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椎茸と定番品種のベストペアリング
秋が深まり、冬の足音も目の前まで迫っている中、季節感たっぷりの食材として、きのこ類を食すことも増えてきた。 現代では、菌床栽培が普及したことによって、大体のきのこは通年味わうことができるのだが、やはり「旬は旬」だと思う。 今回は、旬を迎えている椎茸を題材にしていこう。 椎茸に旬?と思う人も多いとは思うが、椎茸にもちゃんと旬が存在している。

梁 世柱
2025年11月2日


Wine Memo <35>
Arnoux-Lachaux, Vosne-Romanée 1er Cru Les Chaumes 2013. 先代のワイン、と聞くと、不思議とロマンの香りが漂ってくる。 ただしそのロマンは、往々にしてノスタルジアに似たものであり、ワインそのものの素晴らしさとは、少し評価の軸がずれたところにポイントが置かれていることも多くある。(その逆もまた然りだが。) 今回のWine Memoで取り上げたいのは、ブルゴーニュの「先代」ワイン。 ヴォーヌ=ロマネ村の古参ドメーヌとして知られたロベール=アルヌーが、2008年に改称して誕生したのが、アルヌー=ラショーだ。

梁 世柱
2025年10月31日


SommeTimes’ Académie <113>(イタリア・ピエモンテ州: Part.6)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第6回では、赤ワイン白ワイン共に優れたワインを産出するRoeroに関して学んで行きます。

梁 世柱
2025年10月31日


出会い <92> 中国ワインの巨星
Dan Sheng Di, Célèbre Red 2018. もう、6~7年前だろうか。私が初めて最高峰の中国ワインをテイスティングしたとき、少なからずショックを受けた。 今ではすっかり日本国内でも知名度が上がったAo Yunは、日本で造られる同形品種のワインが(品質的に)到達することが極めて難しい領域にすでにいると、認めざるを得なかった。 もちろん、品質だけがワインの全てではない。 その国、その産地だからこそ成し得た個性には、素晴らしい価値が宿る。 ただし、ワインをそのような価値観でもって受け止めることができる人は、国産バイアスが強烈にかかる初心者か、あらゆる国々のワインを飲み重ねてきた、歴戦の玄人くらいなものだ。

梁 世柱
2025年10月28日


牛スユクと海の赤ワインでペアリング
韓国料理の中には、日本ではあまりお目にかかることがない絶品料理が少なからずある。 中でも、私が大好物の筆頭に挙げたくなるほど好きなのが、スユクだ。 スユクは漢字では水肉と書き、文字通り「ゆでた肉」のことである。 豚の三枚肉、肩肉、もも肉などをゆでた豚スユクは、実際にはサンチュ、エゴマで包んで「ポッサム」として楽しむ食べ方が、日本でもそれなりに浸透しているだろう。(そういう意味では、ポッサムはスユクの一種。) 日本ではあまり浸透していない、そしてより高級で高品位な料理とみなされているのは、牛スユクの方だ。 スネ肉、肩肉も用いられるが、最上のものはコラーゲンを多く含む希少部位であるブリスケ(肩バラ肉の一部)で間違いないだろう。

梁 世柱
2025年10月27日


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.2
Part.2では、韓国伝統酒(スル)の中で、マッコリ以外の主要なものを解説していこう。 チョンジュ 漢字(韓国ではすでに漢字の公的使用が実質的に廃止されている)では「清酒」と書くチョンジュは、マッコリを濾した後の上澄みだけを抜き出したスルである。 つまり、マッコリはどぶろくと、チョンジュは日本の清酒とシンクロするような関係性にある。 マッコリに比べると遥かにマイナーな存在ではあるが、古代三国時代(4~7世紀)の文献にはすでに、宮廷で濁酒と清酒を使い分けていたと記述されているため、歴史は非常に古い。 李氏朝鮮王朝時代(14末〜19世紀末)には、ポプジュ(法酒)と呼ばれた宮廷専用のチョンジュが重用され、特にキョンジュ(慶州)で造られたものは、キョンジュポプジュと呼ばれて名を馳せた。

梁 世柱
2025年10月26日


SommeTimes’ Académie <112>(イタリア・ピエモンテ州: Part.5)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第5回では、北ピエモンテ地方における、2つのネッビオーロ銘醸地に関して学んで行きます。

