ポートの銘醸地Cima-Corgoの中心部、ドウロ川沿いを南北に挟み込む段々畑は、世界遺産として良く知られた風景だが、最高位の「A」にレーティングされるグラン・クリュは、川沿いにだけあるわけではない。
少し内陸に入ったエリアにも、見過ごすべきではない、いや、より重要とすら言えるグラン・クリュゾーンが存在しているのだ。
Cima-Corgoの中心にあるピニャオンから北部のアリージョ(スティルワインの産地として要注目の場所であるため、別の機会でレポートする。)に至る中間地点に広がるのが、ポート用(スティル用としても)の葡萄畑としては最上位の筆頭候補とすら言える、Vale de Mendiz。
ポート用としてはTaylor’sの看板ヴィンテージ・ルビーの一角を成すQuinta de Terra Feitaが、スティル・ワイン用としてはNiepoortの野心とウィットに富んだCharmeの葡萄畑があることでも知られているが、Vale de Mendizの象徴といえば、なんといってもQuinta do Novalなのではなかろうか。
