葡萄品種から探るペアリング術シリーズは、特定の葡萄品種をテーマとして、その品種自体の特性、スタイル、様々なペアリング活用法や、NG例などを学んでいきます。
今回は、メルローをテーマと致します。
同じボルドー品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンとの共通点や違いも合わせて、読み進めてください。
また、このシリーズに共通する重要事項として、葡萄品種から探った場合、理論的なバックアップが不完全となることが多くあります。カジュアルなペアリングの場合は十分な効果を発揮しますが、よりプロフェショナルな状況でこの手法を用いる場合は、ペアリング基礎理論も同時に参照しながら、正確なペアリングを組み上げてください。
メルローのスタイル
品種自体の主張が非常に強いカベルネ・ソーヴィニヨン(以降、CSと表記)に比べると、メルローは主役としても脇役としても、落ち着いた輝きを放つ品種です。CSと同様に、国際品種としては最も成功したものの一つですので、文字通り、世界中で栽培されています。
CSに比べると、香りや風味の共通点は多いのですが、より丸みのあるテクスチャー、果実味が強く、タンニンは滑らかになることが多いため、慣れればブラインド・テイスティングでも容易に判別がつきます。
メルローは大別すると2つのスタイルに分かれますが、共通して樽熟成が基本になっています(新樽比率はワインごとに大きく異なります)。
1. ポムロール型:メルロー単一が基本となるスタイル。
2. サン=テミリオン型:カベルネ・フランとのブレンドが基本となるスタイル。
また、それぞれのスタイルが、さらにオールドワールド系かニューワールド系に細分化されます。
ポムロール型はよりパワフルな果実感を伴い、サン=テミリオン型はよりエレガントな味わいとなる傾向がありますが、ニューワールド系になるとほぼ無条件でパワー感が増しますので、オールドワールド系のポムロール型と、ニューワールド系のサン=テミリオン型は、基本的にほぼ同じレベルのパワフルさと考えて問題ありません。
整理すると、以下のような傾向になります。
パワフル:ニューワールド系ポムロール型
中庸:オールドワールド系ポムロール型、ニューワールド系サン=テミリオン型
エレガント:オールドワールド系サン=テミリオン型
また、同系統(オールドワールド系かニューワールド系)であれば、ほとんどの場合で、CSよりも穏やかになる傾向があります。
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