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再会 <91> 最強シャンパーニュの大当たりボトル
Alain Robert, Le Mesnil Réserve 1988. (Magnum) 私はシャンパーニュが大好きだ。シャンパーニュの無い人生など、もはや考えられない程に。 確かに、世界的な気候変動や技術向上によって、一般的なレベルのシャンパーニュと比べた場合、遜色ないと言える品質のスパークリングワインは、世界各地で劇的に増えた。 しかし、頂点と呼べる品質領域においては、 シャンパーニュが王者のまま 、というのが私の見解である。 今回は、そんな頂点シャンパーニュの中でも、特に私が執着しているワインとの再会。 アラン・ロベール 。

梁 世柱
9月30日


再会 <90> 頂点であるということ
Domaine de la Romanée-Conti, Grands Échézeaux 2015. ワインには、 ヒエラルキー というものが存在する。 嗜好品だから個人の好みなのに、飲んだら消えてしまうようなものなのに。 色々と言いたいことが出てくる気持ちは分かるが、こればかりはどうしようもない。 音楽で例えてみよう。 中学生の素人が宅録した音源には、そこにしか無い素朴で原始的な魅力が確かにあると思うが、一流のプロが経験と技術とお金を注ぎこんで作り上げた音楽との「品質」的差異は、否定のしようがない。

梁 世柱
9月17日


再会 <88> 伝説と継承
Emmanuel Rouget, Vosne-Romanée 1er Cru Cros Parantoux 2013. レストランという現場で働いていると、(特に高級店の場合)店舗で販売したものと、持ち込みワインを合わせれば、かなり頻繁に高級ワインを味わうことができる。 飲食店の現場は体力的にも精神的にもかなり過酷ではあるが、それでも「役得」というものはあるのだ。 しかし、不思議なことに、頻繁にそのようなクラスのワインに触れていると、段々と 感覚が麻痺 してきてしまう。 「普通」の高級ワインでは、もはや心が激しく揺さぶられなくなってしまうのだ。

梁 世柱
8月19日


再会 <87> ブルゴーニュ・ループ
Pierre-Yves Colin-Morey, Meursault 1er Cru Charmes 2018. 世代交代 という側面から、フランスの ボルドー と ブルゴーニュ を比べると、非常に興味深い違いが浮かび上がってくる。 ボルドーでは、高名かつ歴史ある格付けシャトーなどが、そのまま次世代へと継承されていく(もしくは、丸ごと買収される)のがスタンダードであるため、もちろん世代交代はあるものの、劇的なというよりは 緩やかな変化 となることが圧倒的に多い。 一方のブルゴーニュでは、世代交代で葡萄畑が親族へと継承されたり、婚姻によって異なる一族の葡萄畑が部分的に夫婦の共有資産になったりなど、とにかく 葡萄畑の所有権が頻繁に移り変わる 上に、マイクロネゴシアン(買い葡萄から比較的小規模ながら優れた品質のワインを生産する造り手)の台頭なども併せて、とにかく 新たなネームが次々と誕生する 。

梁 世柱
7月30日


Wine Memo <34>
Ch. Rieussec, R de Rieussec 2016. ¥6,000程度 装飾品がどれだけ豪華に見えても、中身は随分と「普通」なことは、ワインの世界では往々にしてある。 マーケティングのために使われる、数々のワインを飾る言葉。 その中に真実がどれだけあるのだろうかと、私はすっかり懐疑的になってしまっているが、実際に、懐疑的なくらいがちょうど良いと思うのだ。 先日、仕事帰りにふらっと立ち寄ったワインバーで出てきたのは、こちらのワイン。 ボルドー・ソーテルヌ地区でも、高名なシャトー・ディケムに次ぐ名声を誇るグループの一角が、こちらの シャトー・リューセック 。

