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出会い <54> 最強のブルゴーニュ・キラー

Jürg, Spätburgunder G.G. “Sonnenberg KT” 2019. ¥7,800

 

2024年に入ってから、ブルゴーニュ関連のマスタークラスを立て続けに開講していることもあり、例年以上に深く彼の地と向き合う日々が続いている。

 

ソムリエ駆け出し時代から、マット・クレイマー著の「ブルゴーニュが分かる」や、クライヴ・コーツMW著の「The Wines of Burgundy」といったブルゴーニュ関連の名著は、擦り切れるほど読み込んだし、ブルゴーニュが飲める試飲会には積極的に足を運び、プライヴェートでもヘソクリを絞り出して、グランクリュに手を伸ばしてきた。

 

私の頭の中には、自分でも不思議に思うほど膨大なクリマ名や、そのワインの特徴に関するメモリーがアーカイヴされている。

 

私はそもそも、物忘れが極端に激しく、カレンダーに詳細に書き込んだスケジュールやSNSでの「名前と顔の照合」を頼りに、日々をなんとか重大なトラブルなく生きているようなタイプの人間なのだが、きっとそうなってしまったのは、限られたメモリー容量を、ワイン関連に全振りしてしまっているからだ、と信じたいところだ。

 

早速話が脱線してしまったが、世界中のワイン産地を網羅的にカヴァーするようになった今でも、ブルゴーニュやボルドー(その他イタリア、スペイン、ドイツ、オーストリアの銘醸地も)が私の中心部にあるのは変わらない。

 

だが、そもそもブルゴーニュを飲む機会自体が激減した。

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