top of page
検索


SommeTimes’ Académie <155>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州3: 赤ワイン前編)
前回までは、ヴァッレ・ダオスタの白について学んできました。 第一回では、Blanc de Morgex et de La Salle。 モンブランの麓にある高標高の畑と、プリエ・ブランという土着白葡萄が、この州の山岳性を分かりやすく伝えていました。 第二回では、Petite Arvine、Nus Malvoisie、Chambave Moscato。ここではヴァッレ・ダオスタの白が、多様な個性を有していることを確認しました。 今回から、テーマは赤ワイン。 ヴァッレ・ダオスタの赤を理解するうえで、まず中心になるのが Petit Rouge (プティ・ルージュ)です。 また、この品種を軸にすると、Torrette、Enfer d’Arvier、Chambave、Nusといった小地区も整理しやすくなります。

梁 世柱
2 日前


SommeTimes’ Académie <154>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州2: 白ワイン後編)
前回は、イタリア北西部、フランスとスイスに接するアルプスの山岳地帯に位置する、ヴァッレ・ダオスタ州の入口として、Blanc de Morgex et de La Salleを学びました。 モンブランの麓にある高標高の畑。 プリエ・ブランという土着白葡萄。 Blanc de Morgex et de La Salleは、ヴァッレ・ダオスタという山岳州の特徴が、分かりやすく現れる白です。 今回は、ヴァッレ・ダオスタにおける、他の重要な白ワインに関して学んでいきます。 骨格となるのは、前回と同じくValle d’Aosta D.O.C.。 その中では地理的表示と、品種表示の両方が認められていますが、今回は1つの重要な品種表示と、2つの地理的表示について扱っていきます。

梁 世柱
8月25日


ジェノヴェーゼとのイタリアン縛りペアリング
夏になると、私はバジルが爽やかに香るペスト・ジェノヴェーゼを多用する。 この料理の故郷は、イタリア北西部のリグーリア州、ジェノヴァ周辺。 海と山が近く、平地の少ない土地で、オリーブオイル、香草、野菜、魚介を巧みに使う料理文化が育ってきた。 その象徴が、ペスト・ジェノヴェーゼだ。 本場の味を考えるなら、リグーリアで栽培されるBasilico Genovese DOPというバジルが最重要とされ、そこへ松の実、にんにく、パルミジャーノ・レッジャーノ、羊乳チーズのフィオーレ・サルド、粗塩、エクストラ・ヴァージン・オリーブオイルが加わる。 バジルの鮮烈な香りを中心に、にんにくは刺激を、松の実はやわらかな厚みを、チーズは塩気と旨味を、オリーブオイルは滑らかさを加える。 それぞれが存在感を保ちながら、最後にはちゃんとバジルのところへ戻ってくる。

梁 世柱
8月21日


SommeTimes’ Académie <153>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州1: 白ワイン前編)
今回から、イタリア北西部、フランスとスイスに接するアルプスの山岳地帯に位置する、ヴァッレ・ダオスタ州のワインについて学んでいきます。 イタリアの中でも非常に小さな州ですが、高標高、急斜面、冷涼な気候、フランス語圏文化、そして独自の土着品種が重なる、特殊なワイン産地です。 ヴァッレ・ダオスタのワインを理解するうえで、最初に押さえておきたいのは、D.O.C.の構造となります。 この州には、Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste D.O.C. (以降、Valle d’Aostaのみを表記)という大きなD.O.C.があります。 1985年に認定されたこのD.O.C.の中に、Blanc de Morgex et de La Salle、Enfer d’Arvier、Torrette、Nus、Chambave、Arnad-Montjovet、Donnasといった地理的表示、さらにPetite Arvine、Petit Rouge、Fumin、Cornalinなどの品種表示が収められています。

梁 世柱
8月18日


SommeTimes’ Académie <152>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州5: Trento)
トレンティーノ=アルト・アディジェ州編の最終回となる今回は、トレンティーノの中でも特別な存在感を放つ、Trento D.O.C.について学んでいきます。 Trento D.O.C.は、瓶内二次発酵によって造られる、スパークリングワインの原産地呼称です。 つまり、技術的な方向性としては、タンク方式が主流となるProseccoではなく、むしろChampagneやFranciacortaに近いワインとなります。 ただし、Trento D.O.C.をChampagneの代用品として理解する必要はありません。 Trento D.O.C.には、山岳地帯の瓶内二次発酵スパークリングという確かな個性が宿っているからです。

