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Advanced Académie <42> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Chambolle-Musigny
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第14回は Chambolle-Musigny をテーマと致します。 Vosne-Romanée、Gevrey-Cha

梁 世柱
2024年9月10日


出会い <67> キャリアチェンジへの憧れ
Domaine Chahut et Prodiges, Les Gros Locaux 2022. ¥3,800 「いつか自分でもワインを造るのか。」 知人、顧客、生徒たちから頻繁に受ける質問だが、 答えはNo 。 自分でモノづくりをしてしまうと、ジャーナリスト、教育者としての 徹底した公平性を保てなくなる 。 それが建前だが、本音は少し異なる。 大阪市内で生まれ育ち、NYで学び、東京で働く私は、生粋のシティ・ボーイ(ボーイというほどの年齢でも無いが)で、運転免許すらも取得していない。 取材などで国内外の田舎に赴くことは多々あるし、 ゆったりと流れる時間の心地良さ は十分に理解しているが、それでも自分がそのような場所で生きていくイメージはどうにも沸かない。

梁 世柱
2024年9月8日


Wine Memo <28>
金井醸造場, Vino da Manriki+Tenjin 朝焼2020. 今から 約12年前 、私がまだNYにいた頃の話だが、当時は現在でいう 「オレンジワイン」 の解釈がまだまだ固まっていなかった。 オレンジワインという言葉自体は徐々に浸透してきていたものの、その時代においては、 ジョージアとゴリツィア周辺 (イタリアとスロヴェニアの国境地帯)のワインのみがオレンジワイン(もしくはアンバーワイン)とみなされていたし、 醸し発酵白ワイン (skin fermented white wine)という通称も現役だった。 さらにややこしかったのは、 グリ葡萄を使用したオレンジワイン 。 フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の銘醸、 La Castellada がリリースした Pinot Grigio (グリ系葡萄であるピノ・グリージオに、長期のマセレーションを施したワイン)は、NYのマーケットでも大きな衝撃と共に、流行に敏感なソムリエたちの話題を独占していたが、あくまでも同州の伝統的なワインである Ramato (偶発的にマセレーションが長期化した

梁 世柱
2024年9月6日


SommeTimes’ Académie <67>(フランス・北ローヌ地方:Côte-Rotie)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・北ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした 北ローヌ地方 、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした 南ローヌ地方 に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、 北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度 です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において 両産地は大きく異なります ので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 まずは、北ローヌ地方の重要産地から、ローヌ地方シリーズをスタート致します。 北ローヌ地方第1回は、 「Côte-Rôtie」 を学んでいきます。 Côte-Rôtie Côte-Rôtie

梁 世柱
2024年9月4日


欠陥的特徴の経過観察 <3>
ネズミ臭 というのは、実に厄介なものだ。 その発生には、法則性があるように見えて、実際には 不規則極まりない のだ。 オーストリア・シュタイヤーマルク州特集記事 でも触れたとおり、ワインに何かしらの 「感情」 が宿っている(正確には、ワインの中で生き続ける微生物たちの、集合本能的な「感情」)のでは、とすら思えるような出来事に、私は何度も遭遇している。 ネズミ臭が非常に強く顕現していたボトルが、場所や環境を変えればすっかりとおとなしくなったり、熟成させた後に沈静化したかと思えば、その真逆の現象も起きる。 その揺れ動きの理由を解明することに、私は強い探究心をもって検証を繰り返しているが、果たして答えはいつか出るのだろうか。 期間限定の新シリーズとなる「欠陥的特徴の経過観察」では、とあるナチュラルワインに生じた問題が、どれくらいの時間で「沈静化」(経験上、完全消失する可能性は低い)、もしくは変化するのかを、約2ヶ月おきに検証していく企画としてスタートしたが、前回の第二回検証時(2024年5月3日)に、 初回との大きな差が見受けられなかった...

