ポルトガル第二の都市ポルトで、ポート・ワインハウスのロッジ(貯蔵庫)を訪れて感心したのは、そのワインツーリズムとしての圧倒的な完成度と豊かさだ。
ポート自体が造られているのは、基本的にDouroだが、硬く分厚いシスト土壌の母岩を掘って広大な地下セラーを造ることは現実的ではなかったことから、歴史的にポートは船で(今はもちろんトラック)ポルトへと運ばれ、巨大な貯蔵庫での熟成を経て出荷されてきた。
ポルトを横断するドウロ川の南側に位置するヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアには、高名なポート・ハウスのロッジやショップが軒を連ね、ギュスターヴ・エッフェル(パリのエッフェル塔で知られる)が設計した美しいマリア・ピア橋と並んで、ポルトの街を象徴する景色となっている。
今回の旅でロッジを訪問(Kopkeも訪れたが、ロッジ見学をしたのは系列ブランドのCálem)したのは、ポートの名門Ferraira。
1751年にフェレイラ家によって創立されたFerreiraは、19世紀に入るとドナ・アントニア・アデレイデ・フェレイラの辣腕によって名実ともにポート最上の一角へと登り詰めた。
1987年には、そのレガシーをポルトガル最大のワイナリーグループであるSograpeが継承し、(酒精強化ワインではない)Douroの最重要ワイナリーであるCasa Ferreirinhaと共に、更なる発展向上に努めてきた。
1825年からFerreiraのロッジとして使用されてきた古い建物は、改装とメンテナンスによって非常に良好なコンディションに保たれ、ワインツーリズムの大黒柱となっている。
ルビー・ポートを熟成している巨大な樽(最大級のものだと、なんと7万リットル越え!)が所狭しと並んだ暗いセラーを回るツアーは、実にエキサイティングなもので、ツアーガイドの博識ぶりも相まって、刺激と発見と驚きに満ちた、極めて上質なものだった。
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