梁 世柱
8月11日


再会 <110> 褪せない輝き
Elio Altare, Langhe Arborina 2005. 10年以上の時を経て、久しぶりに再会したワインは、以前とは違う顔をしている。 いつまでも変わらない若々しさ、なんてものを求める方が、冷静に考えればどうかしている。 ワインはボトルの中で年を取る。 こちらも、その間に少々年を取る。 味覚は変わり、時に衰え、興味の居所が変わることもある。 かつて心を奪われた輝きが、再会の瞬間にそのまま残っているなんて期待は、やめておいた方がいい。 それでも、ときどき不思議なことが起きる。 少し峠を過ぎていてもなお、褪せない輝き。 そんな矛盾に、出会うことはある。

梁 世柱
8月8日


SommeTimes’ Académie <151>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州4: Trentino赤)
前回は、Alto Adigeの赤について学びました。 Alto Adigeの赤では、Schiavaの軽さ、Lagreinの濃さ、Pinot Noirの繊細さが、同じ山岳地帯の中で並んでいることに特徴がありました。 一方、Trentinoの赤に目を向けると、中心はもう少し絞られます。 まず重要になるのは、Trentinoを代表する地場黒葡萄、Teroldego。 次点で、香り高くやわらかな Marzeminoの名が挙がります。 さらに、Merlotを主体としたカジュアルな赤ワインとしての Casteller D.O.C. があります。

梁 世柱
8月4日


SommeTimes’ Académie <150>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州3: Alto Adige赤)
前回まで、トレンティーノ=アルト・アディジェ州編では、Alto AdigeとTrentinoの白について学んできました。 Alto Adigeの白では、標高差と谷の複雑さが、多品種の白ワインをパッチワークのように展開させていました。 一方、Trentinoの白では、Nosiolaを中心に、谷、湖、風、斜面などが具体的にまとまった地形が、品種ごとの個性を支えていました。 では、Alto Adigeの赤はどう理解すればよいのでしょうか。 ここで大切になるのは、「北イタリアの冷涼な赤」として一括りにしないことです。 Alto Adigeの赤には、軽やかで淡い Schiava があり、奥深く濃密なLagrein があります。 そして、冷涼な斜面で繊細さを得るPinot Noirがあります。 同じAlto Adigeの中に、軽さ、濃さ、繊細さが並んでいる。 この振れ幅こそが、Alto Adige赤の入口になります。

梁 世柱
7月28日


SommeTimes’ Académie <149>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州2: Trentino白)
前回は、Alto Adigeの白に関して学んでいきました。 Alto Adigeでは、標高差と谷の複雑さが、多品種の白ワインを多彩に展開させています。 Pinot Bianco、Gewürztraminer、Sauvignon Blanc、Kerner、Riesling。 品種ごとに居場所が与えられ、まるで山肌に細かな布を縫い合わせるように、白ワインの地図が作られていく産地がAlto Adigeです。 一方、南側のTrentinoに目を向けると、白ワインの見え方も少し変わってきます。 もちろん、ここにも多くの白品種がありますが、Trentinoの白を理解するうえで、特に重要になるのは、地場品種の Nosiolaです。 そして、山岳地帯の Müller-Thurgauや国際品種がその脇を固めています。 Alto Adigeが、多品種の精密なパッチワークだとすれば、Trentinoでは、谷、湖、風、斜面といった具体的な地形が、品種ごとの個性をもう少し大きなまとまりの中で支えていきます。

梁 世柱
7月21日


SommeTimes’ Académie <148>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州1: Alto Adige白)
イタリア北東部、オーストリアと国境を接する山岳地帯に、トレンティーノ=アルト・アディジェ州 があります。 この州のワインを理解するうえで、最初に大切なのは、州名を一つの塊として見すぎないことです。 行政上は一つの州ですが、ワインの流れは大きく二つに分けて考えると分かりやすくなります。 南側の Trentino。 そして北側の Alto Adige。ドイツ語圏の文脈では、Südtirol とも呼ばれる地域です。 Trentinoは、地場品種と山岳ワイン文化が色濃く残る地域。 一方のAlto Adige は、ドイツ語圏文化の影響を帯びながら、多品種の白と赤を細かく展開するアルプスの産地です。 この二重性を理解することこそが、トレンティーノ=アルト・アディジェを学ぶ最初の入口になります。 第一回では、Alto Adigeの白から学んでいきます。 Alto Adige / Südtirol D.O.C. 多品種で見る、アルプスの白 主な白品種:Pinot Bianco、Pinot Grigio、Chardonnay、Sauvignon...

