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Wine Memo <22>
安心院ワイン, 小公子 2021. ¥3,920 同じ言葉と文化を話す同朋として、もちろん日本ワインの発展を心から願っている。 しかし、その想いと、ワインに対する評価は明確に切り離すべきだと私は思う。 少なくとも、私のようなプロフェッショナル側の立場であれば。 私にとって日本は、世界に数多くあるワイン産地の一つであり、それ以上でも以下でもない。 日本ワイン愛好家には冷たいと思われるだろうし、実際に良くそう言われもするが、色眼鏡をかけまくって、自信満々で日本ワインを海外の専門家に紹介した結果、微妙な反応が返ってきた時なんかは、なんとも行き場のない気持ちになるものだ。 新興産地としてワイン産業が発展しつつある国のソムリエやジャーナリストと話をしても、明確な根拠なく自国のワインを褒め称えることは稀である。 彼らは皆、自国で形成されつつあるワイン文化が、すでに世界的な銘醸地として知られている伝統国と比べてどれほどのレベルに至っているかを、実に冷静に見極めているのだ。

梁 世柱
2024年4月4日


出会い <57> 衝撃のグリ系オレンジ
Ziereisen Jaspis, Roter Gutedel Unterirdisch 2020. ¥6,900 (500ml) あらゆるワインに対して公平に接する、というのが私の基本スタンスだが、どうにも好きになれない葡萄品種も実際にはある。 品質判断自体はちゃんとできるのだが、こればかりは好みの問題であったり、特殊な事情が あったりもするので、如何ともし難い部分がある。 そして、実はピノ・グリ(ピノ・グリージオ)は、私がなかなか好きになれなかった葡萄の一つだ。 過去形、なのは正しい。 考えを改めるきっかけがあったからだ。

梁 世柱
2024年3月31日


再会 <57> (私的)普遍のNo.1ボルドー
Chateau Lafleur 2013. ¥145,000 どの国のどの銘柄かは伏せるが、最近テイスティングする機会に恵まれた国内販売価格30万円超のワインが、どうにもこうにも響いてこなかった。 ワインファン垂涎の超有名ワインであり、当然私もそれなりの期待をもってテイスティングに臨んだが、期待外れも良いとこだった。 いや、実際には間違いなく高品質なワインではあったのだが、同程度の品質のワインは、1/30以下の価格でも、国や産地に拘らなければ簡単に見つけることができる。 「それだけの超高価格なのに、その程度の味わいなのか。」という落胆があまりにも大きく、すっかり気持ちが萎えてしまった。 ワインの価格とは、と考えさせられる機会に数えきれないほど触れてきた結果、私はいわゆる「ブランドもの」に対する興味を、ほとんど失ってしまっている。

梁 世柱
2024年3月24日


出会い <56> 新たなるHouillon
Corentin Houillon, Vieux Foug 2021. ワインの世界における「親族」というのは、実にややこしい話になりがちだ。 特にフランスの造り手にその傾向が強いと感じるが、親族のうちの誰かが突発的に素晴らしいワインを造り始めて名高い存在になった時、なぜか凡庸なままの他の親族のワインまで評価が上がる、という現象が度々起こる。 相続で「(有名な)誰々の畑を取得」といった類の話も同様だ。 この手の不可思議極まりない現象は、特に長年ブルゴーニュを追いかけていると、嫌というほど目にすることになるだろう。 ワイナリー一族に生まれれば、自動的に子供世代にも英才教育が施される。 親戚のおじさんが良いワイン造ってるから、甥っ子もその教えを存分に受けているに違いない。 前の所有者が素晴らしいワインを造っていた畑だから、所有者が変わっても素晴らしいに決まっている。 ちょっとでも冷静になれば、そんな状況に必ずなるとは全く限らないことなど、すぐに分かると思うのだが、なんだかんだ結局「ブランド名」に弱いのもまた、現代人のサガという

