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葡萄樹と共に <トスカーナ特集:Montalcino編 Part.2>

E掴めそうなのに、手をすり抜けていく。

気楼のように、神秘と現世を往来し、奇跡の残り香だけが、かろうじてその実在を示唆する。


グラスに注がれた美麗なルビー色の液体は、まだ私に真実を語ってくれない。


ならば、確かに存在しているものを、先に理解するべきなのだろう。



今回のAnteprima展示会(新ヴィンテージのお披露目)には、モンタルチーノは含まれていなかったが、私は前倒しでトスカーナ入りし、モンタルチーノで数日間過ごすことにした。


久々のイタリアというのもあり、次の機会をどうしても待てなかったのだ。



本章は、モンタルチーノという産地の解説でも、Brunello di Montalcinoというワインのレヴューでもない。モンタルチーノで訪れた造り手たちと私が話したことの、純粋な記録となる。




Stella di Campalto (Podere San Giuseppe)

モンタルチーノを訪れると決めた時、真っ先にアポイントメントを取ったのが、ステッラ・ディ・カンパルトが率いるPodere San Giuseppe(銘柄名:Stella di Campalto)だった。


私にとって人生最上のBrunello di Montalcino、いや、最上のサンジョヴェーゼは、彼女の作だったからだ。


Case Basse、Poggio di Sotto、Biondi Santi、Il Marroneto、Ciacci Piccolomini d’Aragona。


同じモンタルチーノにある数々の大銘醸を差し置いて、なぜ彼女のワインが、これほどまでに心に残るのか。


私はただただ、その理由を知りたかった。



前日の深夜にフィレンツェ入りし、わずかな睡眠をとってから早朝の電車に乗り込み、モンタルチーノへと向かった。


時差か、高揚か、どちらにしても電車では全く眠れなかったが、随分とのんびりした乗り換えを挟んで、どうにかこの「陸の孤島」に到着した。


駅まではSan Giuseppeの広報担当が迎えに来てくれたので、ワイナリーへはすんなりと辿り着いた。


そして数分後、ステッラが現れた。


軽く挨拶を交わした後、二人で葡萄畑を歩くことにした。


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