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Advanced Académie <45> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Marsannay
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第17回はMarsannayをテーマと致します。 Marsannayは、近年のブルゴーニュ高騰トレンドの中では、比較的

梁 世柱
2024年10月22日


出会い <70> ノーマークだった、極上シャルドネ
Markus Altenburger, Ried Jungenberg Chardonnay 2022. 完全にノーマークだった産地と葡萄品種の組み合わせに、心底驚かされることが時々ある。 そのような発見は、ワインを広く深く探究していくことの、最大の醍醐味の一つだ。 今回の「出会い」ワインは、オーストリア・ブルゲンラント州で、ブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトを集中的にテイスティングする最中で出会った、驚異的なシャルドネ。 このシャルドネが育まれたのは、Leithaberg DAC内の小地区であるJois(ヨイス)。ノイジードル湖の北端から北、ライタ山脈の麓に広がる、Leithaberg最東端のエリアだ。

梁 世柱
2024年10月20日


黒の楽園 <オーストリア・ブルゲンラント特集:前編>
ワイン産出国としてのオーストリアを象徴しているのは、グリューナー=ヴェルトリーナーとリースリングをダブル主役とする、圧倒的な品質領域にある白ワインの数々。 そこに異論があるわけではないが、相対的に赤ワインが過小評価されている点に関しては、納得がいかない。 ブラウフレンキッシュ、サンクト・ラウレント、そしてツヴァイゲルト。 オーストリア三大黒葡萄の全て、とまでは言わないが、少なくとも最上の例に関しては、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどの象徴的な黒葡萄と比べても、遜色する点など全く見当たらないからだ。 つまり、それらの主産地であるブルゲンラント州は、ボルドー、ブルゴーニュ、ローヌ、ピエモンテ、トスカーナ、リオハ、リベラ・デル・デュエロ、ドウロなどと、本来なら並び称されるべき産地であると、私個人の意見をここに強く記しておこう。 私自身、ブルゲンラント州の赤ワインとは、随分と長い間向き合ってきた。 調和に満ちたブラウフレンキッシュ、エネルギッシュなサンクト・ラウレント、変幻自在なツヴァイゲルト。 魅力の在りどころは異なっていても、どれも品質と

梁 世柱
2024年10月17日


再会 <70> ポルトガルの至宝
Casa Ferreirinha, Douro Reserva Especial 2014. 現地価格約€280 日本は世界で最も成熟したワイン市場の一つだが、「なんでもある」というわけでもない。 低価格〜ある程度の高価格帯までであれば、十分過ぎるほどのバリエーションで世界各地から集められているが、実は、意外なほどに最高級クラスには穴がある。 その「穴」の代表的なものの一つが、ポルトガル最高峰の赤ワインとして、あの分厚い教本にもその名が載っている、Casa FerreirinhaのBarca Velhaだ。 1952年に誕生したBarca Velhaは、現在に至るまで、僅か21ヴィンテージしかリリースされていない。 最新ヴィンテージは2024年の7月にリリースされたばかりの2015年で、その前は2011年、そのさらに一つ前は2008年ヴィンテージだった。 非常に興味深いことに、Barca Velhaは単一畑ワインではない。 標高120~280mにあるQuinta de Ledaの畑からのセレクションと、標高650mを超えるDouro...

梁 世柱
2024年10月13日


欠陥的特徴の経過観察 <4>
期間限定の新シリーズとなる「欠陥的特徴の経過観察」では、とあるナチュラルワインに生じた問題が、どれくらいの時間で「沈静化」(経験上、完全消失する可能性は低い)、もしくは変化するのかを、約2ヶ月おきに検証していく企画としてスタートしたが、前回の第四回検証時(2024年8月26日)に、ネズミ臭の発現が大きく抑えられていることを確認できたため、今回は約1ヶ月後の9月21日に再度検証を行った。 本企画の検証対象となるスパークリングワインは、同ケースのロットで11本入手したため、本来ならば瓶差という可能性は極限まで排除できていると考えて良いが、それでも瓶差というものは生じる。 十分な亜硫酸添加によって、菌類、微生物類の活動を最小限まで低減、かつ平均化させたワインであれば、輸送及び保管環境以外要因で、明確に観測できる瓶差が生じる可能性は非常に低いが、ナチュラルな造りのワインの場合は、そうもいかない。 我々人類とは生物としての在り方が大きく異なるためイメージはしにくいが、菌や微生物の間でも、強弱や個体差があるため、それぞれのボトルに閉じ込められたものたちの総体

