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葡萄品種から探るペアリング術 <1> シャルドネ

これまでペアリング研究室では、ペアリング理論の基礎をカヴァーし、その応用や実践、肉や魚といった特定の食材グループへの対応方法、そしてノンアルコールペアリングについて学んで来ましたが、ペアリングの新たなシリーズとして「葡萄品種から探るペアリング術」というシリーズを開始致します。第一回はシャルドネをテーマと致します。また新シリーズの第一回目の本記事は、無料公開と致します。


このシリーズに共通する重要事項として、葡萄品種から探った場合、理論的なバックアップが不完全となることが多くあります。カジュアルなペアリングの場合は、十分な効果を発揮しますが、よりプロフェッショナルな状況でこの手法を用いる場合は、ペアリング基礎理論も同時に参照しながら、正確なペアリングを組み上げてください。


シャルドネの特徴

没個性こそがシャルドネの個性」とも言われるほど、実はシャルドネという葡萄そのものは、個性に乏しい品種です。しかし、テロワールや醸造方法に極めて敏感に反応する性質があるため、幅広い理解と経験を必要としてくる品種でもあります。


シャルドネは、二つの気候的条件(テロワール)と二つの醸造的条件によって、合計4種類のスタイルに分けることができます。やや大雑把な分け方ではありますが、ペアリングで考慮していく要素としては、十分に機能します。


1. 冷涼気候・樽無

2. 冷涼気候・樽有

3. 温暖気候・樽無

4. 温暖気候・樽有


がその4種類のスタイルとなります。MLF発酵の有無、バトナージュの有無といった要素も一応関連はしてきますが、気候と樽に比べると、遥かに優先度が落ちますので、慣れないうちは無視してしまってかまいません。

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