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再会 <115> クラシック・オレンジ
La Castellada, Ribolla Gialla 2018 オレンジワインは、もう珍しい存在ではなくなった。 かつては一部の愛好家や、ナチュラルワインを専門とする店でしか出会えなかったものが、今では世界各地で造られ、白でも赤でもロゼでもない、独立したカテゴリーとして認識されるようになった。 ジョージア、イタリア、スロヴェニアを代表格とするオールドワールド各国。 そして、日本すらも含む、世界各地のニューワールドワイン産出国。 造り手とそれぞれの文化的背景が増えれば、当然ながら解釈も増える。 軽快でフルーティーなもの。 和紅茶のようなタンニンを持つもの。 濃密で、酸化的で、強烈な存在感を放つもの。 これほど表現の幅が広がったということは、カテゴリーとしての成熟も意味するのだから、大いに歓迎すべきだ。

梁 世柱
17 時間前


SommeTimes’ Académie <161>(イタリア・バジリカータ州1: Vulture)
今回から、南イタリア、バジリカータ州のワインについて学んでいきます。 カンパーニア、プーリア、カラブリアに囲まれたバジリカータは、山岳地帯が広がる、起伏の激しい州です。 この州のワインを代表するのが、北部のヴルトゥレ火山周辺で造られる、Aglianico del Vulture。 強い日差しを受けて成熟した黒い果実、豊かな凝縮感、屈強なタンニン。 そして、山岳地帯の寒暖差によって保たれる酸。 これらの要素が重なり、Aglianico del Vultureには、南イタリアの赤らしい力強さと、長期熟成に耐える構造が備わっています。

梁 世柱
6 日前


SommeTimes’ Académie <160>(イタリア・ウンブリア州4: Torgiano)
ウンブリア州編の最終回となる今回は、Torgianoについて学んでいきます。 第一回では、古典的な白のブレンドである Orvieto D.O.C.。 第二回では、品種の個性が前に出る Spoleto D.O.C.のTrebbiano Spoletino と Todi D.O.C.のGrechetto。 第三回では、ウンブリア赤の中心であるMontefalco Sagrantino D.O.C.G. と Montefalco Rosso D.O.C. について学びました。 前回学んだSagrantinoは、強いタンニンと深い果実味が、強烈な個性となる葡萄でした。 一方、今回のTorgianoでは、重心が少し変わります。 中心になるのは、Sangiovese。 Montefalco Sagrantinoのような圧倒的なタンニンではなく、赤い果実、酸、熟成による落ち着き、そして中部イタリアらしい古典性が重要になります。

梁 世柱
10月6日


SommeTimes’ Académie <159>(イタリア・ウンブリア州3: Sagrantino)
第一回では、古典的な白のブレンドである Orvieto D.O.C.。 第二回では、品種の個性が前に出る Spoleto D.O.C.のTrebbiano Spoletino と Todi D.O.C.のGrechetto。 ここまで、ウンブリアの白について学んできました。 今回からは、ウンブリアの赤がテーマとなります。 そして、その中心にあるのが、Sagrantinoです。 ウンブリアを代表する赤ワインとして、Montefalco Sagrantino D.O.C.G. は広く知られた存在です。今回は、Montefalco Sagrantino D.O.C.G. と、その周辺にある Montefalco Rosso D.O.C. を通して、ウンブリア赤の中心を学んでいきます。

梁 世柱
9月29日


SommeTimes’ Académie <158>(イタリア・ウンブリア州2: その他白)
前回は、ウンブリア州白の入口として、Trebbiano Toscano / ProcanicoとGrechettoを中心に構成される、古典的な白ワインであるOrvieto D.O.C. を学びました。 今回は、Orvieto以外に重要なウンブリアの白を取り上げます。 中心になるのは、Spoleto D.O.C.のTrebbiano Spoletino。 そして、Todi D.O.C.のGrechetto。 Trebbiano Spoletinoは、同じTrebbianoという名前を持ちながら、Trebbiano Toscano / Procanicoとは性格が異なります。 Grechettoも、Orvietoのブレンド要素としてだけでなく、Todiではより品種そのものの存在感を強く示します。