梁 世柱
2024年10月12日


ガストロノミック・ペアリング <5> 日本料理・ペアリングコース構築 Part.2
ガストロノミック・ペアリングでは、中級者以上を対象に、より高度かつ複雑な技法を駆使した、美食的完成度の高いペアリングを紹介、検証していく。 第四回より全7回にわたって、日本料理(コース)の流れに沿ったペアリングの構築をテーマとしていく。 第四回で学んだペアリングの緩急に、今回は「アロマ」という要素を加えて検証していく。 我々が日常的にテイスティングノートに書き溜めているアロマは、ペアリングでこそ最大限の意味を発揮することができる。 そして、アロマで着目すべきは、「違和感」である。 例えば、牛肉という食材とイチゴのアロマの組み合わせには違和感が無いが、牛肉とバナナのアロマの組み合わせには違和感が生じる。 ある程度は個人差も鑑みるべき点ではあるが、より多くの人にとって違和感を無くしていくための微調整は、特にペアリングの提供側であれば、しっかりと考えていきたいところ。

梁 世柱
2024年10月11日


Advanced Académie <44> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Nuits-Saint-Georges
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第16回はNuits-Saint-Georgesをテーマと致します。 特級畑が無いため、Côte de...

梁 世柱
2024年10月8日


出会い <69> サントリーニ島の赤ワインとは
Gavalas, Mavrotragano 2020. ¥9,800 マイナー品種特有のクセの強さは、一度その世界に魅了されてしまうとなかなか抜け出せないほど楽しさに満ち溢れたものだが、特に絶滅危惧種ともなると、興味は尽きないものだ。 かつてはヨーロッパ大陸のあらゆる場所に、個性豊かな地品種が数えきれないほど多く根付いていたが、その多くはすでに絶滅、または絶滅に瀕している。 直接的とも言える原因は、ワインを真剣に学んだことがある人なら、一度はその名を耳にしたことがあるであろう、史上最悪の害虫フィロキセラだ。 フィロキセラ(和名:ブドウネアブラムシ)は、葡萄樹の根や葉に毒を注入してコブのようなものを生成することによって、葡萄樹の生育を著しく阻害し、最終的には枯死にいたらせてしまう昆虫の一種。 1845~1858年の間、当時は未知の病害であった「うどんこ病」への対応に追われ、すっかり疲弊していたヨーロッパのワイン産業を、フィロキセラが襲い始めたのは、1863年のこと。

梁 世柱
2024年10月6日


問われる真価 <オーストリア・カンプタール特集>
オーストリアを象徴する葡萄品種といえば、グリューナー=ヴェルトリーナーとリースリング。 ブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトなど、同国には偉大な黒葡萄も存在しているが、一般的なレベルでのオーストリアワインへの理解という意味においては、間違いなく白葡萄の両巨頭に軍牌が上がる。 そして、その白葡萄を象徴する産地は、Wachauである。 むしろ、Wachau一択、としても過言では無いほど、彼の地の総合力は他を圧倒してきたと考えられている。 だが果たして、本当にそうなのだろうか。 本当に、Wachauが唯一無二の絶対王者なのだろうか。 それを確かめるには、もう一つの産地を深く理解する必要がある。 Wachau最大のライバル候補、Kamptalだ。 Kamptal Wachauの東端からKremstalを挟んで、ランゲンロイスの街を中心に、ドナウ川に合流する直前のカンプ川流域に広がっているのがKamptal。 葡萄畑はカンプ川北部(左岸)の南向き急斜面(一部はテラス状)と、川により近いなだらかな平地エリアに集中している。また、Wachauと同様に、東側のパ

梁 世柱
2024年10月4日


再会 <69> マイクロ・グローワー・シャンパーニュの世界
Domaine de Bichery, Champagne “la source” NV (2020). ¥10,000 シャンパーニュの在り方、というのは随分と変化してきた。 かつては、大手メゾンが文字通り「全て」と言いたくなるほど牛耳っていた時代もあったり、ジャック・セロス、エグリ・ウーリエなどの人気に引っ張られたレコルタン・マニピュランのトレンドがあったり、サロンやジャクソンなど、超大手とレコルタンの中間的規模のシャンパーニュが注目を集めたり。 なかなか目まぐるしい変化だが、ただ一つ変わらないのは、どのようなトレンドが押し寄せても、シャンパーニュが偉大な飲み物である、ということだ。 そして、過去10年間のトレンドとなっているのは、従来の一般的なレコルタンよりも更に小規模な、マイクロ・レコルタン、もしくはマイクロ・グローワーとも呼ばれる、超小規模生産者たち。 もちろん、その生産量の少なさもあって、セールス面では大手メゾンに遥か遠く及ばないが、マイクロ・グローワーが激増したこともあって、「集の力」が働き始めているのだ。 さらに、マイクロ・グ

