再会 <5> 貴族的ワインに宿った永遠の価値

San Giusto a Rentennano, Chianti Classico “Riserva le Baroncole” 2017. ¥5,600


イタリア・トスカーナ州のキアンティは、世界で最も名の知れた赤ワインの一つ。主要品種であるサンジョヴェーゼも、イタリア屈指の高貴品種です。


それなのに、キアンティには非常に安価なワインがたくさんあります。理由はシンプル。大量生産されているからです。キアンティ全体の平均的な生産量は年産1億本前後となっています。実はキアンティを名乗ることができるエリアは、異常なほど広く、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノやヴィノ・ノーヴィレ・ディ・モンテプルチャーノといったトスカーナ州にある他の銘醸地すらもその範囲内に入ってしまっています。「他者の名声にあやかる」というイタリア人の悪い癖が最大限に発揮されてしまっているのはとても残念ですが、相対的にその価値が高まったエリアがあります。


キアンティ・クラシコのエリアです。


第6代トスカーナ大公「コジモ三世・デ・メディチ」が1716年に定めたワイン産地の境界線は、ワインの歴史上初めての原産地呼称制度となりましたが、その当時にキアンティと呼ばれたエリアの大部分が、現在のキアンティ・クラシコとして残っています


クラシコは広大なキアンティの中心部にある限られたエリアとはいえ、総面積は7,000haを超えているため、決して小さな産地ではありません。しかし、驚くべきはクラシコにおける平均レベルの圧倒的な高さです。広域キアンティは、正直なところ、凡作と駄作の掃き溜めの中に僅かな宝石が眠っている、という感じですが、クラシコは宝石揃いです。それでいて、広域キアンティの安価に足を引っ張られ、クラシコの価格は控えめなまま。品質的にはものすごい格差が両者間にはありますので、クラシコは多くのワインファンにとって、リーズナブルに高品質なワインを楽しめる、楽園のような場所なのです。

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