梁 世柱
7月13日


SommeTimes’ Académie <99>(フランス・シャンパーニュ地方: Part.5)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・シャンパーニュ地方 について学んでいきます。 シャンパーニュ地方は、フランスを代表するだけでなく、世界的に最も優れたスパークリングワインの産地とみなされています。 近年は、他国他産地で同じトラディショナル製法で造られたスパークリングワインの、大幅な品質向上も見受けられますが、その平均的品質の高さと、最高品質級の数量において、シャンパーニュの聖域は未だ揺らいでいません。 シャンパーニュ地方第5回は、シャンパーニュのカテゴリーについて学んでいく後編となります。 Types of Champagne シャンパーニュには、ヴィンテージ、葡萄品種、ドサージュ量に基づいた3種類の基本カテゴリーに加えて、一部特殊なカテゴリーも存在しており、それぞれが複雑に絡み合うことが多くあります。 一つ一つ丁寧に見ていきましょう。 ドサージュ量基準 ドサージュは最終的な甘さを調整するため

梁 世柱
7月10日


出会い <85> 思い込みの恐ろしさ
André Brunel, Côtes du Rhône Villages Cuvée Sabrine 2022. ¥2,800 思い込みは恐ろしい。 20年以上ワインと向き合ってきて、何度も何度も思い込みによって失敗を重ねてきたが、今回もまた、経験則が完全に外れてしまった。 特に、相当程度 総体的な個性が固まっているクラシックワイン の方が、このリスクは高い。 原産地呼称を名乗っているワイン なら、尚更。 その審査過程の相応の厳しさも含めて理解しているため、どうしてもイメージが固定化しやすいのだ。

梁 世柱
7月8日


SommeTimes’ Académie <98>(フランス・シャンパーニュ地方: Part.4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・シャンパーニュ地方 について学んでいきます。 シャンパーニュ地方は、フランスを代表するだけでなく、世界的に最も優れたスパークリングワインの産地とみなされています。 近年は、他国他産地で同じトラディショナル製法で造られたスパークリングワインの、大幅な品質向上も見受けられますが、その平均的品質の高さと、最高品質級の数量において、シャンパーニュの聖域は未だ揺らいでいません。 シャンパーニュ地方第4回は、シャンパーニュのカテゴリーについて学んでいく前編となります。 Types of Champagne シャンパーニュには、ヴィンテージ、葡萄品種、ドサージュ量に基づいた3種類の基本カテゴリーに加えて、一部特殊なカテゴリーも存在しており、それぞれが複雑に絡み合うことが多くあります。 一つ一つ丁寧に見ていきましょう。

梁 世柱
7月2日


SommeTimes’ Académie <97>(フランス・シャンパーニュ地方: Part.3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・シャンパーニュ地方 について学んでいきます。 シャンパーニュ地方は、フランスを代表するだけでなく、世界的に最も優れたスパークリングワインの産地とみなされています。 近年は、他国他産地で同じトラディショナル製法で造られたスパークリングワインの、大幅な品質向上も見受けられますが、その平均的品質の高さと、最高品質級の数量において、シャンパーニュの聖域は未だ揺らいでいません。 シャンパーニュ地方第3回は、シャンパーニュ地方のクリュについて学んでいきます。 旧エシェル・デ・クリュ

SommeTimes
6月27日


出会い <84> ナチュラルワインのクリエイティヴマインド
Les Chant Des Ailes, Chouchou 2022. ナチュラルワイン の多くは、 テーブルワイン格 でリリースされる。 その国が定める国産葡萄の比率さえクリアすれば、 大体のことは許容されてしまう 格付けだ。 フランスならVdF、イタリアならVdTがこのテーブルワイン格に相当する。 原産地呼称制度の規定がそもそも非常に緩いニューワールドでは関係のない話だが、ヨーロッパにおいては、 テーブルワイン格=自由 を意味する。

梁 世柱
6月24日


SommeTimes’ Académie <96>(フランス・シャンパーニュ地方: Part.2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・シャンパーニュ地方 について学んでいきます。 シャンパーニュ地方は、フランスを代表するだけでなく、世界的に最も優れたスパークリングワインの産地とみなされています。 近年は、他国他産地で同じトラディショナル製法で造られたスパークリングワインの、大幅な品質向上も見受けられますが、その平均的品質の高さと、最高品質級の数量において、シャンパーニュの聖域は未だ揺らいでいません。 シャンパーニュ地方第2回は、シャンパーニュ地方の 葡萄品種とブレンドにおける主な役割 について学んでいきます。

