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Wine Memo <31>
Inglenook, Edizione Pennino Zinfandel 2019. ¥9,900 ジンファンデル はなかなか興味深い葡萄だ。 長らく 南イタリア・プーリア州のプリミティーヴォ種 と同品種という紹介が主流だったが、DNA解析によって、その源流が クロアチアのマイナー品種 である ツーリエンナーク・カーステラーンスキー (もしくは トリビドラーグ )にあると判明してからは、説明文に少々変化が起きた。 少々煩わしい。 ツーリエンナーク・カーステラーンスキーと言われても、名前も覚えにくく、味わいの想像もつかない。

梁 世柱
2024年12月21日


ワインを理解するテイスティング術 <2> 色調
テイスティング術シリーズの第二回は、 「色調」 について学んでいきます。 ワインの色調鑑定は、テイスティングにおいて必ず行うプロセスですが、 それほど確定的な情報を得られる段階では、実はありません 。 ではそのプロセスを、一つ一つ丁寧に開設していきましょう。 まずは、 「輝きと清澄度」 に関連した部分を検証します。 光沢のある色調 から、 濁った色調 まで、様々なヴァリエーションがあります。 濾過と清澄をしっかりと行えば、強い光沢が生じます。

梁 世柱
2024年12月20日


高級ビールを嗜む <3> リースリング・ビール
Gueuzerie Tilquin, Oude Riesling Tilquin a L'Ancienne. ¥4,800~ またまた随分と久々となる、高級ビールのレヴュー企画。 今回は、私が最も好きなタイプのビールである、 ランビック に関してお話ししていこう。 ランビックは ベルギービール の一種であり、 パヨッテンラント地域 (首都ブリュッセルの南西に位置)でのみ醸造される、非常に個性的なビールとなる。 一般的にビールの醸造には、培養酵母が使用されるが、ランビックは醸造所や周辺環境に棲む 野生酵母 の力で発酵させる。 ブリュッセルを縦断するゼンネの谷に自生すると言われているバクテリアや野生酵母は、通常の培養ビール酵母では分解できない デキストリン という多糖類まで分解するため、非常に辛口な仕上がりとなり、また乳酸を思わせるニュアンスも野生酵母によってはっきりと生じる。

梁 世柱
2024年12月16日


家庭用カジュアルペアリング術
SommeTimesでは、ペアリング基礎理論に基づいて、高度なペアリング術について言及することが多かったが、今回は 古典的な色合わせの法則 に、 プラスアルファの要素 を加えて、家庭やカジュアルなシチュエーションでは十分に有効となるアイデアを紹介していこう。 色合わせの法則 は非常に簡単で、 料理の中心となる色調に、ワインの色調をできるだけ近付ける という方法だ。

梁 世柱
2024年12月14日


SommeTimes’ Académie <74>(フランス・南ローヌ地方:Lirac & Rasteau)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・南ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 南ローヌ地方第4回は、 「Lirac」 と 「Rasteau」 を学んでいきます。 Lirac 葡萄品種規定:最低40%Grenache, 最低25% Syrah and/or Mourvèdre (以上3品

梁 世柱
2024年12月11日


再会 <74> もう一つの、シャネルのボルドー
Château Canon 2021. 前回の再会 <73>では、 シャネル が1994年に取得し、長期計画で改革を行なった シャトー・ローザン=セグラ を取り上げたが、シャネルがボルドーに所有する最高レベルのシャトーは、もう一つある。 ボルドー右岸 サン=テミリオン 地区の、 シャトー・カノン だ。 シャトー=カノンが辿ってきた道のりもまた、シャトー・ローザン=セグラと良く似ている。 シャトー=カノンはサン=テミリオン公式格付けにおいて、 グラン・クリュ・クラッセB に格付けされてきたが、その評価は決して安定したものではなかった。

梁 世柱
2024年12月9日


ワインを理解するテイスティング術 <1> 心構え
今回からStudyの新シリーズとして、 テイスティング について学んでいきます。 まずは大前提として、 「なぜテイスティングするのか」 をはっきりとさせておくと良いでしょう。 日々行うテイスティングは、 ワイン上手となるための「練習」 とも言えます。 そして、 「目的」 も無く、ただただ 惰性 で行う練習は、スポーツや楽器演奏などと同様に、 極めて非効率的かつ、効果の薄いもの となります。 消費者側のテイスティングには、大きく2通りの目的があります。

