日本ワインペアリング <3> ブラック・クイーン

本シリーズの第一回で書いた通り、文化としてワインが根付いていない日本では、地の食である日本料理と、日本で造られたワインの間に、特別な関係性は極めて生じにくいと言えます。


ペアリングの真髄にとって重要なのは、冷静さであり、素直さです。


本シリーズの第三回となる今回は、日本発祥のハイブリッド品種である「ブラック・クイーン」を題材にして、ペアリングの可能性を検証していきます。


ブラック・クイーンは、より有名なマスカット・ベイリーAと同様に、川上善兵衛氏によって、アメリカ系葡萄品種のベイリー、そして、イギリスの食用ハイブリッド品種であるゴールデン・クイーンの交配品種として、1927年に開発されました。


親であるゴールデン・クイーン自体も、ヨーロッパ系ヴィニフェラ種とハイブリッド系品種の交配葡萄であることから、ブラック・クイーンに残った(一般的にワイン醸造に向いているとされる)ヴィニフェラ種の遺伝子割合は、かなり少ないことがわかります。


そして、この遺伝的特徴は、ワインにも確かに現れてきます。




さて、ワインになった時の、一般的なブラック・クイーンの特徴を分析していきましょう。

酸味:High

果実味:Med -

渋味:Med-

アルコール濃度:Low ~ Med +

余韻:Very Short

アロマ:未熟なブラックラズベリー

その他:非常に鋭角な酸。酸を抑えるために極端な遅摘みにしたり、過剰に樽を効かせることも。


となります。


ブラック・クイーンの特性として、ペアリングの観点から特に注視すべきなのは、それほど強くない果実味と、強烈過ぎるほどの酸が、かなり極端な構成要素として共存している点です。

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