かねてより非常にリクエストの多かった、日本ワインを題材としたペアリング記事の新シリーズをスタートいたします。
まずは、このシリーズをお読みいただくにあたって、ご理解いただきたいことがございますので、最初に述べさせていただきます。少々厳しい意見かも知れませんが、ご容赦くださいませ。
特定の地方や国の料理と、同じ地で生まれるワインの間には、切っても切り離せない関係性が生まれることがあります。これらのペアリングは「クラシックペアリング」と呼ばれることも多く、現代に至ってもペアリング理論の基礎を、部分的ではありますが(全てのクラシックペアリングが優れているわけではありません)、確かに担っています。
しかし、これらのクラシックペアリングは、必ず同じ条件の元に生じます。それは、その地のワインが、その地の食文化の中に、何百年もの間、深く根差し続けてきた、という条件です。
その何百年もの間で、地方の料理と地方のワインが同じテーブルに並び続けた結果として、相互が自然と寄り添うように変化し合い、クラシックペアリングが生まれます。
さて、ここで一つ、確かな疑問が生じます。
日本ワインは、日本の食文化に深く根差してきたのだろうか、と。
答えは、明白にNOです。