梁 世柱
2024年3月17日


Wine Memo <21>
Quinta do Noval, Branco Reserva 2022. ポートが売れない。というのは、何も日本でだけ起こっていることではない。 酒精強化酒を含むあらゆる甘口ワインの売り上げは、世界的にずっと右肩下がりの状況が続いている。 流石に消滅してしまうことはなかなか無いだろうが、造り手としても在庫を余らせておくよりかは、限られた葡萄畑を他のスタイルのワイン用に回してしまった方がスマートであることは間違いない。 フランス・ボルドー地方には、世界最高峰の貴腐ワインと名高いソーテルヌ(とバルサック)があるが、近年のトレンドはもっぱら辛口仕立てのワイン造り。 ドイツのリースリングや、ハンガリーのトカイ(フルミント)にも全く同じ状況が当てはまる。

梁 世柱
2024年3月16日


再会 <56> いちご味のイタリア地葡萄
Ferdinando Principiano, Langhe Freisa 2022. ¥3,500 イタリアのマイナーな地品種を学ぶのは、この上なく楽しい。 フランス系国際品種や、イタリアの中でもより王道と言えるネッビオーロ、サンジョヴェーゼ、アリアニコなどとは随分毛色の違う個性派集団。 どの品種をとっても「洗練」とは少々遠く、自己主張が激しめなのも良い。 まるで、予定調和的な美意識を嫌い、「絶対にアルマーニなど来てやるものか!」っと、こちらから聞いてもいないのに声高に叫んでいる、ちょっとうるさいイタリア人のようだ。 そして、イタリア各地のマイナー地品種それぞれに、豊かなストーリーがあるところも良い。

梁 世柱
2024年3月10日


出会い <55> 最高のメルロー
Chiacchiera, Piccola Viola 2021. Wine Memo <19>で述べたように、国際品種がブレンドされた一連のChiantiやVino Nobileに対して、私が異を唱え続けることは今後も変わらないだろう。 サンジョヴェーゼとその他の補助的地品種だけで構成されたワインの、調和に満ちた優美な味わいを思えば、国際品種による補強が「伝統の進化」とはどうにも思えない。 ワインにとって「美味しい」ことは正義だと思うが、それが伝統かと問われれば話が違うのだ。 一方で、国際品種のみで造られたワインに素晴らしい「品質」のものが数多くあるのもまた事実なので、その探究は私にとって隠れた趣味的なものとなっている。

梁 世柱
2024年3月3日


再会 <55> 微笑んでしまうワイン
A.A.Badenhorst, Kalmoesfontein White Blend 2021. ¥6,800 思い出が甦ってきてついつい笑ってしまう、そんなワインがある。 ワイン産地では、大なり小なり楽しい思い出はあるものだが、大抵の場合、適度に緩く、明るい国民性や地域性を通しての体験が、そうさせるものだ。 そしてなぜか、私にとって「笑ってしまうワイン」の多くが、南アフリカにある。 一年半前に初めて訪れた南アフリカでは、数多くの造り手たちと、談笑と爆笑のひと時を過ごした。かなり暗く辛い歴史がある国だが、少なくともワインに携わっている人々は、肌の色に関係なく、笑顔でいっぱいだった。 地域によっては、造り手たちも、試飲会の後半にでもなるとすっかり酔っ払っていて、ブースを飛び出してはしゃぎ回っている。 最初は驚いたが、すぐに慣れた。私自身は間違いなく「おとなしい」部類の人間だが、声を上げて歌い、踊っている彼らをみるのは、なんとも清々しいものだ。 異文化の中に身を置くことでしか体験できないグルーヴが、そこには確かにある。

梁 世柱
2024年2月26日


Wine Memo <20>
Cinciano, Bianco Preziano 2023. ブラン・ド・ノワールというのは、何もシャンパーニュの専売特許というわけではない。 他産地のスパークリングワインに、(シャンパーニュ方式であるかどうかに関わらず)ブラン・ド・ノワールが採用されることは昔から多々あるし、さらに近年では、もはやそもそもスパークリングですらないことも多いに増えてきた。 ブラン・ド・ノワールのスティルワインが増えた背景としては、ワインスタイルの多様化と自由化、そして地球温暖化が主な理由として考えられる。 私もそれなりの興味をもって、様々な国の様々な黒葡萄から造られたブラン・ド・ノワールを試してきたが、それらは「消極的」と「積極的」なブラン・ド・ノワールに大別することができる。 消極的、と書くと随分イメージが悪くなるかも知れないが、このタイプは基本的にシャンパーニュ方式の流れを組んでいるものとなる。