梁 世柱
9月22日


SommeTimes’ Académie <157>(イタリア・ウンブリア州1: Orvieto)
今回から、イタリア中部、ウンブリア州のワインについて学んでいきます。 ウンブリアは、トスカーナ、ラツィオ、マルケに囲まれた内陸の州です。 海に面していないため、テロワールを理解するうえでは、丘陵、谷、川、湖、そして内陸性の気候が大切になります。 ウンブリアを代表するワインというと、白のOrvieto、赤のSagrantino di Montefalcoの名が真っ先に挙がりますが、他にも地ワインらしい素朴さと個性を兼ね備えたワインが造られています。 第1回のテーマは、Orvieto D.O.C.。 Orvietoは、ウンブリアを代表する白ワインであり、イタリアの中でも最も名の通った白ワインの一つとしても知られています。

梁 世柱
9月15日


出会い <112> 信頼のマーク
Fioretti Brera, Arghilos 2022. ワインの世界には、大小様々な生産者団体がある。 その団体が何を志しているのか。 そして、その厳格さと覚悟がどこまで実体を伴っているのか。 そこによって、生産者団体が正直全く意味をなさないこともあれば、その逆もまたある。 例えば、私がイタリアワインにVignaioli Indipendentiのマークを見た時、それはかなり高い確率で後者として機能する。 つまり、信頼の入口になる。

梁 世柱
9月13日


SommeTimes’ Académie <156>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州4: 赤ワイン後編)
ヴァッレ・ダオスタ州編の最終回となる今回は、Petit Rouge以外の土着黒葡萄について学んでいきます。 Petit Rougeは、ヴァッレ・ダオスタの赤における大切な軸になりますが、この州には他にも魅力的な黒葡萄があります。 Fumin。 Cornalin。 Mayolet。 Prëmetta。 Vuillermin。 こうした聞き慣れない名の土着黒葡萄こそ、ヴァッレ・ダオスタという産地の特殊性をよく伝えています。 小さな谷間で細々と生き残ってきた品種が、ヴァッレ・ダオスタに奥行きのある表情をもたらしているのです。

梁 世柱
9月8日


SommeTimes’ Académie <155>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州3: 赤ワイン前編)
前回までは、ヴァッレ・ダオスタの白について学んできました。 第一回では、Blanc de Morgex et de La Salle。 モンブランの麓にある高標高の畑と、プリエ・ブランという土着白葡萄が、この州の山岳性を分かりやすく伝えていました。 第二回では、Petite Arvine、Nus Malvoisie、Chambave Moscato。ここではヴァッレ・ダオスタの白が、多様な個性を有していることを確認しました。 今回から、テーマは赤ワイン。 ヴァッレ・ダオスタの赤を理解するうえで、まず中心になるのが Petit Rouge (プティ・ルージュ)です。 また、この品種を軸にすると、Torrette、Enfer d’Arvier、Chambave、Nusといった小地区も整理しやすくなります。

梁 世柱
9月1日


SommeTimes’ Académie <154>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州2: 白ワイン後編)
前回は、イタリア北西部、フランスとスイスに接するアルプスの山岳地帯に位置する、ヴァッレ・ダオスタ州の入口として、Blanc de Morgex et de La Salleを学びました。 モンブランの麓にある高標高の畑。 プリエ・ブランという土着白葡萄。 Blanc de Morgex et de La Salleは、ヴァッレ・ダオスタという山岳州の特徴が、分かりやすく現れる白です。 今回は、ヴァッレ・ダオスタにおける、他の重要な白ワインに関して学んでいきます。 骨格となるのは、前回と同じくValle d’Aosta D.O.C.。 その中では地理的表示と、品種表示の両方が認められていますが、今回は1つの重要な品種表示と、2つの地理的表示について扱っていきます。

