top of page
検索


再会 <68> 大人のナチュール
L’Anglore, Tavel 2022. ¥8,500 造り手の変化は、「進化」として常に好意的に受けとめられるわけではない。 より良いワイン造りと誰よりも真摯に向き合っているのは、造り手自身に他ならない のだから、彼らの情熱が、時に 理不尽な理由で拒絶される 時、どうにも居た堪れない想いが込み上げてくる一方で、私自身にも確かに「覚え」がある。 私がこのテーマに関して考えるとき、二者の造り手が真っ先に頭に浮かぶ。 一つはシャンパーニュ地方の ジャック・セロス 。 かつては私も、必死になって探し求めていたシャンパーニュだったが、リューディ・シリーズをリリースし始めた頃から始まった、極端とも言えるような酸化的な味わいに、理解が全く追いつかなかくなった。

梁 世柱
2024年9月15日


Advanced Académie <42> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Chambolle-Musigny
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第14回は Chambolle-Musigny をテーマと致します。 Vosne-Romanée、Gevrey-Cha

梁 世柱
2024年9月10日


出会い <67> キャリアチェンジへの憧れ
Domaine Chahut et Prodiges, Les Gros Locaux 2022. ¥3,800 「いつか自分でもワインを造るのか。」 知人、顧客、生徒たちから頻繁に受ける質問だが、 答えはNo 。 自分でモノづくりをしてしまうと、ジャーナリスト、教育者としての 徹底した公平性を保てなくなる 。 それが建前だが、本音は少し異なる。 大阪市内で生まれ育ち、NYで学び、東京で働く私は、生粋のシティ・ボーイ(ボーイというほどの年齢でも無いが)で、運転免許すらも取得していない。 取材などで国内外の田舎に赴くことは多々あるし、 ゆったりと流れる時間の心地良さ は十分に理解しているが、それでも自分がそのような場所で生きていくイメージはどうにも沸かない。

梁 世柱
2024年9月8日


SommeTimes’ Académie <67>(フランス・北ローヌ地方:Côte-Rotie)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・北ローヌ地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、かねてから評価の高かったローヌ地方のワインも、一部のワインは非現実的な価格となりつつあります。 ローヌ地方は、黒葡萄のシラー、白葡萄のヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌを主体とした 北ローヌ地方 、黒葡萄のグルナッシュ、ムールヴェドルを主体とした 南ローヌ地方 に分かれます。 ローヌ地方全体で見ると、 北ローヌ地方の生産量は僅か5%程度 です。 気候、テロワール、栽培品種、生産量など、様々な面において 両産地は大きく異なります ので、混同しないように、各々の特徴をしっかりと把握しておきましょう。 まずは、北ローヌ地方の重要産地から、ローヌ地方シリーズをスタート致します。 北ローヌ地方第1回は、 「Côte-Rôtie」 を学んでいきます。 Côte-Rôtie Côte-Rôtie

梁 世柱
2024年9月4日


Advanced Académie <41> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Gevrey-Chambertin
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第13回は Gevrey-Chambertin をテーマと致します。 Vosne-Romanée、Chambolle-

梁 世柱
2024年8月28日


SommeTimes’ Académie <66>(フランス・ロワール地方:Anjou & Saumur地区)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第6回は、 「Anjou & Saumur地区」 からカベルネ・フランの主要産地を学んでいきます。 ボルドーよりも寒いロワールの地に、なぜカベルネ・フランが根付いたのかは、明確になっていない部分が多く残されています。可能性として挙げられるのは、カベルネ・フラン特有の 寒気耐性の高さ ですが、温暖化の影響が顕著になる前まで、ロワール渓谷で栽培されたカベルネ・フランの潜在アルコール濃度は、10~11%程度の熟度だったとされています。このことからも、ロワール渓谷におけるかつてのカベルネ・フランは、相当程度 「補糖」とのセット で成立していたことも見えてきます。 フルボディのワインが強く求められた時代背景

梁 世柱
2024年8月23日


Advanced Académie <40> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Vosne-Romanée
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第12回は Vosne-Romanée をテーマと致します。 世界で最も高価なピノ・ノワールの産地であるVosne-R

梁 世柱
2024年8月14日


出会い <65> 新世代のスタイリッシュなナチュラルワイン
Peltier Ravineau, les Bois brûlés 2023. ¥3,800 世代が変わればワインの味も変わる 、というのは、ワインの世界では延々と繰り返されてきたことだ。 基本的には、だいたい 10年単位で一世代 と括ることができるので、私がワインを学び始めてから20年ちょっとの間に、その前の世代とさらに前の世代を遡って体験したことを踏まえれば、少なくとも四世代分、様々な産地の変化を見届けてきたことになる。 もはや多少の変化では驚きすらしなくなってきたことには、少々の寂しさと物足りなさを覚えもするが、それは仕方のないことだろう。 近年の世代交代で見られてきた変化の全体感 を捉えると、 オーガニック化 と、 テロワール重視への大幅な醸造技術のシフト という二つの傾向が真っ先に挙がる。 そしてその変化は、クラシック、ナチュラル関係なく、あらゆるジャンルのワインに及んでいる。

