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出会い <102> 銘醸地の共通チャレンジ
Tiberini, Maturato 2024. 現在、世界各国の銘醸地、特に赤ワインで名高い産地において、 白ワインへの挑戦 という共通する変化が起きている。 背景にあるのは、 気候変動によるアルコール濃度の高止まり と、 食のライト化に伴う「重たいワインの人気低迷」 だ。 伝統が深く根ざしている産地であればあるほど、変化を受け入れることは容易ではないはずだが、それでも多くの産地が前を向いているのは、素晴らしいことだと思う。 ただし、その挑戦は まだまだ日の目を見ていない のが現実だ。

梁 世柱
5 日前


出会い <101> 見落としていた名ワイン
Poderi Sanguineto I e II, Vino Nobile di Montepulciano Riserva 2021. 特定の産地に対して、本当の意味で専門性を高めるために、どうしても必須となる環境がある。 それは、同産地のワインを、ヴィンテージなどの諸条件を相当程度揃えた上で、大量に、一気に比較テイスティングできる環境だ。 正確かつ深い座学と、ごく小規模であっても条件を揃えた比較テイスティングを何度も何度も繰り返せば、高水準の専門性に至ること自体は可能だが、時間もコストもかなりかかってしまうだろう。 どちらにしても、数多くのワインを、限定されたいくつかの 「線」 に乗せてテイスティングすることが大切で、逆にいうとそれ以外の形式でのテイスティングは、全てが 「点」 になって、 コンテクストの整合性と正確性がどうしても犠牲になる 。

梁 世柱
3月24日


オルタナティヴ・サンジョヴェーゼの行方
トスカーナ州の誇りであるサンジョヴェーゼ。そしてそのサンジョヴェーゼを代表する産地として、常に名が挙がるのは、Chianti Classico、Brunello di Montalcino、Vino Nobile di Montepulcianoの「三大産地」だ。 正直なところ、現時点では、その三大産地全てで、まだまだリーズナブルな価格帯と高品質が両立したワインが手に入る余地が残されているため、わざわざもっとニッチなワインを求める必要性が薄いとは感じている。 しかし、少しずつ状況に変化が出てきている、という認識はもっておいた方が良いだろう。 Chianti Classicoは、最上位格付けであるGran Selezioneの登場からしばらく経ち、高級路線への切り替え作戦が、いよいよ効いてきた感じがある。 Brunello di Montalcinoは元々高価だったが、Rosso di Montalcinoもカジュアルワインの価格帯を飛び出し始めた。

SommeTimes
3月15日


再会 <100> アンフォラとの親和性
Petrolo, Boggina A 2023. アンフォラ という古代の貯蔵・輸送容器が、ワイン産業に再び姿を現したのは、90年代半ばに北イタリアのゴリツィアで、オレンジワインの復興が始まったことがきっかけである。 改革の旗手であったヨスコ・グラヴネルが、ジョージアのワイン造りから着想を得て、アンフォラを導入したのだ。 以降、オレンジワインの波及と共に、アンフォラを使用するワイナリーも劇的に増えた。 今では、クラシック、ナチュラルを問わず、セラー訪問をしてアンフォラを見かけても、全く驚かなくなったほどだ。 これだけ広く普及すると、アンフォラという容器の効果もまた、より客観視できるようになる。

梁 世柱
3月3日


Wine Memo <38>
Sassotondo, Ciliegiolo San Lorenzo 2023. 以前からトスカーナ州の地葡萄の中に、どうも気になるものがあった。 イタリア語で「 小さなさくらんぼ 」の意味をもつ、 チリエジョーロ だ。 淡く明るいルビーの色調、品種名通りのチェリーのアロマ、ほのかなスパイスのニュアンス、軽快でしなやかなボディ、快活な酸、心地よく輪郭を整えるタンニン、フローラルな余韻。 チャーミング という表現は、こういう品種のためにある、と思わされることも多い、実に魅力的な葡萄だ。

梁 世柱
3月2日


出会い <99> 復活中の古代品種
Fattoria Bellosguardo, Valdarno di Sopra Foglia Tonda “Pipillo” 2024. 凝り性であると同時に飽き性でもある私にとって、同じ品種のワインをひたすらテイスティングし続けることは、楽しさと退屈さが表裏一体となってしまう。 毎年恒例のトスカーナ州訪問の7日目。 すでに数えきれないほどのサンジョヴェーゼをテイスティングし続け、流石に集中力(と楽しさ)が限界に達してきたタイミングで、このワインと出会った。 目が覚めた、とはまさにこういうことを言うのだろう。 イタリア全土で僅か 50haしか栽培されていない という 絶滅危惧種フォリア・トンダ に、強烈な衝撃を受けたのだ。