梁 世柱
2024年12月5日


当たり前、の丁度良さ
郷土料理と同じ地のワインをペアリング する。 クラシックな手法として知られるが、その 本質 とは何なのだろうか、と時々考える。 と言うのも、 美食的な観点から、究極のペアリングを追い求めると、郷土ペアリングが正解とは思えないことが、実際に多々ある からだ。 その主たる理由として、 郷土料理の進化、もしくは郷土ワインの変化 が挙げられる。 例えば、フランス・ブルゴーニュ地方の郷土料理として名高い エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョン は、シャブリとの相性が抜群だったが、現在のアルコール濃度が上昇し、フルーツの熟度が高まり、酸が少し緩くなったシャブリと優れた相性を維持できているか、と問われると大きな疑問が残る。

梁 世柱
2024年11月29日


SommeTimes’ Académie <73>(フランス・南ローヌ地方:Vacqueyras)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・南ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 南ローヌ地方第3回は、 「Vacqueyras」 を学んでいきます。

梁 世柱
2024年11月27日


再会 <73> シャネルのボルドー
Château Rauzan-Ségla 2021. ボルドーというワインが品質向上を果たすには、とにかく 時間とお金 がかかる。 相当な量で生産されているにも関わらず、価格が高い傾向にあるのは、 投資金の回収が大変だから という側面もかなり大きいのだ。 しかし、本腰を入れて、忍耐強く、優れたテロワールで品質改革を行えば、 「結果」 が付いてくる、というのもボルドーの面白いところだろうか。 過去に長らく低迷していたワインが大復活を果たした例も、実際に多くあるのだ。

梁 世柱
2024年11月25日


SommeTimes’ Académie <72>(フランス・南ローヌ地方:Gigondas)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・南ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 南ローヌ地方第2回は、 「Gigondas」 を学んでいきます。

梁 世柱
2024年11月13日


再会 <72> カジュアルフレンチの救世主
Domaine Cauhapé, Jurançon Sec “Quatre Temps” 2020. ¥3,500 高騰を続けるワインの世界に救いはあるのか。 新型コロナ禍直前に比べると、複合的な理由から、平均して1.3~1.5倍の高騰となってしまった中、 新たなカジュアルワインの発掘 は、日本のワイン市場にとって、死活問題となっている。 特に、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ボルドーだけでなく、アルザス、ロワール、ローヌ、ジュラなどの産地にも高騰の大波が押し寄せているフレンチワインは、(不思議なことに、超高価格帯だけは堅調だが)我々の日常から、急速に遠ざかろうとしている。

梁 世柱
2024年11月10日


Wine Memo <29>
Smallfry Wines, Gewurz Bomb 2022. ¥4,000 オレンジワイン は楽しい。 白ワインとして、長年にわたって練り上げられてきた、 「クラシックな佇まい」 とやらが、オレンジワインになった瞬間から、 様変わり するからだ。 白ワインの常識は、オレンジワインには通用しない 。 もしかしたら我々は、白葡萄の数だけ 「学び直し」 が求められている時代を生きているのかも知れないが、その分だけ楽しさが増えたと思えば、なんてことはないだろう。

梁 世柱
2024年11月3日


SommeTimes’ Académie <71>(フランス・南ローヌ地方:Châteauneuf-du-Pape)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・南ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 南ローヌ地方第1回は、 「Châteauneuf-du-Pape」 を学んでいきます。 Châteauneuf-du-Pape 南ローヌ地方を代表するアペラシオンであるChâteauneuf-du-Pape( 以降、