梁 世柱
6月19日


SommeTimes’ Académie <94>(フランス・アルザス地方: Part.3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・アルザス地方 について学んでいきます。 フランスが全土的に温暖化の影響を受けている中、フランスにあるワイン産地の中でも最も日照量に恵まれ、乾燥した場所であるアルザスは、その影響を真っ先に受けた産地の一つです。 かつては、ドイツ系品種を主体とした、冷涼産地の花形の一つとして名高かったアルザスですが、その個性には大きな変化が見られつつも、銘醸地としての面目は保ち続けています。 アルザス地方第三回は、アルザス地方で シャンパーニュ製法 にて造られる スパークリングワイン 、 クレマン・ダルザス に関して学んでいきます。

梁 世柱
5月28日


再会 <83> 国際品種のダークホース
Christophe Lindenlaub, Muscat “Je Suis au Jardin” 2023. 国際品種 と聞いて、真っ先に思い浮かぶ葡萄はなんだろうか? 白葡萄ならシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。 黒葡萄ならピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー。 おそらくその辺りだろう。 他にも、シュナン・ブランやグルナッシュの名を挙げる人もいるかも知れないが、おそらくこの葡萄品種を思い浮かべる人は、ほとんといないだろう。

梁 世柱
5月27日


SommeTimes’ Académie <93>(フランス・アルザス地方: Part.2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・アルザス地方 について学んでいきます。 フランスが全土的に温暖化の影響を受けている中、フランスにあるワイン産地の中でも最も日照量に恵まれ、乾燥した場所であるアルザスは、その影響を真っ先に受けた産地の一つです。 かつては、ドイツ系品種を主体とした、冷涼産地の花形の一つとして名高かったアルザスですが、その個性には大きな変化が見られつつも、銘醸地としての面目は保ち続けています。 アルザス地方第二回は、アルザス地方の基礎的な知識に関して学んでいきます。

梁 世柱
5月21日


SommeTimes’ Académie <92>(フランス・アルザス地方: Part.1)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・アルザス地方 について学んでいきます。 フランスが全土的に温暖化の影響を受けている中、フランスにあるワイン産地の中でも最も日照量に恵まれ、乾燥した場所であるアルザスは、その影響を真っ先に受けた産地の一つです。 かつては、ドイツ系品種を主体とした、冷涼産地の花形の一つとして名高かったアルザスですが、その個性には大きな変化が見られつつも、銘醸地としての面目は保ち続けています。 アルザス地方第一回は、アルザス地方の基礎的な知識に関して学んでいきます。 Alsaceのテロワール フランスとドイツの国境付近に位置するアルザス地方は、南北に約185km、東西に約40kmと、細長い形をした産地です。

梁 世柱
5月15日


SommeTimes’ Académie <91>(フランス・サヴォワ地方:Mondeuse)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・サヴォワ地方 について学んでいきます。 フランスが全土的に温暖化の影響を受けている中、アルプスに守られたサヴォワ地方は、真の冷涼産地として、その存在価値が高まっています。 AOC認定を受けている葡萄畑の総面積は、サヴォワ地方全体で僅か1700ha強と、非常に規模の小さな産地となります。 ブルゴーニュに近いという立地もあり、シャルドネやガメイも多く栽培されていますが、サヴォワ地方特有の品種があり、個性豊かな魅力を放っています。 サヴォワ地方は観光地としても名高いが故に、ただでさえ少ない生産量の大半が地元消費されており、日本国内で探すのは少々大変ですが、アルコール濃度が低く、鮮烈な酸をもったワインの数々は、個性的かつ魅力的です。 サヴォワ地方第3回は、サヴォワ地方固有の個性豊かな黒葡萄である Mondeuse(モンドゥース)を中心に、関連したワインを学んでいきます。

