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銘酒・而今が示す、日本酒の新たな価値
三重県名張市にある 木屋正酒造 が醸す銘柄「 而今 」は、当代随一の人気銘柄として、極めて高い評価を得ている日本酒。 酒蔵の創業は1818年。造り酒屋であった「ほてい屋」を、木材屋を営んでいた初代大西庄八が譲り受け、「木屋正」と改めた。木屋正酒造は長らくの間「高砂」と「鷹一正宗」の二銘柄を醸造し、地元を中心に販売してきたが、徐々に業績が悪化し、廃業の危機も間近に迫っていた。 転機となったのは 2003年 。理系エリートとして大手メーカーで技術職についていた6代目蔵元の 大西唯克 氏が、家業を引き継ぐ決意を固め、蔵に戻ってきたのだ。そして大西唯克氏は、2年間先代の杜氏と仕事をした後の2005年、自らが 杜氏 となり、「而今」銘柄を立ち上げた。 今でこそ1200石(1石 = 一升瓶 x 100本)の規模にまで成長した而今だが、発足当時の生産量は僅か30石。搾りたての而今が入った酒瓶を片手に、酒屋に営業周りをする日々が続いた。 惰性で造っていた酒から、名張の地を表現したアルティザナルな酒へ 。 徹底的に妥協を許さない完璧主義者 。そのような印象を周囲に

梁 世柱
2022年1月21日


【実験】ワインの温度と実際の味わいの関連性
こんにちは、Restaurant Re:苅田です。 前回の【糖分・酸度】に関する実験スタイルの記事は非常にやりがいがあったので、今回は違った実験を行っていきたいと思います。 前回の記事参照 今回は【温度】について考えたいと思います。ワインをはじめとした、飲料の世界では常に新...

SommeTimes
2022年1月13日


全ピノ・ノワール・ファンの宝
情報が超速化した現代社会では、どんなショッキングな出来事も、あっという間に忘れ去られてしまう。国内では東日本大震災や一連の豪雨被害。海外のワイン関連なら、カリフォルニアで発生した2017年と2020年の大規模な山火事。多くの人がその出来事を忘れてしまっても、被災者の中には変...

梁 世柱
2021年12月14日


オーストラリアワインの多様性と可能性
Australian Food & Beverage Showcase Japan ブラインド・テイスティング オーストラリアは広い。 国土面積では世界6位。ヨーロッパがほぼすっぽりと入ってしまう大きさ。 だからオーストラリアのワインは多様だ。...

別府 岳則
2021年12月7日


偉大なる難曲の名を冠したワイナリー「ジャイアント・ステップス」
ジャイアント・ステップスとは、1960年に、ジャズ史上最高の天才と評されるサクソフォーン奏者ジョン・コルトレーンが発表したオリジナル曲であり、同名のアルバムでもある。ジャイアント・ステップスは、長3度という当時では非常に珍しかった転調を16小節の1コーラス間に10度も繰り返...

梁 世柱
2021年12月3日


南アの多様性と進化
1498年にヴァスコ・ダ・ガマが開拓したヨーロッパからインドへ至る新たな通商海路の要所が、南アフリカの西ケープ州に位置する喜望峰だった。やがて、大航海時代が始まり、オランダ東インド会社の南アフリカ現地法人代表であったヤン・ファン・リーベックがケープタウンに葡萄を植えたのが1655年。ヨーロッパからも、他の主要なニューワールドワイン産出国からも遠く離れた南アフリカは、ヨーロッパのワイン文化とニューワールドのワイン文化が絶妙に入り混じりながらも独自の発展と遂げた、興味深いワイン産地だ。 聡明な南アフリカワイン協会( WOSA )も、南アフリカ特有の多様性のアピールに余念が無い。そして、この国に宿った数多の個性は、確かに独自の声を発している。 今回は、「 南アフリカワイン ベンチマーク テイスティング 」と題された、ブラインドテイスティングプログラムの内容を、筆者のブラインドテイスティングによる感想と共にレポートする。 Flight 1 「Syrah vs Shiraz」 と題されたこのフライトには、南アフリカ特有のワイン文化が色濃く反映されている。S

梁 世柱
2021年10月29日


SDGsが問う、世界最大産地の「造る責任」
中央スペインのラ・マンチャD.Oは、原産地呼称が認められている単独の産地としては世界最大の範囲(四国を少し小さくした程度の面積)に広がり、D.Oで認定された葡萄畑の面積は157,000haを超えるという、圧倒的なスケールを誇っている。...

梁 世柱
2021年9月18日


未輸入NYワインから紐解く未開の可能性
日本国内未輸入ワインのテイスティングは、非常に多くの学びをもたらしてくれる。未輸入である理由や、輸入された際の市場の反応を予測すると、市場分析の学びとなり、市場開発の学びともなり、昨今のワイン市場においてもますます重要性を増す、販売者、伝え手たちの創造性を養うための学びにも...

梁 世柱
2021年8月29日


【実験】ワインの糖酸度と実際の味わいの関連性
今回はワインの糖分と酸度を計測してみようという話です。 ワインの一つのすばらしさとして、幅の広さがあります。 価格帯、国、品種、味わい、スタイルさえも。ここまで幅のある飲み物はないでしょう。 ソムリエや愛好家はそれを理解するために(机上はもちろん、たくさん飲んで)経験を積み...

SommeTimes
2021年5月21日


南アのピノ・ノワールは本当に注目に値するのか?
南アフリカ共和国。アフリカ大陸の最南端に位置し、アフリカ大陸各国の中でも、最もヨーロッパの影響が色濃い国の一つである。大航海時代の初期である15世紀末頃にはポルトガル人が喜望峰に到達。1655年に最初の葡萄園が開かれた南アは、ニューワールド産地の古参組でもある。日本において...

梁 世柱
2021年4月22日


選択 <循環の守り手として生きていく>
2021年に入ってしばらく経過したが、長野は12月中旬の初雪から継続して雪が降り、畑は2月の中旬を過ぎても雪に覆われていた。日本都市部、世界各国、かわらず新型コロナウイルスの影響で苦しい状態が続いているが、今年はどんな年になるのか、昨年の自然災害、地球気候危機に直面している...

ソン ユガン
2021年3月31日


Chianti Classicoのサブゾーンを解き明かす
イタリアが世界に誇る銘醸中の銘醸、キアンティ・クラッシコ。広大なゾーンが認められている通常のキアンティと異なり、限定された集中的なエリアであるキアンティ・クラッシコ(以下、クラッシコと表記)は、平均的品質、価格共に、広域キアンティやその他のキアンティに連なるサブエリア(Ru...

梁 世柱
2021年3月18日


無添加リースリングの真価
亜硫酸、俗に酸化防止剤とも呼ばれるこの物質は、超長距離輸送と長期保存が常識化した近代ワイン産業にとって、欠かすことのできないものとされている。 しかしいつの時代も、近代化と原点回帰は交互に繰り返されるものだ。近年の世界的な亜硫酸無添加ブームは、一歩間違えれば盲目的な思想を消...

梁 世柱
2020年12月2日


ポルトガル・プレミアムワイン
「世界でも最もコストパフォーマンスに優れた国の一つ」 これが、ポルトガルというワイン伝統国の、ワイン市場における現代の一般的評価だろう。 現代の、と付け足したのには理由がある。 ポルトガルと言えばポートワイン、というイメージからの脱却が、...

梁 世柱
2020年12月1日
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