梁 世柱
2024年9月29日


「Hot&Cool」なカリフォルニアのニューウェーヴ <San Luis Obispo>
San Luis Obispoと聞いて、すぐにアメリカ・カリフォルニア州のワイン産地が思い浮かぶ人は、よほど深く彼の地のワインに触れてきた人だろう。 そもそも、カリフォルニア州は日本が丸々収まってしまうほど広大な州であり、AVAの数も現時点で152。 追いきれないのも無理はない。 日本市場においては、Napa County、Sonoma Countyを筆頭に、近年ではMendocino County、Lodi(San Joaquin County)、Santa Cruz Mountains(Santa Cruz County)、そしてSanta Barbara Countyあたりが比較的良く知られているが、San Luis Obispoが話題に上がることは、ほとんど無いのではと思う。 Napa、Sonoma、Mendocino、Lodi、Santa Cruz Mountainsはサン・フランシスコにほど近く、Santa BarbaraはLAに近いが、San Luis Obispoは両都市のほぼ中間地点に位置している。 一応、郡庁所在地としてSan

梁 世柱
2024年9月28日


ガストロノミック・ペアリング <4> 日本料理・ペアリングコース構築 Part.1
ガストロノミック・ペアリングでは、中級者以上を対象に、より高度かつ複雑な技法を駆使した、美食的完成度の高いペアリングを紹介、検証していく。 第四回となる本稿より7回にわたって、日本料理(コース)の流れに沿ったペアリングの構築をテーマとしていく。 西洋料理とのペアリングとは違い、日本料理とワインの間には、クラシックという最適解がそもそも存在していない。 それは「自由」であると同時に、高度なペアリングを実現するためには、練り上げられた構成が必要となることも意味している。 さらに、コース料理ともなると、料理単位に対するアプローチと並行して、全体の流れも強く意識する必要がある。 つまり、料理に対してそのワインを合わせることで「何をしたいのか」という意図(アプローチ)を定めることと並行して、全体の流れにしっかりと「緩急」が生じるように、アプローチを柔軟に変化させつつ、ペアリングの「強度」を調整する、というかなり難しい作業となるのだ。

梁 世柱
2024年9月26日


Advanced Académie <43> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Morey-Saint-Denis
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第15回はMorey-Saint-Denisをテーマと致します。 5つの特級畑(Bonne Maresは実質的にCha

梁 世柱
2024年9月24日


その畑には、奇跡が宿る <オーストリア・ヴァッハウ特集後編>
格付けは、旧時代の遺物なのかも知れない。 多様性の尊重が声高に叫ばれるようになってから、その思いが私の脳裏から離れなくなった。 確かに、時代は順位を、優劣を、忌避している。 他者よりも優れていることが絶対的な価値では無い。 ありのままの個性を磨けば良い。 そもそも、その順位や優劣は、誰がどの価値観に基づいて決めたのか。 まるで呪いのように繰り返されるそれらの言葉に抗うのは、実に骨が折れることだ。 実際、テロワールが導き出す優劣は、この上なく残酷なものである。 複雑性と調和が格を決める。そこに個性が認められる余地はあったとしても、最終的な価値判断は、厳格なリアルとして佇む。 生産者の常軌を逸した努力によって、ワンランク上のテロワールへと到達できることは稀にあったとしても、最低ランクの葡萄畑が、特級畑クラスへと昇華するような奇跡は起こらない。 やはり、前時代的ではあるのだろう。 だが、私は頑固者だ。 勝ち負けの無くなったスポーツになど、全く興味はない。 美味い料理は美味いし、そうではない料理の中には、不味いものもある。 全てを個性と多様性の名の元に許