梁 世柱
2025年10月22日


再会 <92> 折衷派バローロの真髄
Aldo Conterno, Barolo Bussia Cicala 2017. ブルゴーニュの爆発的な高騰が終息しないなか、いわゆる「グラン・ヴァン(偉大なワイン)」を飲みたいと思った時、私の食指がバローロ・バルバレスコへと動くことは格段に増えた。 かねてから、最上クラスのバローロ・バルバレスコは、ブルゴーニュに対しても全く見劣りしないと考えてきたが、これほど価格差が開いてしまうと、もはや私には偉大なブルゴーニュを自ら買って楽しむ「言い訳」を探すことが不可能となっている。 ブルゴーニュのグラン・クリュ一本に10万円を支払うなら、最高のバローロを4本飲みたい、というのが私の本音である。 さて、そんなランゲ地方の雄たちだが、現在はモダン派、古典派、折衷派の3大スタイルが共存している。

梁 世柱
2025年10月21日


ケジャンと至高のペアリング
韓国訪問を決めた時、必ず食べると意気込んでいたものの一つが、ケジャンだ。 ケジャンには大きく2種類があり、生のワタリガニを醤油ベースのタレに漬け込んだ、カニの濃厚な味わいを楽しめるカンジャンケジャンと、コチュジャンベースのタレに漬け込んだ旨辛い味わいのヤンニョムケジャンとなる。 一切の「ごまかし」が効かないカンジャンケジャンは特に、料理店の腕がダイレクトに問われる。 今回訪問したのは、韓国の伝統的な家屋である「ハノク」が立ち並ぶ趣深い北村エリアにあり、ミシュランガイドで一つ星も獲得したことがある、カンジャンケジャンの専門店「クンキワチプ」。 精妙にブレンドされた醤油ダレは、奥深くも軽やか。 ワタリガニの身は濃密な甘味を、ミソは分厚い旨味とコクを表現しており、前日深夜まで及んだマッコリテイスティングの余韻が吹き飛ぶほど、強烈なインパクトを放っていた。

梁 世柱
2025年10月19日


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.1
韓国で活躍する同業のプロフェッショナルたちから、何度も何度も聞かされていた。 韓国国内には、驚くべき品質のマッコリ、ソジュ、薬酒(韓国ではこれらの総称として、「スル」という言葉が用いられる)が存在していると。 しかしそれら韓国の歴史深い国酒に対して、日本では韓国料理店や焼肉店における、「安価な選択肢」としてしか、市場が開かれていない。 市場が無いなら、当然輸入も著しく制限される。 つまり、最上のマッコリやソジュを体験するためには、韓国へと行くしか無かった。 なかなか機会を作ることができなかったが、今回12年ぶりに韓国を訪問することができたため、スルの集中テイスティングを行なった。

梁 世柱
2025年10月18日


SommeTimes’ Académie <111>(イタリア・ピエモンテ州: Part.4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第4回では、この地を代表するだけでなく、全イタリアの象徴的存在の一つであるBarbaresco(バルバレスコ)に関して学んで行きます。

梁 世柱
2025年10月16日


出会い <91> 北海道で華開くドイツ系品種
山田堂, Yoichi Blanc 2024. ¥2,800 寒冷地である北海道が、1970年代からドイツ・オーストリア系品種に目をつけたのは、英断だった。 1976年のパリスの審判をきっかけに、世界各地で爆発的にフランス系国際品種が広まることになったのだが、その大波が本格化する前に、ミュラー=トゥルガウ、ケルナー、バッカス、ツヴァイゲルト(レーベ)などの葡萄が北海道に導入されたのは、運命のいたずら、とすら言えるのかも知れない。 パリスの審判から、ロバート・パーカーJrの台頭という一連の流れの中で、2010年代に入るまでは、パワー型ワインの全盛期となったため、繊細な北海道のドイツ・オーストリア系ワインがセールスに苦しんだことは想像に難くないが、耐え忍んだだけの価値はあったと、私は思う。

梁 世柱
2025年10月14日


杏仁豆腐と色とりどりペアリング
中華スイーツの中で、杏仁豆腐ほど日本で広く愛されているものはないだろう。 杏仁豆腐は、元々は薬膳料理で、咳の治療薬として漢方で用いられていた杏の核(杏仁)を粉末状にしたものを、薬として飲みやすくするために甘味を加えたのが発祥とされている。 牛乳、アーモンドエッセンスなどで香味付けをした簡易的造りの杏仁豆腐を、甘いシロップの中に、同じサイズにカットしたフルーツと浮かせた「フルーツポンチ」風の香港式杏仁豆腐が、日本ではよりポピュラーと言えるだろう。 さて、そんな杏仁豆腐だが、ペアリングの題材としても実に楽しい。 さらにこのペアリングには反則とも言える裏技があるので、先にそちらを紹介しておこう。