梁 世柱
2月25日


再会 <99> スーパータスカンの今
Querciabella, Camartina 2021. スーパータスカン は、ある意味 「旬を過ぎた」 ワインとも言える。 1968年にボルゲリの地で サッシカイア が誕生し、伝説的な1985年ヴィンテージによって、スーパータスカンという存在を一躍メインロードへと乗せたのだが、 最初期のスーパータスカンは、実はボルゲリよりもキアンティ・クラシコの地で多く誕生していた 。

梁 世柱
2月17日


SommeTimes’ Académie <107>(イタリア・トスカーナ州: Part.8)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・トスカーナ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである トスカーナ州 は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第8回では、トスカーナ州からヨーロッパ全土に先駆けて、ボルドー品種を中心とした国際品種で成功を収めた Bolgheriボルゲリ について学んでいきます。

梁 世柱
2025年9月12日


SommeTimes’ Académie <106>(イタリア・トスカーナ州: Part.7)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイタリア・トスカーナ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるトスカーナ州は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第7回では、トスカーナ州唯一の白ワインでD.O.C.G.を獲得した、 Vernaccia di San Gimignano D.O.C.G. に関して学んで行きます。 Vernaccia di San Gimignano D.O.C.G. 世界遺産の古都 サン・ジミニャーノ で造られる白ワインは、中世にはすでに、イタリアで最も古く高貴なワインの一つと称されていました。 主要品種である ヴェルナッチャ...

梁 世柱
2025年9月4日


SommeTimes’ Académie <105>(イタリア・トスカーナ州: Part.6)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・トスカーナ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである トスカーナ州 は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第6回では、トスカーナ州の隠れた銘醸ワインの一つであり、豊かな歴史でも知られている Carmignano D.O.C.G. に関して学んで行きます。

梁 世柱
2025年8月29日


SommeTimes’ Académie <104>(イタリア・トスカーナ州: Part.5)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・トスカーナ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである トスカーナ州 は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第5回では、トスカーナ州の中でも最も広大な範囲に広がっている Chianti D.O.C.G. に連なる産地群に関して学んでいきます。 Chianti D.O.C.G. 広大なChianti D.O.C.G.(以降、 大キアンティ と表記)は、現在はChianti Classico D.O.C.G.となっているオリジナルエリアの名声にあやかる形で、 1932年以降から急速に拡大 していきました。 世界中

梁 世柱
2025年8月20日


SommeTimes’ Académie <103>(イタリア・トスカーナ州: Part.4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・トスカーナ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである トスカーナ州 は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第4回では、トスカーナ州の中でも三大サンジョヴェーゼ銘醸地の一つとされる、 Vino Nobile di Montepulciano D.O.C.G. に関して学んで行きます。

梁 世柱
2025年8月8日


SommeTimes’ Académie <102>(イタリア・トスカーナ州: Part.3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイタリア・トスカーナ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるトスカーナ州は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第3回では、トスカーナ州の中でも三大サンジョヴェーゼ銘醸地の一つとされる、 Brunello di Montalcino D.O.C.G. に関して学んで行きます。

梁 世柱
2025年8月1日


SommeTimes’ Académie <101>(イタリア・トスカーナ州: Part.2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・トスカーナ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである トスカーナ州 は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第2回では、トスカーナ州の中でも三大サンジョヴェーゼ銘醸地の一つとされる、 Chianti Classico D.O.C.G. に関して学んで行きます。 Chianti Classico D.O.C.G. Part.1で大キアンティ・ゾーンとしたように、Chianti D.O.C.G. (及び特定地域名付き)を名乗れるエリアは広大に広がっていますが、 Chianti Classicoを名乗ることができる

梁 世柱
2025年7月23日


SommeTimes’ Académie <100>(イタリア・トスカーナ州: Part.1)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・トスカーナ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである トスカーナ州 は、イタリアで最も偉大な黒葡萄の一つであるサンジョヴェーゼを主力にしつつ、国際品種やその他の地品種でも多大なる成功を収めてきました。 また、オーガニック/サスティナブルへの取り組みも、イタリアで先陣を切っており、イタリアワイン産業のリーダーとして、力強く歩んでいます。 トスカーナ州編第1回では、トスカーナ州の全体像を把握していきます。 3つの大ゾーン トスカーナ州には、3つの大ゾーンがあります。まず、中心部大きくカヴァーしているのが、サンジョヴェーゼが主体となる銘醸地の全てを含む、 大キアンティ・ゾーン です。そして、国際品種が主力となるティレニア海沿いの ボルゲリ・ゾーン 、同じくティレニア海に面しながらも地品種が主体の マレンマ・ゾーン です。

