歴史深いポート最上のエリアとして名高い、ドウロ川中流域のCima-Corgo。
ドウロ川沿いの超急斜面に切り開かれた、壮大なテラス状の段々畑は圧巻そのもので、この風景がユネスコ世界遺産に登録されているということに、誰も異論など抱かないだろう。
このような場所を訪れるたびに、(少なくとも筆者が携帯しているカメラでは)写角に全く収まりきらない雄大な景色を、目と記憶にしっかり焼き付けるようにしている。
さて、本レポートの主役となる、最古参(1638年創業)のポート・ハウスであるKopke(コプケ)について語る前に、Douroにおける葡萄畑の格付けを解説しておこうと思う。
詳細は下の表にまとめてあるが、興味深い点をピックアップしておこう。
1948年、アルヴァロ・モレイラ・ダ・フォンセカによって確立されたDouroの葡萄畑格付けは、ワイナリー単位ではなく、葡萄畑そのものが対象となっているため、基本的にはブルゴーニュ方式だが、その範囲と評価方法はシャンパーニュ地方にかつて存在したエシェル・デ・クリュのそれに近い。
評価対象は12項目。それぞれに最高点(加点)と最低点(減点)が定められており、最高得点は1,761点となっている。
1,201点以上で最高レートのA(本稿では便宜的にグラン・クリュと呼ぶ)となるが、特に標高と母岩における減点の幅が大きく、グラン・クリュとなる畑は実際には非常に少ない。
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