梁 世柱
8月25日


ジェノヴェーゼとのイタリアン縛りペアリング
夏になると、私はバジルが爽やかに香るペスト・ジェノヴェーゼを多用する。 この料理の故郷は、イタリア北西部のリグーリア州、ジェノヴァ周辺。 海と山が近く、平地の少ない土地で、オリーブオイル、香草、野菜、魚介を巧みに使う料理文化が育ってきた。 その象徴が、ペスト・ジェノヴェーゼだ。 本場の味を考えるなら、リグーリアで栽培されるBasilico Genovese DOPというバジルが最重要とされ、そこへ松の実、にんにく、パルミジャーノ・レッジャーノ、羊乳チーズのフィオーレ・サルド、粗塩、エクストラ・ヴァージン・オリーブオイルが加わる。 バジルの鮮烈な香りを中心に、にんにくは刺激を、松の実はやわらかな厚みを、チーズは塩気と旨味を、オリーブオイルは滑らかさを加える。 それぞれが存在感を保ちながら、最後にはちゃんとバジルのところへ戻ってくる。

梁 世柱
8月21日


SommeTimes’ Académie <153>(イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州1: 白ワイン前編)
今回から、イタリア北西部、フランスとスイスに接するアルプスの山岳地帯に位置する、ヴァッレ・ダオスタ州のワインについて学んでいきます。 イタリアの中でも非常に小さな州ですが、高標高、急斜面、冷涼な気候、フランス語圏文化、そして独自の土着品種が重なる、特殊なワイン産地です。 ヴァッレ・ダオスタのワインを理解するうえで、最初に押さえておきたいのは、D.O.C.の構造となります。 この州には、Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste D.O.C. (以降、Valle d’Aostaのみを表記)という大きなD.O.C.があります。 1985年に認定されたこのD.O.C.の中に、Blanc de Morgex et de La Salle、Enfer d’Arvier、Torrette、Nus、Chambave、Arnad-Montjovet、Donnasといった地理的表示、さらにPetite Arvine、Petit Rouge、Fumin、Cornalinなどの品種表示が収められています。

梁 世柱
8月18日


SommeTimes’ Académie <152>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州5: Trento)
トレンティーノ=アルト・アディジェ州編の最終回となる今回は、トレンティーノの中でも特別な存在感を放つ、Trento D.O.C.について学んでいきます。 Trento D.O.C.は、瓶内二次発酵によって造られる、スパークリングワインの原産地呼称です。 つまり、技術的な方向性としては、タンク方式が主流となるProseccoではなく、むしろChampagneやFranciacortaに近いワインとなります。 ただし、Trento D.O.C.をChampagneの代用品として理解する必要はありません。 Trento D.O.C.には、山岳地帯の瓶内二次発酵スパークリングという確かな個性が宿っているからです。

梁 世柱
8月11日


再会 <110> 褪せない輝き
Elio Altare, Langhe Arborina 2005. 10年以上の時を経て、久しぶりに再会したワインは、以前とは違う顔をしている。 いつまでも変わらない若々しさ、なんてものを求める方が、冷静に考えればどうかしている。 ワインはボトルの中で年を取る。 こちらも、その間に少々年を取る。 味覚は変わり、時に衰え、興味の居所が変わることもある。 かつて心を奪われた輝きが、再会の瞬間にそのまま残っているなんて期待は、やめておいた方がいい。 それでも、ときどき不思議なことが起きる。 少し峠を過ぎていてもなお、褪せない輝き。 そんな矛盾に、出会うことはある。

梁 世柱
8月8日


SommeTimes’ Académie <151>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州4: Trentino赤)
前回は、Alto Adigeの赤について学びました。 Alto Adigeの赤では、Schiavaの軽さ、Lagreinの濃さ、Pinot Noirの繊細さが、同じ山岳地帯の中で並んでいることに特徴がありました。 一方、Trentinoの赤に目を向けると、中心はもう少し絞られます。 まず重要になるのは、Trentinoを代表する地場黒葡萄、Teroldego。 次点で、香り高くやわらかな Marzeminoの名が挙がります。 さらに、Merlotを主体としたカジュアルな赤ワインとしての Casteller D.O.C. があります。

