郷土料理と同じ地のワインをペアリングする。
クラシックな手法として知られるが、その本質とは何なのだろうか、と時々考える。
と言うのも、美食的な観点から、究極のペアリングを追い求めると、郷土ペアリングが正解とは思えないことが、実際に多々あるからだ。
その主たる理由として、郷土料理の進化、もしくは郷土ワインの変化が挙げられる。
例えば、フランス・ブルゴーニュ地方の郷土料理として名高いエスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョンは、シャブリとの相性が抜群だったが、現在のアルコール濃度が上昇し、フルーツの熟度が高まり、酸が少し緩くなったシャブリと優れた相性を維持できているか、と問われると大きな疑問が残る。