梁 世柱
2024年9月2日


再会 <67> マニア向けの極上バローロ
Pio Cesare, Barolo “Mosconi” 2018. ¥23,000 ワインの探究と 固有名詞 の数々は、切っても切り離せない関係にある。 ワインでしか用いられない特殊な 専門用語 も多々ある上に、それらを理解していないとアドヴァンスな話には全くついていけなくなったりもする。 その最たる例と言えるのは、 葡萄畑名 だろうか。 世界中に無数に存在する葡萄畑名は、それ単体では、基本的に 「識別記号」 として機能している。 このことは、 人の名前 に当てはめてみるとわかりやすいかも知れない。

梁 世柱
2024年9月1日


特異点の完全性 <オーストリア・ヴァッハウ特集前編>
オーストリアで、 総合的に最も優れた産地 はどこか。 いくら捻くれた性格の私でも、その問いに対しては、一瞬のためらいもなく Wachau(ヴァッハウ) と答える。 テロワールの質と好適品種として根付いた葡萄の極まった相性、品質の最高地点と最低地点の平均値、逸脱して優れた造り手の数、オーガニック比率の高さ。 どれをとっても超一級 であり、白ワイン以外ほとんど造られていない、ということが弱点にすらならないほど、 ヴァッハウの特異性は限界突破 している。 それでも私は、 日常的にヴァッハウを飲むことはほとんどない 。 「不完全なものにこそ、人間性を感じる。」 という、私の「人」としての在り方が、ヴァッハウの 完全性 とは本質的に相容れないからだ。 ヴァッハウを飲む、という行為は、私にとっては美術館で人類史に残るほど優れたアートを鑑賞するに等しく、実に 非日常的な行動 である。 同じような理由が、ブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュ、モーゼル、ラインガウなどにも当てはまるように思われるかも知れないが、そうではない。

梁 世柱
2024年8月30日


Advanced Académie <41> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Gevrey-Chambertin
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第13回は Gevrey-Chambertin をテーマと致します。 Vosne-Romanée、Chambolle-

梁 世柱
2024年8月28日


出会い <66> 聖地のニュースター
Daniel Jaunegg, Sauvignon Blanc “Muri” 2021. 近年の日本における学校教育の実態を聞いて、私は開いた口が塞がらなくなった。 どうやら子供達に、 徹底的に「競争」を避けさせている 学校が数多くあるらしいのだ。 勝者と敗者を同時に生む競争の弊害 に関しては、理解できる部分ももちろんある。しかし、運動会の徒競走で順位を決めないなどは、正直あまりにも極端に思えてならない。 切磋琢磨 、という言葉はもはや死語なのだろうか。 そういう私自身も、旧時代の遺物として揶揄されることになるのかも知れないが、私は 純然たる事実 をここに書き記そう。 今の私は、絶え間ない競争の果てに在る 、と。

梁 世柱
2024年8月25日


SommeTimes’ Académie <66>(フランス・ロワール地方:Anjou & Saumur地区)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第6回は、 「Anjou & Saumur地区」 からカベルネ・フランの主要産地を学んでいきます。 ボルドーよりも寒いロワールの地に、なぜカベルネ・フランが根付いたのかは、明確になっていない部分が多く残されています。可能性として挙げられるのは、カベルネ・フラン特有の 寒気耐性の高さ ですが、温暖化の影響が顕著になる前まで、ロワール渓谷で栽培されたカベルネ・フランの潜在アルコール濃度は、10~11%程度の熟度だったとされています。このことからも、ロワール渓谷におけるかつてのカベルネ・フランは、相当程度 「補糖」とのセット で成立していたことも見えてきます。 フルボディのワインが強く求められた時代背景

梁 世柱
2024年8月23日


冷やし中華は夏ワインの友
夏の風物詩、というほど大袈裟なものでも無いかも知れないが、下町育ちの私にとって、 「冷やし中華はじめました」 と大きく書かれたのぼり旗は、暑さと虫が苦手で、夏には出不精が大加速する私を、昼間から屋外に引きずり出すのに十分な程度には、魅力的だ。 氷水でタイトな食感を得た中華麺の上で、ふわふわの錦糸卵、薄切りにしたハム、爽やかなトマトと胡瓜が踊り、酢の効いたタレが完璧な五重奏を指揮する。 絶妙にさっぱりとした食後感と、「野菜も摂れる」という言い訳で、ついつい炭水化物を大量摂取する罪悪感が消し飛んでしまうのが難点だが。 そんな 冷やし中華 が、 夏に飲みたくなるようなワインと抜群の相性を誇る ことは、あまり知られていないかも知れない。 夏といえば、 泡、白、ロゼでシャープな酸の効いたワインを、しっかりと冷やして楽しむのが定番 。

