Masseria Frattasi, Capri Rosso 2021. 現地価格:約19,000円
過去10年間ほどを遡って、ワイン市場のトレンドを探ってみると、一つの興味深いジャンルが浮かび上がってくる。
島ワイン、だ。
栽培面積、生産量を鑑みると、特定の島ワインがトレンドになっていると言えるほどの流通量は無いため、ヨーロッパ各地の様々な島ワインを統合した、一つのジャンルとして捉えた方が実態に即しているだろうか。
ただし、このトレンドのきっかけとなったのが、イタリアのシチリア島であることは間違いない。
エトナ火山のネレッロ・マスカレーゼ(黒葡萄)とカッリカンテ(白葡萄)、ヴィットーリアを中心としたエリアのネロ・ダヴォラとフラッパート(共に黒葡萄)、そしてその量品種をブレンドしたDOCGであるCerasuolo di Vittoriaは、島ワインというマニアックなジャンルを、メインストリームに押し上げるに十分なほど、高次元で個性と品質が両立されたワインだった。
シチリア島産ワインの躍動によって、ワイン市場の最先端にいる人々の関心が、強烈に「その他の島ワイン発掘」へと向かうこととなった。