梁 世柱
7月14日


SommeTimes’ Académie <147>(イタリア・アブルッツォ州5: Tullum)
アブルッツォ白の支流 Terre Tollesi / Tullum D.O.C.G.で知る、PecorinoとPasserina アブルッツォ州の白ワインを学ぶとき、まず押さえるべき呼称は Trebbiano d’Abruzzo D.O.C. です。 ただし、この州の白はTrebbianoだけではありません。 より小さな範囲の中で、PecorinoとPasserinaという別の白葡萄に光を当てるD.O.C.G.があります。 それが、Terre Tollesi / Tullum D.O.C.G. です。 Tullumは、キエーティ県Tolloに限られた小さなD.O.C.G.。 決して目立つ存在ではありませんが、アブルッツォの土着白品種を理解するうえでは、見落としたくない存在です。

梁 世柱
7月7日


出会い <107> 地場ワインの特設ステージ
Garofoli, Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore “Serra Fiorese” 2021 長い年月、食卓を共にしてきた、同郷のワインと食を組み合わせる。 クラシックペアリングの大原則がもつ魅力は、美食的完成度だけではない。 郷土ペアリングという強固な文脈は、時に、ややマイナーなワインにさえ、強い光を当てる。 何かのきっかけがなければ、強い興味も関心も持たなかったかも知れないようなワインが、当たり前のように目の前にある。 そういう状況を、簡単に生み出すことができてしまうのだ。

梁 世柱
7月5日


SommeTimes’ Académie <146>(イタリア・アブルッツォ州4: Trebbiano)
奥深いグラデーションで魅せるアブルッツォの白 アブルッツォ州のワインにとって、Montepulcianoから造られる赤やロゼの存在感はとても大きなものですが、この州にはもう一つの重要な存在があります。 Trebbiano d’Abruzzo D.O.C. です。 Trebbianoという名前には、どうしても軽く、時に薄い日常的な白、あるいは大量生産的な白という印象がつきまといます。 実際、イタリア各地でTrebbianoの名を持つ葡萄やワインは広く見られ、すべてが個性的な白として語られるわけではありません。 しかし、Trebbiano d’Abruzzoは、それだけで片付けるには惜しいほど、優れたポテンシャルを有するワインです。

梁 世柱
6月30日


SommeTimes’ Académie <145>(イタリア・アブルッツォ州3:Cerasuolo)
中部イタリアを代表するロゼの名品 アブルッツォ州の赤ワインを語るうえで、最も重要な葡萄は Montepulciano です。 そして、そのMontepulcianoから造られるワインの代表格としては、Montepulciano d’Abruzzo D.O.C. が挙げられますが、アブルッツォ州において、この葡萄にはCerasuolo d’Abruzzo D.O.C. という全く別の重要な表現があります。 Cerasuolo d’Abruzzoは、Montepulcianoから造られるロゼ(イタリア語では、ロザート)です。 ただし、淡く軽やかなロゼを想像すると、少し違います。 色はしっかりと濃く、果実味が豊かで、ロゼでありながら赤ワインに近い厚みを感じることもあります。 つまりCerasuolo d’Abruzzoは、淡く爽やかなロゼではなく、Montepulcianoの色、果実味、軽いタンニンを受け止めた、力強いロゼです。

梁 世柱
6月23日


SommeTimes’ Académie <144>(イタリア・アブルッツォ州2: Montepulciano後編)
Montepulcianoの別解 前編では、アブルッツォ州の赤ワインの入口として、Montepulciano d’Abruzzo D.O.C. を見ました。 広域D.O.C.であるMontepulciano d’Abruzzoは、カジュアルな文脈の中でも、軽快な赤から熟成によって厚みを見せる赤まで、表情の幅が広いことに特徴があります。 一方で、アブルッツォ州には、より小さな範囲で定められたMontepulciano系も存在しています。 北部の Colline Teramane Montepulciano d’Abruzzo D.O.C.G.。 新しく独立した Casauria D.O.C.G.。 キエーティ近郊の小さな Villamagna D.O.C.。 この三つは、同じMontepulcianoを、より限定されたテロワールの中で捉えることができる原産地呼称です。