梁 世柱
2024年8月22日


「フェミニン」はNG
多様性を尊重 する、というのは 実に厄介なもの だ。 世界の集合意識 を無視し続けると、気付いた時には自分が、 今の時代にとって大切な価値観 から、どんどん ズレて いってしまう。 そして、その ズレ を「強いものイジメ」の現代社会は、どうやら決して許さないようだ。 政治家や著名人が、「ズレ」た失言をしてしまい、懸命に築き上げてきたキャリアを棒にふることすら、もはや珍しいことではなくなった。 この現象は、我々ワインに生きるものたちにとっても、決して対岸の火事ではない。 ワインの味わいや性質を表現する際に、 慣習的に用いられてきた言葉 の中には、 すでにズレてしまっているものが少なからず存在している からだ。

梁 世柱
2024年8月20日


再会 <66> 北海道生まれ、最高のVin de Soif
Domaine Ichi, op.10 Petillant Naturel Rosé 2023. Vin de Soif(ヴァン・ド・ソワフ) という言葉に明確な定義があるわけでないが、一般的には、 フレッシュかつフルーティーで、アルコール濃度が低く、極めてドリンカビリティに長けたワイン のことを指す。 ワンフレーズで言い表すなら、 「超グビグビ系ワイン」 、といったところだろうか。 グビグビ、はサラサラでもスルスルでもゴクゴクでも構わない。どちらにしても、似たようなものだ。 この言葉自体がナチュラルワインを示唆しているわけでもない のだが、 低亜硫酸醸造の方が、Vin de Soifらしい性質を遥かに実現しやすい というのもあり、 実際にはナチュラルと呼べるカテゴリー内に入っていることが非常に多い 。 そんなVin de Soifは、私にとって極めて重要な役割をもったワインである。

梁 世柱
2024年8月18日


PIWI品種とナチュラルワイン <オーストリア・シュタイヤーマルク特集:Part.3>
気候変動とナチュラルワインは、すこぶる相性が悪い。 低介入醸造を可能とする葡萄の必須条件 はいくつかあるが、その最たるものは、 低いpH値 (単純化すると、高い酸度)と、 高いポリフェノール類の熟度 だ。 気候変動の一部である 温暖化 は、糖度の上昇を大幅に加速させるため、低介入醸造を 重要視する 造り手たちは、 アルコール濃度の抑制と低pH値のために、早摘みを余儀なくされる 。 しかし、 過度の早摘みは未熟なポリフェノールともダイレクトに繋がる ため、 結局問題が起こる 。 この 堂々巡り を回避するために、栽培品種が今の気候に適しているかどうかも含めた 畑仕事の根本的な見直し や、糖度上昇の加速によって 劇的に狭まった「適熟」のスイートスポットを、決して逃さないように収穫 することが、かつてないほど重要になっているが、当然それも、簡単なことではない。 特に収穫タイミングに関しては、超速で飛ぶジェット機を、連写機能を一切使わずに写真に収めるようなものだ。 栽培に関しては他にも、オーガニックという大きなカテゴリーの生産者に

梁 世柱
2024年8月16日


Advanced Académie <40> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Vosne-Romanée
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第12回は Vosne-Romanée をテーマと致します。 世界で最も高価なピノ・ノワールの産地であるVosne-R

