ州 は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第5回では、 北ピエモンテ地方における、2つのネッビオーロ銘醸地 に関して学んで行きます。

梁 世柱
10月22日


再会 <92> 折衷派バローロの真髄
Aldo Conterno, Barolo Bussia Cicala 2017. ブルゴーニュの爆発的な高騰が終息しないなか、いわゆる「グラン・ヴァン(偉大なワイン)」を飲みたいと思った時、私の食指が バローロ・バルバレスコ へと動くことは格段に増えた。 かねてから、最上クラスのバローロ・バルバレスコは、ブルゴーニュに対しても全く見劣りしないと考えてきたが、これほど価格差が開いてしまうと、もはや私には偉大なブルゴーニュを自ら買って楽しむ「言い訳」を探すことが不可能となっている。 ブルゴーニュのグラン・クリュ一本に10万円を支払うなら、最高のバローロを4本飲みたい、というのが私の本音である。 さて、そんなランゲ地方の雄たちだが、現在は モダン派、古典派、折衷派の 3大スタイルが共存している。

梁 世柱
10月21日


ケジャンと至高のペアリング
韓国訪問を決めた時、必ず食べると意気込んでいたものの一つが、 ケジャン だ。 ケジャンには大きく2種類があり、生のワタリガニを醤油ベースのタレに漬け込んだ、カニの濃厚な味わいを楽しめる カンジャンケジャン と、コチュジャンベースのタレに漬け込んだ旨辛い味わいの ヤンニョムケジャン となる。 一切の「ごまかし」が効かないカンジャンケジャンは特に、料理店の腕がダイレクトに問われる。 今回訪問したのは、韓国の伝統的な家屋である「ハノク」が立ち並ぶ趣深い北村エリアにあり、ミシュランガイドで一つ星も獲得したことがある、カンジャンケジャンの専門店「クンキワチプ」。 精妙にブレンドされた醤油ダレは、奥深くも軽やか。 ワタリガニの身は濃密な甘味を、ミソは分厚い旨味とコクを表現しており、前日深夜まで及んだマッコリテイスティングの余韻が吹き飛ぶほど、強烈なインパクトを放っていた。

梁 世柱
10月19日


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.1
韓国で活躍する同業のプロフェッショナルたちから、何度も何度も聞かされていた。 韓国国内には、驚くべき品質の マッコリ、ソジュ、薬酒 (韓国ではこれらの総称として、 「スル」 という言葉が用いられる)が存在していると。 しかしそれら韓国の歴史深い国酒に対して、日本では韓国料理店や焼肉店における、「安価な選択肢」としてしか、市場が開かれていない。 市場が無いなら、当然輸入も著しく制限される。 つまり、最上のマッコリやソジュを体験するためには、韓国へと行くしか無かった。 なかなか機会を作ることができなかったが、今回12年ぶりに韓国を訪問することができたため、スルの集中テイスティングを行なった。

梁 世柱
10月18日


SommeTimes’ Académie <111>(イタリア・ピエモンテ州: Part.4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである ピエモンテ州 は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第4回では、この地を代表するだけでなく、全イタリアの象徴的存在の一つである Barbaresco(バルバレスコ) に関して学んで行きます。

梁 世柱
10月16日


出会い <91> 北海道で華開くドイツ系品種
山田堂, Yoichi Blanc 2024. ¥2,800 寒冷地である 北海道 が、 1970年代 から ドイツ・オーストリア系品種 に目をつけたのは、英断だった。 1976年のパリスの審判 をきっかけに、世界各地で爆発的に フランス系国際品種 が広まることになったのだが、その大波が本格化する前に、 ミュラー=トゥルガウ、ケルナー、バッカス、ツヴァイゲルト(レーベ) などの葡萄が北海道に導入されたのは、運命のいたずら、とすら言えるのかも知れない。 パリスの審判から、ロバート・パーカーJrの台頭という一連の流れの中で、2010年代に入るまでは、パワー型ワインの全盛期となったため、繊細な北海道のドイツ・オーストリア系ワインがセールスに苦しんだことは想像に難くないが、耐え忍んだだけの価値はあったと、私は思う。

梁 世柱
10月14日


杏仁豆腐と色とりどりペアリング
中華スイーツの中で、 杏仁豆腐 ほど日本で広く愛されているものはないだろう。 杏仁豆腐は、元々は 薬膳料理 で、咳の治療薬として漢方で用いられていた 杏の核(杏仁) を粉末状にしたものを、薬として飲みやすくするために甘味を加えたのが発祥とされている。 牛乳、アーモンドエッセンスなどで香味付けをした簡易的造りの杏仁豆腐を、甘いシロップの中に、同じサイズにカットしたフルーツと浮かせた 「フルーツポンチ」風の香港式杏仁豆腐 が、日本ではよりポピュラーと言えるだろう。 さて、そんな杏仁豆腐だが、ペアリングの題材としても実に楽しい。 さらにこのペアリングには反則とも言える 裏技 があるので、先にそちらを紹介しておこう。