梁 世柱
2024年2月21日


出会い <54> 最強のブルゴーニュ・キラー
Jürg, Spätburgunder G.G. “Sonnenberg KT” 2019. ¥7,800 2024年に入ってから、ブルゴーニュ関連のマスタークラスを立て続けに開講していることもあり、例年以上に深く彼の地と向き合う日々が続いている。 ソムリエ駆け出し時代から、マット・クレイマー著の「ブルゴーニュが分かる」や、クライヴ・コーツMW著の「The Wines of Burgundy」といったブルゴーニュ関連の名著は、擦り切れるほど読み込んだし、ブルゴーニュが飲める試飲会には積極的に足を運び、プライヴェートでもヘソクリを絞り出して、グランクリュに手を伸ばしてきた。 私の頭の中には、自分でも不思議に思うほど膨大なクリマ名や、そのワインの特徴に関するメモリーがアーカイヴされている。 私はそもそも、物忘れが極端に激しく、カレンダーに詳細に書き込んだスケジュールやSNSでの「名前と顔の照合」を頼りに、日々をなんとか重大なトラブルなく生きているようなタイプの人間なのだが、きっとそうなってしまったのは、限られたメモリー容量を、ワイン関

梁 世柱
2024年2月18日


Wine Memo <19>
Ca di Pesa, Serafino 2021. 今年もまた2月のトスカーナにやってきた。 ニューリリースを祝うアンテプリマ展示会だ。 6日間ほど、ひたすらサンジョヴェーゼの海を泳ぎ続ける日々は実に楽しいが、なかなか辛くもある。 若いサンジョヴェーゼをテイスティングし続けるのは、実際にかなり骨が折れる。 数時間テイスティングすればもう、強い色素で完全にお歯黒状態となり、強烈な酸の刺激で舌が痺れ、分厚いタンニンが歯茎にびっしりとへばりつく。 初日の緩いレセプションを終え、今年のアンテプリマはキアンティ・クラシコからスタートした。 私はキアンティ・クラシコが大好きなのだが、少々偏った「好み」がある。 そう、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどがブレンドされたクラシコが、とにかく好きでは無いのだ。(このタイプのクラシコは、明らかに減少傾向にある。)

梁 世柱
2024年2月16日


再会 <54> 熟成ナチュラルVinho Verde
Aphros, Ten 2012. Vinho Verdeは高い長期熟成能力を有する。 その事実は、先日レポートしたSoalheiroにおける大垂直テイスティングでも、Vinho Verde特集記事後編で紹介した、Sem Igualにおける垂直テイスティングでも確認することができたが、果たしてナチュラル志向なワインの場合はどうだろうか? ナチュラルワインの長期熟成能力は、適切な(時に過剰な)亜硫酸添加によって守られたクラシックなワインよりも、ランダム性が強いことは間違いない。 低アルコール濃度で、高酸度のワインを造ることを目的とした不用意な早摘み、発酵・熟成時の不適切な管理、自然の力に対する精緻な観測を無視し、盲目的に信じ込んでいるかのような亜硫酸無添加など、「そもそも長期熟成に向いたテロワールと葡萄品種の組み合わせではない」こと以外にも、ナチュラルワインが長期熟成能力を著しく失する要素はある。 一方で、完全な調和に至ったナチュラル・ワインは、一般的なクラシック・ワインを遥かに凌駕する、圧巻の超長期熟成能力を得るのもまた事実だ