梁 世柱
2024年8月14日


出会い <65> 新世代のスタイリッシュなナチュラルワイン
Peltier Ravineau, les Bois brûlés 2023. ¥3,800 世代が変わればワインの味も変わる 、というのは、ワインの世界では延々と繰り返されてきたことだ。 基本的には、だいたい 10年単位で一世代 と括ることができるので、私がワインを学び始めてから20年ちょっとの間に、その前の世代とさらに前の世代を遡って体験したことを踏まえれば、少なくとも四世代分、様々な産地の変化を見届けてきたことになる。 もはや多少の変化では驚きすらしなくなってきたことには、少々の寂しさと物足りなさを覚えもするが、それは仕方のないことだろう。 近年の世代交代で見られてきた変化の全体感 を捉えると、 オーガニック化 と、 テロワール重視への大幅な醸造技術のシフト という二つの傾向が真っ先に挙がる。 そしてその変化は、クラシック、ナチュラル関係なく、あらゆるジャンルのワインに及んでいる。

梁 世柱
2024年8月11日


煮物とワイン
日本料理とワイン の間に、およそ「伝統」と呼べるような関係性は まだ構築されていない し、日本料理と日本ワインの組み合わせが、他国のワインを使った時よりも優れているとも到底思えない。 クラシック・ペアリング とは、同じ地域の料理とワインが、非常に長い年月 「同じ食卓」 にあり続けた結果である。そして、その成り立ちも完全に恣意的なものではなく、潜在的集合意識が長期間にわたって働き続けたことによる偶発性が高いものだ。 つまり、極限まで噛み砕いて表現するのであれば、 「なんとなく」が積み重なり続けた結果 とも言える。 しかし、日本料理とワインのペアリング自体は 基礎理論をしっかりと駆使すれば十分に対応可能 だ。

梁 世柱
2024年8月11日


Wine Memo <27>
Laurent Bannwarth, Riesling Bildstoeckle 2019. ソムリエとしての修行を始めて間もない頃。今から20年ほど前の話だ。 私は順当に、“当時は”ワイン界の中心にいた フランスの銘醸地 、つまりブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュから学び始めていたが、ワインの教科書を読み進めるうちに、とある産地に強く興味をもった。 フランスの アルザス地方 だ。 理由は大したものではない。 フランスなのにドイツ語が飛び交う だとか、 度重なる戦争でフランス領とドイツ領を行き来した とか、 ワインのボトルがドイツと同じ細長いタイプ だとか。 その 背景にある悲惨な歴史と理不尽に奪われた命 には興味をもたず、ただただ アルザスの特異性という結果 だけが私を惹きつけた。

梁 世柱
2024年8月9日


SommeTimes’ Académie <65>(フランス・ロワール地方:Anjou & Saumur地区)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第5回は、シュナン・ブランの銘醸地として知られる 「Anjou & Saumur地区」 と致します。 また、前回のTouraine地方と合わせて、両地区はカベルネ・フランの銘醸地でもあります。カベルネ・フランを主体としたAOPに関しては、両地区を合わせて、第6回で解説いたします。 Savennières Anjou地区の中でも、辛口タイプのワインを産出する小アペラシオンとして、圧倒的に良く知られているのが、北西部に位置する Savennières (サヴニエール)です。 1970年代後半には、僅か46haにまで栽培面積が落ちていた Savennières ですが、その安定した高品質が認められ、

梁 世柱
2024年8月7日


再会 <65> 大ピンチを救ってくれた、思い出のワイン
La Biancara (Angiolono Maule), Sassaia 2022. ¥3,700 約12年前の年末、私は 大ピンチ に陥っていた。 当時NYのワイン業界では無名に等しかった私を、なぜか新プロジェクトのワインディレクターとしてヘッドハントした、今は亡き大恩師でもあるシェフ、 デイヴィッド・ブーレー は、紛れもない 天才中の天才 だったが、いわゆる 「サイコ」 としても知られていた。 無理難題を突如押し付けてくるのは日常茶飯事 、その荒波をなんとか乗り切りながらの仕事は、今思えば刺激的で充実したものだった。 ところが、年末が近づいてきたある日、ブーレーは私に 「Mission Impossible」 と思えるような 超難題 を放り投げてきた。 当時働いてレストランは、フレンチの要素を取り入れた 高級和食店 。 そして、和食店の年末年始といえば、 おせち料理にも関連した難食材や料理 が多く出てくる。 普段なら、そういう料理に対するペアリングは日本酒でかわしてしたのだが、ブーレーは、 「子持ち昆布のお浸し

梁 世柱
2024年8月4日
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