梁 世柱
10月5日


進化するAIとワインの学び Part.4
ChatGPTなどの生成AIが世界の在り方を変え始めてから、数年が経った。 初期の頃は、ハルシネーションと呼ばれる、事実に基づいていないが、もっともらしい誤情報を生成してしまう現象があまりにもひどく、本格的なリサーチにはまだ到底使えるような代物ではなかったのだが、進化著しい分野だけに、定点観測は行ってきた。 Part.4では、 品種と価格帯指定をして、より広範囲のおすすめをChatGPT5に訊ねる という検証を行った。 指示 「ワインショップにおける小売価格3000円代で、おすすめのピノ・ノワールと生産地の組み合わせを教えてください。」

梁 世柱
10月3日


SommeTimes’ Académie <110>(イタリア・ピエモンテ州: Part.3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第3回では、この地を代表するだけでなく、全イタリアの象徴的存在の一つである Barolo(バローロ) に関して学んで行きます。 Barolo D.O.C.G.

梁 世柱
10月1日


再会 <91> 最強シャンパーニュの大当たりボトル
Alain Robert, Le Mesnil Réserve 1988. (Magnum) 私はシャンパーニュが大好きだ。シャンパーニュの無い人生など、もはや考えられない程に。 確かに、世界的な気候変動や技術向上によって、一般的なレベルのシャンパーニュと比べた場合、遜色ないと言える品質のスパークリングワインは、世界各地で劇的に増えた。 しかし、頂点と呼べる品質領域においては、 シャンパーニュが王者のまま 、というのが私の見解である。 今回は、そんな頂点シャンパーニュの中でも、特に私が執着しているワインとの再会。 アラン・ロベール 。

梁 世柱
9月30日


お気に入り中華メニューは、なかなかのペアリング難敵
近所に最高に美味しく、ほどほどにカジュアルな本格中華料理店が増えたこともあって、私のご近所外食の中華比率がかなり増えている。 そして、最近のお気に入り中華メニューといえば、 雲白肉(ウンパイロウ) だ。 四川料理 の一つなのだが、どちらかというと 本流はニンニクダレで仕上げたスアンニーパイロウ という料理の方で、タレを辛味ダレに変えるとウンパイロウになるとのこと。 余談だが、白肉という言葉は、茹でた豚バラ肉を意味する。

梁 世柱
9月30日


ロゼワイン世界一周 <1> フランス編:Part.1
長い間ワインプロフェッショナルとして活動してきたが、いまだに日本において叶うことが遠いと感じている夢がある。 ロゼワインの浸透だ。 日本は世界で最も成熟した市場の一つであることは間違いないのだが、ロゼワインという一点においては、明らかに後進国である。 本企画では、その現状を憂い、改めてロゼワインの偉大な魅力を、世界一周という形式で紹介していこう。 全てを網羅するのは難しいが、メジャーなロゼから、ある程度マイナーなロゼまで、幅広いヴァリエーションでお届けしていく。 第1回は、 フランス編Part.1 となる。 フランスは世界でも最大級のロゼ生産大国であり、その総生産量は全世界の30%強にも及ぶとされている。 特に南仏エリアを中心に、世界的に名高いロゼが造られているが、各地方で異なる品種、スタイルから極めて多様性に富んだロゼワインがフランス全土で生産されている。

梁 世柱
9月28日


SommeTimes’ Académie <109>(イタリア・ピエモンテ州: Part.2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第2回では、多種多様な地品種が魅力的なピエモンテ州の銘醸ワインの中から、白葡萄主体の産地を整理しておきましょう。 ピエモンテ州は、ネッビオーロを中心とした赤ワインで名高いエリアではありますが、白ワインの中にも、イタリアを代表するクラスの産地があります。 なお、 ピエモンテ州の白ワインに関しては、このまとめ情報でのみ記述いたします 。 Cortese(コルテーゼ) ピエモンテ州の白葡萄の中でも最も知られているのは、 Cortes