梁 世柱
5月8日


SommeTimes’ Académie <90>(フランス・サヴォワ地方:Altesse)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・サヴォワ地方 について学んでいきます。 フランスが全土的に温暖化の影響を受けている中、アルプスに守られたサヴォア地方は、真の冷涼産地として、その存在価値が高まっています。 AOC認定を受けている葡萄畑の総面積は、サヴォワ地方全体で僅か1700ha強と、非常に規模の小さな産地となります。 ブルゴーニュに近いという立地もあり、シャルドネやガメイも多く栽培されていますが、サヴォア地方特有の品種があり、個性豊かな魅力を放っています。 サヴォワ地方は観光地としても名高いが故に、ただでさえ少ない生産量の大半が地元消費されており、日本国内で探すのは少々大変ですが、アルコール濃度が低く、鮮烈な酸をもったワインの数々は、個性的かつ魅力的です。 サヴォワ地方第2回は、サヴォワ地方の優れた地品種白葡萄である Altesse(アルテス)を中心に、関連したワインを学んでいきます。

梁 世柱
5月1日


再会 <81> サスティナブルなピンクワイン
La grange de l’oncle, mille lieux les bas fonds. ¥3,300 ワインほど、 サスティナブル への意識が急速に浸透した産業もそうは無い。 産業構造自体が、そもそも 農業と密接に関わっている 上に、食料品のような生 活必需品ではなく、あくまでも嗜好品 であるということも、その動きを力強く後押ししているだろう。 元々サスティナブルに関して先進的であり続けてきた ヨーロッパが、産業の中心を担ってもいる し、アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、チリ、アルゼンチン、カナダなどでは、 主要産地が大都市に近い ことが、サスティナブルへの意識を間違いなく強めている。 サスティナブルと言っても、多種多様な形があり、農業の部分に特化したものもあれば、SDGsと連動した包括的かつ多角的なものもある。 中には、特に大メーカーが推進する戦略を、 「ビジネス・サスティナブル 」と揶揄する声も聞かれるが、 「何もしないよりかは、何かをする方が遥かにマシ」 だ。

梁 世柱
4月29日


SommeTimes’ Académie <89>(フランス・サヴォワ地方:Jacquere)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・サヴォワ地方 について学んでいきます。 フランスが全土的に温暖化の影響を受けている中、アルプスに守られたサヴォワ地方は、真の冷涼産地として、その存在価値が高まっています。 AOC認定を受けている葡萄畑の総面積は、サヴォワ地方全体で僅か1700ha強と、非常に規模の小さな産地となります。 ブルゴーニュに近いという立地もあり、シャルドネやガメイも多く栽培されていますが、サヴォワ地方特有の品種があり、個性豊かな魅力を放っています。 サヴォワ地方は観光地としても名高いが故に、ただでさえ少ない生産量の大半が地元消費されており、日本国内で探すのは少々大変ですが、アルコール濃度が低く、鮮烈な酸をもったワインの数々は、個性的かつ魅力的です。 サヴォワ地方第1回は、サヴォワ地方で最も多く栽培されている地品種白葡萄である Jacqu è re(ジャケール)を中心に、関連したワインを学んでいき

梁 世柱
4月23日


SommeTimes’ Académie <88>(フランス・ジュラ地方:Macvin du Jura)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ジュラ地方 について学んでいきます。 かつては、フランスの山奥にあるマイナー産地として、あまり注目される存在ではありませんでしたが、現在はナチュラルワインの文脈からブームが始まり、その少ない生産量を世界中の市場が争奪するという状況となっています。 ブルゴーニュに近いという立地もあり、ピノ・ノワール、シャルドネも多く栽培されていますが、他にもジュラ特有の品種があり、個性豊かな魅力を放っています。 価格に関しては、需要と供給のバランスが崩れていることから、かつてに比べると大幅な上昇傾向にあります。 ジュラ地方第4回は、ジュラ地方で作られる高品質な Vin de Liqueur(*) の一種である、 Macvin du Jura(マクヴァン・デュ・ジュラ) をテーマとします。 (*) :ヴァン・ド・リキュール。未発酵の葡萄ジュースか、発酵の初期段階でスピリッツを加えて造る、甘口

梁 世柱
4月18日
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