再会 <103> 敬愛の対象
- 4月21日
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更新日:4月22日
Grace Wine, Cuvée Misawa 2021.
日本の地で、カベルネを用いて赤ワインを造る。
その事実だけを聞けば、ワイン愛好家の中には、すぐに地図を頭の中で折り畳み、別の地図を広げる人々も多いだろう。
ボルドーである。
より正確に言えば、「ボルドーのようなもの」を期待する。
香り、骨格、熟成の気配、優美な古典の舞い。
その期待は理解できる。
世界のワインが長きにわたり、ボルドーという巨大な文法のもとで夢を見てきたことは否定できない。多くの産地にとって、それは憧れであり、規範であり、ときに呪いでもあった。
だが、本物のボルドーがこの世界に変わらず君臨している以上、他の土地がその複写を目指すことには、どこか根本的な空虚感がある。