梁 世柱
2024年2月11日


出会い <53> ブルゴーニュ生まれのナチュラル「テロワール」ワイン
Domaine Dandelion, Pet’ Nat 2022. ¥5,000 今回はあえて、この言葉を極端な意味合いで使うが、私はかねてから歴史的大銘醸地における「ナチュラルワイン」に、少々懐疑的な立場をとってきた。 理由は二つ。 まず、ナチュラルワインの中でも欠陥的特徴の現出を厭わない「ワイルドナチュラル」が、葡萄畑と葡萄のもつ個性をありのままに表現したいという造り手の想いとは反し、(往々にして稚拙で極端な)醸造工程によって発生した欠陥的特徴そのものが、テロワールと呼ぶべきものを相当程度覆い隠してしまう危険性を秘めているからだ。 もちろん、テロワールの精緻な表現よりも、最終的な味わいを自身が「美味しい」と感じることを最優先とするのであれば、問題とはならない。つまり、そこに個人的な「良し悪し」という二元論を他者に押し付けること自体が、「余計なお世話」ということだ。 よって、(クラシックワインと呼ばれるものの相当数も、過度な調整と矯正によって結果的にテロワールを失していることも踏まえ)本稿の内容はあくまでも私見であり、他者の

梁 世柱
2024年2月4日


再会 <53> 聖地をも超える特異
Sadie Family Wines, Mev. Kirsten 2021. ¥22,000 大航海時代以降、ヨーロッパワインの歴史を彩ってきたヴィティス・ヴィニフェラ種は、世界各地へと旅立っていった。 16世紀半ばに、アメリカ大陸へとリスタン・プリエト(ミッション、パイス、クリオージャなど、国によって呼び名が異なる。)が渡って以降、最初期は新大陸を目指す長い航海の最終経由点であった、イベリア半島やカナリア諸島の葡萄が持ち出されていったが、やがて西ヨーロッパ諸国の広範囲から、様々な葡萄が選ばれるようになった。 特にボルドー品種、ブルゴーニュ品種、ローヌ品種、そしてアルザス品種(リースリングとミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランを意味するが、共に原産地はアルザスではない)などのフランス系及び準フランス系品種はニューワールド各国で勢力を増し、やがて国際品種として確固たる地位を築いた。 各地のテロワールに即した栽培、醸造技術も飛躍的に進歩し、中にはそれぞれの品種のオリジンたる「聖地」をも、(視点次第では)凌駕したとすら言えるような、極上

梁 世柱
2024年1月28日


出会い <52> 地品種+国際品種
Quinta do Mouro,Tinto 2018. 現地価格39€ 世界には膨大な種類のワインがある。 間違いなく、一生かけても全てをテイスティングするのは不可能だ。 だからこそ、私はワイン探求において、超広範囲をカヴァーしつつも、相当程度「取捨選択」をしながらテイスティングを重ねている。 どうせ「全てを知ることはできない」のであれば、闇雲に節操なくテイスティングし続けるよりも、テーマをもって集中的にやった方が遥かに身になることは、経験上断言できるのだが、当然ながら、私のレーダーに引っかからないタイプのワインは無数にある。 特にヨーロッパ産のワインであれば、私は優先的に「国際品種系」のワインをテイスティング対象から外す。 地品種から造られたワインにこそ、その地の歴史、伝統、文化が真に宿り、完全にユニークな表現を見出すことができる。 その主張を崩すつもりは毛頭無いし、地品種の魅力は、他に変え難いものがある。 しかし、だからと言って私が国際品種系のワインを低評価しているということでは決してない。

梁 世柱
2024年1月21日


Wine Memo <18>
Bodegas Fulcro, Albariño “A Cesteira” 2021. 昨年12月のVinho Verdeツアーには、日本から2名、イギリスから2名、そしてカナダから8名が招待されていた。 主にソムリエを中心に集められたメンバーだったため、いつもの海外訪問よりは年齢層が低い(海外でも、若いジャーナリストはユニコーンだ。)とは予想してはいたが、カナダから来ていた一人の若者には大いに驚かされた。 職業はモデル、と言われても全く疑わない程の美貌に恵まれた彼女は、なんと21歳。 ソムリエとしても現場に立っているそうだが、彼女はInstagramでフォロワー約29万人を抱える、いわゆる「インフルエンサー」という仕事もしている。 彼女のことを良く知る前は、「なんだ、そういう枠か」と思った(個人的に、ブロガーや自称インフルエンサーなる人々とは、あまり良い思い出がない。)ことを正直に告白するが、ツアーの最中、誰よりも熱心に質問(しかも非常に鋭い!)を繰り返し、テイスティングの際は高い集中力で真剣にワインと向き合い、その知識量は

