Kusuda Wines, Pinot Noir “Martinborough” 2017.
大阪のお好み焼きと、広島のお好み焼き。
どちらが優れた料理か。どちらが本物か。
私の答えは、迷うことなく「大阪」となる。
その理由は、ただ一つ、私が大阪で生まれ育ったからだ。
「同郷バイアス」とは、我々が意識している以上に強力で、冷静な品質判断などは、いとも簡単に「不必要なもの」となってしまう。
そう、そこに必要なのは、感情からくる全面的な肯定だけなのだ。
私自身はその同郷バイアスを強く認識しているため、日本が関連したあらゆるワインに対して、徹底して感情移入を排してきた。
しかし、それは同時に「逆張りバイアス」がかかってしまう可能性を生んでいるのも事実だ。
つまり、感情移入を拒絶するが故に、重々気をつけていなければ、無意識に批判的な視点から見てしまいかねない、ということ。
だからこそ、私は同郷バイアスがかからない、海外プロフェッショナルの意見を求めることが多い。