梁 世柱
2024年9月20日


再会 <68> 大人のナチュール
L’Anglore, Tavel 2022. ¥8,500 造り手の変化は、「進化」として常に好意的に受けとめられるわけではない。 より良いワイン造りと誰よりも真摯に向き合っているのは、造り手自身に他ならないのだから、彼らの情熱が、時に理不尽な理由で拒絶される時、どうにも居た堪れない想いが込み上げてくる一方で、私自身にも確かに「覚え」がある。 私がこのテーマに関して考えるとき、二者の造り手が真っ先に頭に浮かぶ。 一つはシャンパーニュ地方のジャック・セロス。 かつては私も、必死になって探し求めていたシャンパーニュだったが、リューディ・シリーズをリリースし始めた頃から始まった、極端とも言えるような酸化的な味わいに、理解が全く追いつかなかくなった。

梁 世柱
2024年9月15日


ペアリングのタイミング<口内調味 or 余韻合わせ>
料理とワインでペアリングを行う際、口内調味を基本とするか、余韻で合わせるのが正解か、という質問を非常に良く受ける。 まず結論から言うと、「どちらでも良い」が答えとなる。 ペアリングは非常に主観性と嗜好性が高いものであるため、「完璧な正解」が存在し得ないのだ。 ただし、ペアリング基礎理論を活用して組み合わせとアプローチを考えていく際には、口内調味と余韻合わせでは、効果が及ぶ範囲が大きく異なる点には留意しておきたいところ。 端的にまとめると、口内調味ではより複雑に、余韻合わせではよりシンプルなアプローチのペアリングとなる。

梁 世柱
2024年9月14日


Advanced Académie <42> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Chambolle-Musigny
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第14回はChambolle-Musignyをテーマと致します。 Vosne-Romanée、Gevrey-Chamb

梁 世柱
2024年9月10日


Wine Memo <28>
金井醸造場, Vino da Manriki+Tenjin 朝焼2020. 今から約12年前、私がまだNYにいた頃の話だが、当時は現在でいう「オレンジワイン」の解釈がまだまだ固まっていなかった。 オレンジワインという言葉自体は徐々に浸透してきていたものの、その時代においては、ジョージアとゴリツィア周辺(イタリアとスロヴェニアの国境地帯)のワインのみがオレンジワイン(もしくはアンバーワイン)とみなされていたし、醸し発酵白ワイン(skin fermented white wine)という通称も現役だった。 さらにややこしかったのは、グリ葡萄を使用したオレンジワイン。 フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の銘醸、La CastelladaがリリースしたPinot Grigio(グリ系葡萄であるピノ・グリージオに、長期のマセレーションを施したワイン)は、NYのマーケットでも大きな衝撃と共に、流行に敏感なソムリエたちの話題を独占していたが、あくまでも同州の伝統的なワインであるRamato(偶発的にマセレーションが長期化したことによって誕生した、非常に淡い

梁 世柱
2024年9月6日


欠陥的特徴の経過観察 <3>
ネズミ臭というのは、実に厄介なものだ。 その発生には、法則性があるように見えて、実際には不規則極まりないのだ。 オーストリア・シュタイヤーマルク州特集記事でも触れたとおり、ワインに何かしらの「感情」が宿っている(正確には、ワインの中で生き続ける微生物たちの、集合本能的な「感情」)のでは、とすら思えるような出来事に、私は何度も遭遇している。 ネズミ臭が非常に強く顕現していたボトルが、場所や環境を変えればすっかりとおとなしくなったり、熟成させた後に沈静化したかと思えば、その真逆の現象も起きる。 その揺れ動きの理由を解明することに、私は強い探究心をもって検証を繰り返しているが、果たして答えはいつか出るのだろうか。 期間限定の新シリーズとなる「欠陥的特徴の経過観察」では、とあるナチュラルワインに生じた問題が、どれくらいの時間で「沈静化」(経験上、完全消失する可能性は低い)、もしくは変化するのかを、約2ヶ月おきに検証していく企画としてスタートしたが、前回の第二回検証時(2024年5月3日)に、初回との大きな差が見受けられなかったため、今回は約4ヶ月弱後(2

梁 世柱
2024年9月2日


再会 <67> マニア向けの極上バローロ
Pio Cesare, Barolo “Mosconi” 2018. ¥23,000 ワインの探究と固有名詞の数々は、切っても切り離せない関係にある。 ワインでしか用いられない特殊な専門用語も多々ある上に、それらを理解していないとアドヴァンスな話には全くついていけなくなったりもする。 その最たる例と言えるのは、葡萄畑名だろうか。 世界中に無数に存在する葡萄畑名は、それ単体では、基本的に「識別記号」として機能している。 このことは、人の名前に当てはめてみるとわかりやすいかも知れない。

梁 世柱
2024年9月1日
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