Steintal, Spätburgunder Schlossberg G.G. 2021.
冷涼気候の中でも、特別に日当たりの良い区画だけが生み出せる、エレガンスの極地。
そして、ピノ・ノワールという品種において、その魔力が最大化されるのは、ブルゴーニュのグラン・クリュをおいて他に無かった。
過去形、なのは正しい。
もちろん、今でもブルゴーニュのグラン・クリュが特別な存在であることは変わらないのだが、酷暑と旱魃のヴィンテージが気候変動によって劇的に増えた現代では、エレガンスの最大化という一点において、疑問を抱かざるを得ないワインとなることも多い。
常軌を逸した高価格だけが、今のブルゴーニュの問題では無いのだ。
私自身、かつては遥かに手頃な価格と高い確率で出会うことができた「ブルゴーニュの魔法」を諦めきれず、ブルゴーニュ・オルタナティヴの探求に心血を注いできた。
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