2 日前南アフリカのパイオニアたち <後編>前編ではクライン・コンスタンシアを中心にレポートしたが、ワイン産地としての豊かな歴史を誇る南アフリカには、まだまだパイオニアたちがいる。 確かにクライン・コンスタンシアは象徴的な存在ではあるが、それだけでは決して全容は見えない。多様なアイデンティティとスタイルが混在する在り...
4月26日南アフリカのパイオニアたち <前編>4月25日、南アフリカワイン協会(Wines of South Africa : WOSA)が、オンラインワインスクール大手Vinoterasとの共催で、【キャシー・ヴァン・ジルMWと巡る壮大な南アフリカワインの世界 Episode.1~先駆者たち~】と題したオンラインセミ...
3月2日Sato Wines 衝撃の自社畑ワインニュージーランド南島のセントラル・オタゴは、国土の北から南までワイン産地が点在するニュージーランドの中でも、最南端に位置するエリア。南半球で、最南端側となると、無条件寒いエリアだと思うかも知れないが、実際には冬は氷点下に入るほど寒く、夏は逆に暖かく乾燥しており、日照量も平均...
2月9日驚天動地の酒「新政」本質を知ることを怠ると、自分にとって都合の良い形で理解してしまいがちだ。こういった曲解は、作品という結果を純然に楽しむだけの消費者であれば問題にはならないが、その価値を伝える役割と責任を担う「伝え手」にとっては、重大な過失に繋がり得る深刻な怠慢だ。...
1月21日銘酒・而今が示す、日本酒の新たな価値三重県名張市にある木屋正酒造が醸す銘柄「而今」は、当代随一の人気銘柄として、極めて高い評価を得ている日本酒。 酒蔵の創業は1818年。造り酒屋であった「ほてい屋」を、木材屋を営んでいた初代大西庄八が譲り受け、「木屋正」と改めた。木屋正酒造は長らくの間「高砂」と「鷹一正宗」の...
1月13日【実験】ワインの温度と実際の味わいの関連性こんにちは、Restaurant Re:苅田です。 前回の【糖分・酸度】に関する実験スタイルの記事は非常にやりがいがあったので、今回は違った実験を行っていきたいと思います。 前回の記事参照 今回は【温度】について考えたいと思います。ワインをはじめとした、飲料の世界では常に新...
2021年12月14日全ピノ・ノワール・ファンの宝情報が超速化した現代社会では、どんなショッキングな出来事も、あっという間に忘れ去られてしまう。国内では東日本大震災や一連の豪雨被害。海外のワイン関連なら、カリフォルニアで発生した2017年と2020年の大規模な山火事。多くの人がその出来事を忘れてしまっても、被災者の中には変...
2021年12月7日オーストラリアワインの多様性と可能性Australian Food & Beverage Showcase Japan ブラインド・テイスティング オーストラリアは広い。 国土面積では世界6位。ヨーロッパがほぼすっぽりと入ってしまう大きさ。 だからオーストラリアのワインは多様だ。...
2021年12月3日偉大なる難曲の名を冠したワイナリー「ジャイアント・ステップス」ジャイアント・ステップスとは、1960年に、ジャズ史上最高の天才と評されるサクソフォーン奏者ジョン・コルトレーンが発表したオリジナル曲であり、同名のアルバムでもある。ジャイアント・ステップスは、長3度という当時では非常に珍しかった転調を16小節の1コーラス間に10度も繰り返...
2021年10月29日南アの多様性と進化 1498年にヴァスコ・ダ・ガマが開拓したヨーロッパからインドへ至る新たな通商海路の要所が、南アフリカの西ケープ州に位置する喜望峰だった。やがて、大航海時代が始まり、オランダ東インド会社の南アフリカ現地法人代表であったヤン・ファン・リーベックがケープタウンに葡萄を植えたのが1...
2021年10月15日日本酒の価値創造10月14日、「プレミアム日本酒 創造LABO」と題したセミナーが、「株式会社いまでや」小倉秀一氏(代表取締役)、「株式会社ヴァンパッシオン」川上大介氏(代表取締役)両名の主導の元、都内で開催された。 1990年に特定名称酒の基準を含む「清酒の製法品質表示基準」が適用され、...
2021年9月18日SDGsが問う、世界最大産地の「造る責任」中央スペインのラ・マンチャD.Oは、原産地呼称が認められている単独の産地としては世界最大の範囲(四国を少し小さくした程度の面積)に広がり、D.Oで認定された葡萄畑の面積は157,000haを超えるという、圧倒的なスケールを誇っている。...
2021年8月29日未輸入NYワインから紐解く未開の可能性日本国内未輸入ワインのテイスティングは、非常に多くの学びをもたらしてくれる。未輸入である理由や、輸入された際の市場の反応を予測すると、市場分析の学びとなり、市場開発の学びともなり、昨今のワイン市場においてもますます重要性を増す、販売者、伝え手たちの創造性を養うための学びにも...
2021年5月21日【実験】ワインの糖酸度と実際の味わいの関連性今回はワインの糖分と酸度を計測してみようという話です。 ワインの一つのすばらしさとして、幅の広さがあります。 価格帯、国、品種、味わい、スタイルさえも。ここまで幅のある飲み物はないでしょう。 ソムリエや愛好家はそれを理解するために(机上はもちろん、たくさん飲んで)経験を積み...
2021年4月22日南アのピノ・ノワールは本当に注目に値するのか?南アフリカ共和国。アフリカ大陸の最南端に位置し、アフリカ大陸各国の中でも、最もヨーロッパの影響が色濃い国の一つである。大航海時代の初期である15世紀末頃にはポルトガル人が喜望峰に到達。1655年に最初の葡萄園が開かれた南アは、ニューワールド産地の古参組でもある。日本において...
2021年3月31日選択 <循環の守り手として生きていく>2021年に入ってしばらく経過したが、長野は12月中旬の初雪から継続して雪が降り、畑は2月の中旬を過ぎても雪に覆われていた。日本都市部、世界各国、かわらず新型コロナウイルスの影響で苦しい状態が続いているが、今年はどんな年になるのか、昨年の自然災害、地球気候危機に直面している...
2021年3月18日Chianti Classicoのサブゾーンを解き明かすイタリアが世界に誇る銘醸中の銘醸、キアンティ・クラッシコ。広大なゾーンが認められている通常のキアンティと異なり、限定された集中的なエリアであるキアンティ・クラッシコ(以下、クラッシコと表記)は、平均的品質、価格共に、広域キアンティやその他のキアンティに連なるサブエリア(Ru...
2020年12月2日無添加リースリングの真価亜硫酸、俗に酸化防止剤とも呼ばれるこの物質は、超長距離輸送と長期保存が常識化した近代ワイン産業にとって、欠かすことのできないものとされている。 しかしいつの時代も、近代化と原点回帰は交互に繰り返されるものだ。近年の世界的な亜硫酸無添加ブームは、一歩間違えれば盲目的な思想を消...
2020年12月1日ポルトガル・プレミアムワイン「世界でも最もコストパフォーマンスに優れた国の一つ」 これが、ポルトガルというワイン伝統国の、ワイン市場における現代の一般的評価だろう。 現代の、と付け足したのには理由がある。 ポルトガルと言えばポートワイン、というイメージからの脱却が、...