梁 世柱
2024年10月30日


再会 <71> シャブリの黄金時代
Alice et Olivier de Moor, Chablis l’humeur du temps 2022. ¥6,600 ワインを学び始めた頃、白ワインの「基本中の基本」として、 シャブリ を知った人は多いだろう。 シャープな酸 が持ち味の、 淡麗辛口型白ワインの典型 。 シャブリというワインをそう教わったはずだ。 しかし、近年の気候変動により、その 「シャブリらしさ」は随分と影を潜め始めている 。酸はまだなんとか高いレベルで維持できているが、 フルーツの性質が明らかに「淡麗」の域を超えてきている のだ。 近年では、 遅霜の被害による収量の激減 と、ブルゴーニュ全域を襲う 価格高騰 で、「安くて美味しいワインの代名詞」だったシャブリが、すっかり 非日常のワイン になってしまったことを嘆く声が多く聞かれる。 確かに、シャブリが昔のままの酒質で、価格だけが高騰したのであれば、その嘆きも仕方のないことと思うが、実際には少し様子が異なっていることに、一体どれだけの人が気付けているのだろうか。

梁 世柱
2024年10月28日


SommeTimes’ Académie <70>(フランス・北ローヌ地方:Condrieu)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・北ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 北ローヌ地方第4回は、 「Condrieu」 を学んでいきます。 Condrieu ヴィオニエ という品種における、絶対的な聖地と言える産地が北ローヌ地方の Condrieu です。

梁 世柱
2024年10月19日


SommeTimes’ Académie <69>(フランス・北ローヌ地方:Cornas)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・北ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 北ローヌ地方第3回は、 「Cornas」 を学んでいきます。 Cornas 標高120m地点にあるコルナスの街から、400mにまで上がる超急斜面を中心に葡萄畑が広がるエリアと、斜面上部のやや平坦な台地エリアに

梁 世柱
2024年10月2日


出会い <68> オリジナルのプライド
Ostal Levant, olé 2022. ¥4,100 ニューワールド諸国 でのワイン造りは、 大航海時代にヨーロッパから葡萄樹、葡萄栽培、ワイン醸造がセットになって持ち込まれた ことによって始まった。 ワインの歴史におけるこの常識は、 品質面においても大きな意味 がある。 当然、オリジナルであるオールドワールド諸国では、「一日の長」どころか、場合によっては 「数百年、数千年の長」 がある。 長い年月の中で 淘汰 が繰り返された結果としてその地に残った葡萄は、 テロワールとの親和性 が極めて高く、栽培、醸造の 「レシピ」 に関しても、高い精度で完成しているケースが圧倒的多数となるのだ。 しかし、ニューワールド諸国におけるワイン造りの歴史も数百年がすでに経過し、 あらゆる技術もグローバルなものとなった 今、オリジナルとの品質格差はどれほど縮まったのだろうか。

梁 世柱
2024年9月22日


SommeTimes’ Académie <68>(フランス・北ローヌ地方:Hermitage)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・北ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした北ローヌ地方、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした南ローヌ地方に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において両産地は大きく異なりますので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 北ローヌ地方第2回は、 「Hermitage」 を学んでいきます。 Hermitage Hermitage は、北ローヌの主要アペラシオンの中でも、より温暖な南部に位置しています。総面積 140ha...

梁 世柱
2024年9月17日


カプレーゼのヴァリエーション対応
近年すっかり日本でも市民権を得たイタリア料理の一つに、 カプレーゼ が挙げられるだろう。 正式名称は インサラータ・カプレーゼ 。 「カプリ島のサラダ」 という意味で、カンパーニャ州カプリ島のGrand Hotel Quisisanaが発祥の地とされている。 スライスした トマト 、水牛乳から造られるカンパーニャ州のフレッシュチーズ 「モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーニャ」 、 バジリコ をメインの食材とし、 塩、黒コショウ、オリーブオイル (カンパーニャ州産)で仕上げるのが、オリジナルのレシピだ。 トマト (赤) 、チーズ (白) 、バジリコ (緑) の組み合わせは、 イタリア国旗の配色と同じ であるため、ピッツァ・マルゲリータなど、イタリアではこの食材を組み合わせた料理が、とても大切にされている。 これは、日本で言うところの 「白米に梅干し」 と似たような感覚であり、日常的に食べるかは別として、国民の心象風景に深く刻まれているのだ。 さて、そんなカプレーゼも、 アレンジ・レシピ が盛んになっている。

梁 世柱
2024年9月13日
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