梁 世柱
6月16日


SommeTimes’ Académie <143>(イタリア・アブルッツォ州1:Montepulciano前編)
Montepulciano d’Abruzzo D.O.C.で知る、山と海の赤ワイン アブルッツォ州のワインを学ぶとき、まず中心になるのは Montepulciano d’Abruzzo D.O.C. です。 アブルッツォを代表する赤ワインであり、イタリア全体で見ても知名度の高いD.O.C.の一つと言えます。
濃い色調、明るく豊かな果実味、シンプルで分かりやすい味わい、手の届きやすい価格帯。
そうした印象から、日常的な赤として広く親しまれているワインです。 ただし、Montepulciano d’Abruzzoは、単に「安くて濃い赤」だけで終わるワインではありません。 アドリア海側の明るさと、アペニン山脈へ向かう内陸の冷涼さが交差する、丘陵地と高台の畑。 その広がりの中で、Montepulcianoは、果実味だけでなく、酸、タンニン、熟成による厚みも見せます。

梁 世柱
6月9日


SommeTimes’ Académie <142>(イタリア・マルケ州4:et cetra)
VerdicchioとConeroの外側で覚える、五つのD.O.C.G./D.O.C. マルケ州を学ぶとき、まず中心になるのは白の Verdicchio、そしてMontepulciano主体の Conero です。
ただし、マルケ州には、他にも魅力的なワインたちがあります。
ここでは、Verdicchio系、Conero系の外側で覚えておきたい五つの産地を見ていきます。 Offida D.O.C.G. 南部マルケの土着白と赤をまとめる場所 主な品種:Pecorino、Passerina、Montepulciano
ワインタイプ:白、赤
地域:マルケ州南部、アスコリ・ピチェーノ周辺
D.O.C.G.昇格年:2011年 Offida D.O.C.G.は、南部マルケを理解するうえで重要な呼称です。 ここで覚えたいのは、ひとつのD.O.C.G.の中に、白と赤の両方の柱があること。
白では Pecorino と Passerina。
赤では Montepulciano が中心になります。 Pecorinoは、酸と厚みをもちやすい白

梁 世柱
6月2日


再会 <105> 回収された未完了
Edi Keber, Collio 2023. 以前、イタリア北東部、フリウリ・ヴェネツィア=ジュリア州とスロヴェニアの国境にある町、ゴリツィアを訪れた時、どうしても果たせなかったアポイントメントが一つあった。 クリスティアン・ケベル。 オレンジワイン復興の地を、単なる過去の聖域としてではなく、現在進行形の土地としてもう一段押し上げている次世代の中でも、彼は間違いなくリーダー格の一人である。 しかし、旅には、ときどき非常に現実的な難題が現れる。 葡萄畑の話でもなく、醸造哲学の話でもなく、ただの移動時間だ。

梁 世柱
5月23日


SommeTimes’ Académie <141>(イタリア・マルケ州3: Conero)
アドリア海に迫る山が育てる、Montepulcianoのもう一つの表情 Rosso ConeroとCònero D.O.C.G.で知る、マルケの赤 マルケ州のワインを学ぶとき、まず名前が挙がるのは白のVerdicchioです。 しかし、マルケを白ワインの州としてだけ見ると、この土地のもう一つの重要な側面を見落とします。 それが、Conero です。 Coneroは、アドリア海に面したアンコーナ周辺で造られる、Montepulciano主体の赤ワイン。 同じMontepulcianoでも、アブルッツォだけでなく、マルケにも重要な表現があります。 アドリア海を望む丘陵。 Monte Conero周辺の地形。 そして、赤ワインとしての熟成力。 ここでは、Montepulcianoの果実味に加え、厚み、スパイス感、タンニン、引き締まった余韻が重要になります。

梁 世柱
5月21日


SommeTimes’ Académie <140>(イタリア・マルケ州2: Verdicchio後編)
山に抱かれた小谷のVerdicchio 後編:Matelicaで知る、内陸の白ワインの緊張感 前編では、アドリア海側へ開いた丘陵地帯のVerdicchioとして、Verdicchio dei Castelli di Jesi D.O.C. と、その上位カテゴリーである Castelli di Jesi Verdicchio Riserva D.O.C.G. を見てきました。 Verdicchioは、柑橘、白い花、青リンゴ、ハーブ、アーモンドのようなほろ苦さを持つ白葡萄。 しかし、その味わいは産地によって変わります。 海側へ開いた丘陵では、果実味と親しみやすさが前に出やすく、内陸の谷では、酸、密度、余韻の緊張感が見えやすくなります。 後編では、その内陸側の表情を担う Verdicchio di Matelica を見ていきます。 Verdicchio di Matelica D.O.C. 内陸の谷が生む、引き締まったVerdicchio 葡萄品種:Verdicchio 85%以上 ワインタイプ:白、スプマンテ、Passito 地域:マルケ州マチ

梁 世柱
5月12日
bottom of page