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再会 <39> ドイツで芽吹く、圧倒的な才能

Moritz Kissinger, Null Ohm Weiss 2021. ¥3900

オーストリア・ウィーン出身の映画俳優で、近年では007シリーズの犯罪組織「スペクター」の首領、フランツ・オーベルハウザー役の怪演でも知られるクリストフ・ヴァルツは、ドイツとオーストリアの違いを、「戦艦とワルツ」と表現した。


もちろん、戦艦はドイツの事を意味し、オーストリアがワルツだ。


確かに、保守的なだけでなく、腰深く構えてゆっくりと着実に直進していく「ドイツらしさ」を戦艦に喩えるのは、(オーストリア人らしいウィットに富んだ表現も含めて)何とも言い得て妙だ。


私自身は、そんなドイツの直進性と保守性が好きなのだが、分かりやすい変化や改革を望む声があるのも重々理解している。


オーストリアは、持ち前のアーティスティックな性質でもって、随分と前から南シュタイヤーマルクとノイジードラーセを中心に新たなスタイルを生み出してきたが、ドイツはどうなのだろうか。


どうか、ご安心いただきたい。


近年、Baden、Pfalz、Rheinhessenを結ぶトライアングルは、世界各国の最先端マーケットが熱烈な注目を寄せる、ニュースタイルの「ホットゾーン」となっているのだ。

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