ペアリングを学ぶ上で、クラシックペアリングやローカルペアリングと呼ばれるものの真髄を知るには、イタリアは避けては通れない国だ。
イタリアという国に来ると、郷土料理と郷土ワインが、驚異的な完成度のペアリングとなっているケースが非常に多いことに、とにかく驚かされる。
その「結びつき」の強さは、筆者が経験した範囲では、フランス、スペイン、ドイツ、オーストリアやギリシャよりも強く、おそらく世界一とすら考えられる。
20の州があるイタリアは、20の異なる小国家の集合体とも言われるほど、各地域の文化的独立性が強く(イタリア人いわく、方言もかなり強烈とのこと)、その影響は食文化の細部にまで及んでいるのだ。
そして、さらに驚くべきは、その結びつきが、料理とワインという枠を超えて、食材とワインにまで及んでいることだ。