梁 世柱
2025年10月5日


進化するAIとワインの学び Part.4
ChatGPTなどの生成AIが世界の在り方を変え始めてから、数年が経った。 初期の頃は、ハルシネーションと呼ばれる、事実に基づいていないが、もっともらしい誤情報を生成してしまう現象があまりにもひどく、本格的なリサーチにはまだ到底使えるような代物ではなかったのだが、進化著しい分野だけに、定点観測は行ってきた。 Part.4では、品種と価格帯指定をして、より広範囲のおすすめをChatGPT5に訊ねるという検証を行った。 指示 「ワインショップにおける小売価格3000円代で、おすすめのピノ・ノワールと生産地の組み合わせを教えてください。」

梁 世柱
2025年10月3日


SommeTimes’ Académie <110>(イタリア・ピエモンテ州: Part.3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第3回では、この地を代表するだけでなく、全イタリアの象徴的存在の一つであるBarolo(バローロ)に関して学んで行きます。 Barolo D.O.C.G.

梁 世柱
2025年10月1日


再会 <91> 最強シャンパーニュの大当たりボトル
Alain Robert, Le Mesnil Réserve 1988. (Magnum) 私はシャンパーニュが大好きだ。シャンパーニュの無い人生など、もはや考えられない程に。 確かに、世界的な気候変動や技術向上によって、一般的なレベルのシャンパーニュと比べた場合、遜色ないと言える品質のスパークリングワインは、世界各地で劇的に増えた。 しかし、頂点と呼べる品質領域においては、シャンパーニュが王者のまま、というのが私の見解である。 今回は、そんな頂点シャンパーニュの中でも、特に私が執着しているワインとの再会。 アラン・ロベール。

梁 世柱
2025年9月30日


お気に入り中華メニューは、なかなかのペアリング難敵
近所に最高に美味しく、ほどほどにカジュアルな本格中華料理店が増えたこともあって、私のご近所外食の中華比率がかなり増えている。 そして、最近のお気に入り中華メニューといえば、雲白肉(ウンパイロウ)だ。 四川料理の一つなのだが、どちらかというと本流はニンニクダレで仕上げたスアンニーパイロウという料理の方で、タレを辛味ダレに変えるとウンパイロウになるとのこと。 余談だが、白肉という言葉は、茹でた豚バラ肉を意味する。

梁 世柱
2025年9月30日


ロゼワイン世界一周 <1> フランス編:Part.1
長い間ワインプロフェッショナルとして活動してきたが、いまだに日本において叶うことが遠いと感じている夢がある。 ロゼワインの浸透だ。 日本は世界で最も成熟した市場の一つであることは間違いないのだが、ロゼワインという一点においては、明らかに後進国である。 本企画では、その現状を憂い、改めてロゼワインの偉大な魅力を、世界一周という形式で紹介していこう。 全てを網羅するのは難しいが、メジャーなロゼから、ある程度マイナーなロゼまで、幅広いヴァリエーションでお届けしていく。 第1回は、フランス編Part.1となる。 フランスは世界でも最大級のロゼ生産大国であり、その総生産量は全世界の30%強にも及ぶとされている。 特に南仏エリアを中心に、世界的に名高いロゼが造られているが、各地方で異なる品種、スタイルから極めて多様性に富んだロゼワインがフランス全土で生産されている。

梁 世柱
2025年9月28日


SommeTimes’ Académie <109>(イタリア・ピエモンテ州: Part.2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第2回では、多種多様な地品種が魅力的なピエモンテ州の銘醸ワインの中から、白葡萄主体の産地を整理しておきましょう。 ピエモンテ州は、ネッビオーロを中心とした赤ワインで名高いエリアではありますが、白ワインの中にも、イタリアを代表するクラスの産地があります。 なお、ピエモンテ州の白ワインに関しては、このまとめ情報でのみ記述いたします。 Cortese(コルテーゼ) ピエモンテ州の白葡萄の中でも最も知られているのは、Cortese di Gavi(

梁 世柱
2025年9月27日


出会い <90> ポルトガル=オレンジワインのホットゾーン
Espera, Espera Curtimenta 2022. ¥3,900 オレンジワインとは、つくづく興味の尽きないジャンルだと思う。 その理由は、「常識の破壊」にある。 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。我々が白ワインとして慣れ親しんだ葡萄が、オレンジワインとなった途端に、全く未知の姿を見せる。

梁 世柱
2025年9月25日
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