梁 世柱
2025年7月15日


革命の狼煙 <Montepulciano特集 2024年版>
モンテプルチアーノ を訪れる度に、私はなんとも言えない複雑な感情を抱いてきた。 Vino Nobile di Montepulciano という歴史的大銘醸が、品質において Chianti ClassicoやBrunello di Montalcino と同じ領域にあることは疑いようもないと常々感じてきたが、人気、知名度、価格など、品質以外のあらゆる点で、三大サンジョヴェーゼの一角とは言い難い現実があった。 消費者目線から見れば、過小評価によって低止まりした価格にありがたさも感じる部分はあるが、一人のワインプロフェッショナルとしては、モンテプルチアーノの偉大なワインが 真っ当な評価を受けていない ことに、苛立ちにも似た感情を覚えてきた。 確かに、Vino Nobile di Montepulcianoには、Chianti Classicoのような「集の力」も、Brunello di Montalcinoのような「わかりやすさ」もない。 あまりの不人気ぶりに、三者を品質的に同列と考えている私自身のテイスティング能力を疑ったことさえあ

梁 世柱
2024年3月30日


Wine Memo <19>
Ca di Pesa, Serafino 2021. 今年もまた2月の トスカーナ にやってきた。 ニューリリースを祝う アンテプリマ展示会 だ。 6日間ほど、ひたすらサンジョヴェーゼの海を泳ぎ続ける日々は実に楽しいが、なかなか辛くもある。 若いサンジョヴェーゼをテイスティングし続けるのは、実際にかなり骨が折れる。 数時間テイスティングすればもう、強い色素で完全にお歯黒状態となり、強烈な酸の刺激で舌が痺れ、分厚いタンニンが歯茎にびっしりとへばりつく。 初日の緩いレセプションを終え、今年のアンテプリマは キアンティ・クラシコ からスタートした。 私はキアンティ・クラシコが大好きなのだが、 少々偏った「好み」 がある。 そう、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどがブレンドされたクラシコが、とにかく好きでは無いのだ。(このタイプのクラシコは、明らかに減少傾向にある。)

梁 世柱
2024年2月16日


出会い <38> 第四のサンジョヴェーゼ
Le Rogaie, Morellino di Scansano “Forteto” 2022. Chianti Classico、Brunello di Montalcino、Vino Nobile di Montepulciano。 気高き三大サンジョヴェーゼに続く産地は、いったいどこなのだろうか。 再会 <38> で紹介した Valdarno di Sopra D.O.C は(品質、総合力、平均点の高さ、秀逸な造り手の数から見れば)一押しではあるものの、他にも優れた選択肢は存在するのだろうか。 例えば Carmignano D.O.C.G は、歴史的にも「第四のサンジョヴェーゼ」の地位に在り続けてきたと言えるが、個人的には 少々同意しかねる部分 がある。 Carmignanoは、数あるトスカーナ州のサンジョヴェーゼ主体産地の中でも、 異質な存在 だからだ。

梁 世柱
2023年6月4日


葡萄樹と共に <トスカーナ特集:Montalcino編 Part.2>
E掴めそうなのに、手をすり抜けていく。 蜃 気楼 のように、神秘と現世を往来し、 奇跡の残り香 だけが、かろうじてその実在を示唆する。 グラスに注がれた美麗なルビー色の液体は、まだ私に真実を語ってくれない。 ならば、 確かに存在しているもの を、先に理解するべきなのだろう。 今回のAnteprima展示会(新ヴィンテージのお披露目)には、モンタルチーノは含まれていなかったが、私は前倒しでトスカーナ入りし、モンタルチーノで数日間過ごすことにした。 久々のイタリアというのもあり、次の機会をどうしても待てなかったのだ。 本章は、モンタルチーノという産地の解説でも、Brunello di Montalcinoというワインのレヴューでもない。 モンタルチーノで訪れた造り手たちと私が話したことの、純粋な記録 となる。 Stella di Campalto (Podere San Giuseppe) モンタルチーノを訪れると決めた時、 真っ先にアポイントメントを取った のが、 ステッラ・ディ・カンパルト が率いる Podere San Giuseppe (銘柄

梁 世柱
2023年5月31日


名声と呪縛 <トスカーナ特集:Montalcino編 Part.1>
あくまでも個人的には、としておくべきだろう。 私がこれまでにテイスティングしてきた膨大な数のサンジョヴェーゼの中から、仮にトップ10を選ぶとしたら、少なくとも 上から3つは確実に、Brunello di Montalcinoがランクインする 。むしろ4位から下は候補があり過ぎて、選定が難航するのは間違いない。つまり私は、Brunello di Montalcinoに対して、 頭一つも二つも抜けた評価を、個人的にはしてきた ことになる。 他者の評価や、世間的な名声ではなく、自身の体験に最大の重きを置く普段の私なら、Brunello di Montalcinoこそがトスカーナ最上のサンジョヴェーゼである、と断言してもおかしくは無いのだが、 私はまだ確信にも核心にも至ってない 。 なぜBrunello di Montalcinoに、これほどまで心惹かれてしまうのか。 なぜBrunello di Montalcinoが、Chianti ClassicoとVino Nobile di Montepulcianoを上回っていると感じることが多いのか。...

梁 世柱
2023年5月25日
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