梁 世柱
9月27日


出会い <90> ポルトガル=オレンジワインのホットゾーン
Espera, Espera Curtimenta 2022. ¥3,900 オレンジワインとは、つくづく興味の尽きないジャンルだと思う。 その理由は、 「常識の破壊」 にある。 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。我々が白ワインとして慣れ親しんだ葡萄が、オレンジワインとなった途端に、 全く未知の姿 を見せる。

梁 世柱
9月25日


進化するAIとワインの学び Part.3
ChatGPTなどの生成AIが世界の在り方を変え始めてから、数年が経った。 初期の頃は、ハルシネーションと呼ばれる、事実に基づいていないが、もっともらしい誤情報を生成してしまう現象があまりにもひどく、本格的なリサーチにはまだ到底使えるような代物ではなかったのだが、進化著しい分野だけに、定点観測は行ってきた。 Part.3では、私の専門分野である ペアリング を題材にするという、禁じ手とも言える検証を行う。 指示1 「辛口のカレーライスに合うワインをおすすめしてください。」

梁 世柱
9月23日


わらび餅と魔法のペアリング
スイーツとワインの極上ペアリング を体験していない、もしくは「辛口マッチョ」にこだわる余り、無条件にあらゆる甘いものを拒絶しているのであれば、ワイン愛好家としてかけがえのない体験を見逃している。 甘味が入っていない、いわゆる普通の料理とワインのペアリングにも、もちろん強烈に素晴らしい組み合わせが無限と思えるほど存在しているが、「インパクト」という側面において、スイーツとワインの優れたペアリングは、「普通」を優に上回る。 今回は、そんなスイーツとワインのペアリングにおける、一つの鉄板パターンを紹介しよう。 題材とするのは、 わらび餅 。

梁 世柱
9月21日


SommeTimes’ Académie <108>(イタリア・ピエモンテ州: Part.1)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイ タリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第1回では、多種多様な地品種が魅力的なピエモンテ州の銘醸ワインの中から、まずは 黒葡萄主体の産地 を整理しておきましょう。 Nebbiolo(ネッビオーロ) ピエモンテ州だけではなく、全イタリアを代表するといっても過言ではない黒葡萄が ネッビオーロ です。元来は、超長期熟成型のワインで知られていましたが、近年では早飲みタイプとしても、見事なポテンシャルを発揮しています。 代表的な産地は、主に3つのエリアに分布しています。

梁 世柱
9月19日


再会 <90> 頂点であるということ
Domaine de la Romanée-Conti, Grands Échézeaux 2015. ワインには、 ヒエラルキー というものが存在する。 嗜好品だから個人の好みなのに、飲んだら消えてしまうようなものなのに。 色々と言いたいことが出てくる気持ちは分かるが、こればかりはどうしようもない。 音楽で例えてみよう。 中学生の素人が宅録した音源には、そこにしか無い素朴で原始的な魅力が確かにあると思うが、一流のプロが経験と技術とお金を注ぎこんで作り上げた音楽との「品質」的差異は、否定のしようがない。

梁 世柱
9月17日


進化するAIとワインの学び Part.2
ChatGPTなどの生成AIが世界の在り方を変え始めてから、数年が経った。 初期の頃は、ハルシネーションと呼ばれる、事実に基づいていないが、もっともらしい誤情報を生成してしまう現象があまりにもひどく、本格的なリサーチにはまだ到底使えるような代物ではなかったのだが、進化著しい分野だけに、定点観測は行ってきた。 Part.2では、 飲食店や酒販店における現場で十分にあり得るシチュエーション に対して、2025年9月時点のChatGPT5が、どのような答えを示すのか検証してみよう。 指示1 「普段はカンパリオレンジやモスコミュールを好む25歳の女性に対して、白ワインをおすすめしてください。」 ChatGPT5による回答は以下の通り。 カンパリオレンジ(ビターでオレンジの爽やかさ)やモスコミュール(ライムとジンジャーのすっきり感)を好む25歳女性におすすめする白ワインでしたら、「爽やかさ」「柑橘系」「苦味やスパイシーさとの相性」を軸に選ぶと良いと思います。

梁 世柱
9月16日


オールド・ボトリング・ウィスキー
ウィスキーは、 樽から瓶へと移された瞬間に「成長が止まる」 。 つまり、瓶詰め後のウィスキーには、 瓶熟という概念が無く、風味の変化は起こらない 。 それが、ウィスキーに関して教わる 一般的な常識 である。 しかし、果たしてそれは真実なのだろうか? 少なくとも私が体験してきた限りでは、常識通りとはいかないように思える部分がある。 同じ銘柄でも、30年前のオールド・ボトリングと現行ボトリングとでは、味が違うことが多い。

梁 世柱
9月14日
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