梁 世柱
8月4日


SommeTimes’ Académie <150>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州3: Alto Adige赤)
前回まで、トレンティーノ=アルト・アディジェ州編では、Alto AdigeとTrentinoの白について学んできました。 Alto Adigeの白では、標高差と谷の複雑さが、多品種の白ワインをパッチワークのように展開させていました。 一方、Trentinoの白では、Nosiolaを中心に、谷、湖、風、斜面などが具体的にまとまった地形が、品種ごとの個性を支えていました。 では、Alto Adigeの赤はどう理解すればよいのでしょうか。 ここで大切になるのは、「北イタリアの冷涼な赤」として一括りにしないことです。 Alto Adigeの赤には、軽やかで淡い Schiava があり、奥深く濃密なLagrein があります。 そして、冷涼な斜面で繊細さを得るPinot Noirがあります。 同じAlto Adigeの中に、軽さ、濃さ、繊細さが並んでいる。 この振れ幅こそが、Alto Adige赤の入口になります。

梁 世柱
7月28日


SommeTimes’ Académie <149>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州2: Trentino白)
前回は、Alto Adigeの白に関して学んでいきました。 Alto Adigeでは、標高差と谷の複雑さが、多品種の白ワインを多彩に展開させています。 Pinot Bianco、Gewürztraminer、Sauvignon Blanc、Kerner、Riesling。 品種ごとに居場所が与えられ、まるで山肌に細かな布を縫い合わせるように、白ワインの地図が作られていく産地がAlto Adigeです。 一方、南側のTrentinoに目を向けると、白ワインの見え方も少し変わってきます。 もちろん、ここにも多くの白品種がありますが、Trentinoの白を理解するうえで、特に重要になるのは、地場品種の Nosiolaです。 そして、山岳地帯の Müller-Thurgauや国際品種がその脇を固めています。 Alto Adigeが、多品種の精密なパッチワークだとすれば、Trentinoでは、谷、湖、風、斜面といった具体的な地形が、品種ごとの個性をもう少し大きなまとまりの中で支えていきます。

梁 世柱
7月21日


SommeTimes’ Académie <148>(イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州1: Alto Adige白)
イタリア北東部、オーストリアと国境を接する山岳地帯に、トレンティーノ=アルト・アディジェ州 があります。 この州のワインを理解するうえで、最初に大切なのは、州名を一つの塊として見すぎないことです。 行政上は一つの州ですが、ワインの流れは大きく二つに分けて考えると分かりやすくなります。 南側の Trentino。 そして北側の Alto Adige。ドイツ語圏の文脈では、Südtirol とも呼ばれる地域です。 Trentinoは、地場品種と山岳ワイン文化が色濃く残る地域。 一方のAlto Adige は、ドイツ語圏文化の影響を帯びながら、多品種の白と赤を細かく展開するアルプスの産地です。 この二重性を理解することこそが、トレンティーノ=アルト・アディジェを学ぶ最初の入口になります。 第一回では、Alto Adigeの白から学んでいきます。 Alto Adige / Südtirol D.O.C. 多品種で見る、アルプスの白 主な白品種:Pinot Bianco、Pinot Grigio、Chardonnay、Sauvignon...

梁 世柱
7月14日


SommeTimes’ Académie <147>(イタリア・アブルッツォ州5: Tullum)
アブルッツォ白の支流 Terre Tollesi / Tullum D.O.C.G.で知る、PecorinoとPasserina アブルッツォ州の白ワインを学ぶとき、まず押さえるべき呼称は Trebbiano d’Abruzzo D.O.C. です。 ただし、この州の白はTrebbianoだけではありません。 より小さな範囲の中で、PecorinoとPasserinaという別の白葡萄に光を当てるD.O.C.G.があります。 それが、Terre Tollesi / Tullum D.O.C.G. です。 Tullumは、キエーティ県Tolloに限られた小さなD.O.C.G.。 決して目立つ存在ではありませんが、アブルッツォの土着白品種を理解するうえでは、見落としたくない存在です。

梁 世柱
7月7日


出会い <107> 地場ワインの特設ステージ
Garofoli, Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore “Serra Fiorese” 2021 長い年月、食卓を共にしてきた、同郷のワインと食を組み合わせる。 クラシックペアリングの大原則がもつ魅力は、美食的完成度だけではない。 郷土ペアリングという強固な文脈は、時に、ややマイナーなワインにさえ、強い光を当てる。 何かのきっかけがなければ、強い興味も関心も持たなかったかも知れないようなワインが、当たり前のように目の前にある。 そういう状況を、簡単に生み出すことができてしまうのだ。

梁 世柱
7月5日
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