梁 世柱
2024年1月18日


再会 <52> ブラインドでこそ見える真実
Dom. Vincent Dauvissat, Chablis 1er Cru La Forest 2018. 各種コンクールの盛り上がりもあり、すっかり競技化した側面も強いブラインド・テイスティング。 恐ろしく膨大な選択肢の中から、完全にノーヒントで品種、産地、ヴィンテージ、或いは生産者やキュヴェまで看破して見せるのは、砂漠の中からダイアモンドを探り当てるような作業に等しく、まさしく神業とすら言えるだろう。 「ディテールまで当てる」という意味では、その領域に到達できるのは、凄まじい修練を重ねた上で、超スピードの取捨選択を脳内で繰り返すことができる、極々限られたトップ・アスリートのみだ。 例え一割の成功率でも、そのような神業を繰り出せる人を、私は心から尊敬しているが、私自身がブラインド・テイスティングを行うときの最大の楽しみは、「当てること」ではなく「真実を暴くこと」にある。

梁 世柱
2024年1月13日


SommeTimes 2023年 ベスト・パフォーマンス賞
2022年末に、「権威の礼賛」からの解放、を2023年のテーマとして掲げた。 今年の現地訪問は、イタリア・トスカーナ州とカンパーニャ州、ポルトガルのダオン、バイラーダ、ヴィーニョ・ヴェルデ、ドウロの合計6産地。(ワインとは関係ないが、台湾の茶産地を含めると9産地。)...

梁 世柱
2023年12月24日


出会い <51> リスボンの熱狂
Marinho Vinhos, Tube Tinto 2020. もちろん例外は多々あるが、全体論で言うと、田舎よりも都会の方が、オーガニックやサスティナビリティに対する意識が高い人たちは多い。 田舎の人たちに言わせて見れば、都会人は自分で農業をやっていないから、オーガニック化する大変さを知らない(まさに私自身がそうだ)とか、経済的に余裕があるから多少物価が上がっても問題ないとか、色々と意見が出そうなものだが、都会の人は外側から好き放題言うものだし、購買力も高いので、結局田舎の人たちは都会の意見を無視しきれなくなる。 あまり健全とは言い切れないこのあたりの関係性には、私もアカデミックな意味で強い興味をもっているが、都会の近くにあるワイン産地が、都会人のサスティナブル思考に強い影響を受け、急速にその姿を変化させていくことは、少なからず世界各地で起こっている。 古い例だと、サン・フランシスコに近いナパ・ヴァレーが該当するし、比較的新しい例だとバルセロナに近いペネデスや、メルボルンに近いアデレード・ヒルズなどが該当する。 ...

梁 世柱
2023年12月17日


再会 <51> 二次市場の功罪
Dom. Armand Rousseau, Grand Cru Clos de la Roche 2014. 転売ヤーなる言葉が一般化した現代だが、ワインにおける転売(もしくは熟成後に高値で販売)、そしてその主戦場となる二次市場の歴史は古い。 ボルドーのネゴシアンは、まさにその古典的な例。 大雑把に説明すると、ボルドーのネゴシアンとは、プリムール価格で大量に購入したワインを自社倉庫で熟成させ、適切なタイミングを見計らって、時価でリリースする、という組織だ。 マーラー・ベッセ社など、その熟成コンディションに定評のあるネゴシアンなら、ある程度のプレミア価格も、自身で熟成管理する手間やコストを考えれば、十分に納得いくものであることは多い。 特に、店舗外に倉庫を構えることができない小規模店舗にとって、名門ネゴシアンは、ありがたい存在であり続けてきた。 このような仕組みが昔からあったワイン市場だが、ロバート・パーカーJrによる100点法で、二次市場が劇的に活発化して以降、その混迷は深まるばかりである。

梁 世柱
2023年12月10日
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