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再会 <9> ブティック・ワイナリーという選択肢

Villard Fine Wines, Sauvignon Blanc “Expression Reserve” 2019.


海外に出ると、本来の目的とは別の取材を、スケジュールの隙間に入れ込むことが多い。建前としては、メイン取材に深みを与えるため、としているが、実際には、自分が興味をもっているテーマに沿って、訪問するワイナリーを選んでいることの方が多い。


少なくとも、私は。


チリを訪問したとき、メインの取材先は例外なく、いわゆる有名ワイナリーだったため、サイド取材としてアポイントを取ったのは、そういったワイナリーとは真逆の、小さな小さなワイナリーにした。


チリは南北に長大に広がる国。生産量ランキングでいうと、近年はアルゼンチン、オーストラリア、南アフリカと5~8位の間を争っている。

(1~3位はフランス、イタリア、スペインの争い、4位はアメリカがほぼ不動、一時期大躍進していた中国は低下傾向。余談だが、食用葡萄も含まれる栽培面積ランキングは、ワインにとっては無意味だ。)


参考までに日本の数字を出してみよう。2020年度の「日本ワイン」の生産量は

16万hL、でワイナリーの総数は2020年時点では369件だった。


チリの平均的な生産量は年間約1200万hLで、ワイナリーの数は800ほど。


この数字から見てもわかるように、チリにあるワイナリーの多くは、とにかく巨大なのだ。

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