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出会い <91> 北海道で華開くドイツ系品種

山田堂, Yoichi Blanc 2024. ¥2,800


寒冷地である北海道が、1970年代からドイツ・オーストリア系品種に目をつけたのは、英断だった。


1976年のパリスの審判をきっかけに、世界各地で爆発的にフランス系国際品種が広まることになったのだが、その大波が本格化する前に、ミュラー=トゥルガウ、ケルナー、バッカス、ツヴァイゲルト(レーベ)などの葡萄が北海道に導入されたのは、運命のいたずら、とすら言えるのかも知れない。


パリスの審判から、ロバート・パーカーJrの台頭という一連の流れの中で、2010年代に入るまでは、パワー型ワインの全盛期となったため、繊細な北海道のドイツ・オーストリア系ワインがセールスに苦しんだことは想像に難くないが、耐え忍んだだけの価値はあったと、私は思う。

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