梁 世柱
2024年8月11日


Wine Memo <27>
Laurent Bannwarth, Riesling Bildstoeckle 2019. ソムリエとしての修行を始めて間もない頃。今から20年ほど前の話だ。 私は順当に、“当時は”ワイン界の中心にいた フランスの銘醸地 、つまりブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュから学び始めていたが、ワインの教科書を読み進めるうちに、とある産地に強く興味をもった。 フランスの アルザス地方 だ。 理由は大したものではない。 フランスなのにドイツ語が飛び交う だとか、 度重なる戦争でフランス領とドイツ領を行き来した とか、 ワインのボトルがドイツと同じ細長いタイプ だとか。 その 背景にある悲惨な歴史と理不尽に奪われた命 には興味をもたず、ただただ アルザスの特異性という結果 だけが私を惹きつけた。

梁 世柱
2024年8月9日


SommeTimes’ Académie <65>(フランス・ロワール地方:Anjou & Saumur地区)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第5回は、シュナン・ブランの銘醸地として知られる 「Anjou & Saumur地区」 と致します。 また、前回のTouraine地方と合わせて、両地区はカベルネ・フランの銘醸地でもあります。カベルネ・フランを主体としたAOPに関しては、両地区を合わせて、第6回で解説いたします。 Savennières Anjou地区の中でも、辛口タイプのワインを産出する小アペラシオンとして、圧倒的に良く知られているのが、北西部に位置する Savennières (サヴニエール)です。 1970年代後半には、僅か46haにまで栽培面積が落ちていた Savennières ですが、その安定した高品質が認められ、

梁 世柱
2024年8月7日


Advanced Académie <39> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Saint-Aubin
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第11回は Saint-Aubin をテーマと致します。 Puligny-MontrachetとChassagne-M

梁 世柱
2024年8月2日


SommeTimes’ Académie <64>(フランス・ロワール地方:Touraine地区)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第4回は、シュナン・ブランの銘醸地として知られる 「Touraine地区」 と致します。 シュナン・ブラン この品種の歴史を紐解くと、最古の記述は 1496年 にまで遡ることができます。 トマ・ボヒエ なる貴族が、ロワール渓谷の古城群でも際立って名高い シャノンソー城周辺 に葡萄畑を開墾し、アンジュから葡萄を持ち込んだとの記録があり、この 「アンジュの葡萄」 は、シュナン・ブランであったと確実視されているため、少なくとも1496年以前から、ロワール渓谷にシュナン・ブランが根付いていたことが確認できます。

梁 世柱
2024年7月11日


Advanced Académie <38> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Beaune
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第10回は Beaune をテーマと致します。 Louis Jadot、Bouchard、Joseph...

梁 世柱
2024年7月4日


SommeTimes’ Académie <63>(フランス・ロワール地方:Centre Nivernais地区:後編)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第3回は、ソーヴィニヨン・ブランの殿堂として知られる 「Centre Nivernais地区:後編」 と致します。 今回は、Centre Nivernais地区の SancerreとPouilly-Fum é(以降PFと表記)に関して、より深く学んで行きます。 全体像 『サンセールは春のようで、プイィ=フュメは夏のようだ。』 故キット・スティーヴンスMWは、SancerreとPFの違いをこう詩的に表現しました。

梁 世柱
2024年6月27日


Advanced Académie <37> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Pommard
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、 Advanced Académie の本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第9回は Pommard をテーマと致します。 完全に赤ワインを専門としたアペラシオンでもあり、その豊かな色調、逞

梁 世柱
2024年6月19日


出会い <62> ティピシテを超えたブルゴーニュの偉大さ
Pierre-Henri Rougeot, Saint-Romain 2020. ¥9,300 気候変動、温暖化によって、 伝統産地のワインが様変わりしつつある ことは、SommeTimesでも度々取り上げてきた。いや、問題視してきた、と言って良いだろう。 単純な味わいの変化 、という意味であれば、 時代の嗜好 によって、(特に1980年代以降は)これまでも 10年単位で変化し続けてきた ので、いまさら騒ぐようなことでもないのだが、 今起こっている変化は人為的なものではなく、自然環境自体の変化がもたらしたもの 、という点に大きな懸念がある。 つまり、 テロワール とダイレクトに繋がった ティピシテ (簡単に説明すると、 「らしさ」 となる。)が変わってしまっているということだ。 ワイン趣味が深まるほど、我々の多くはワインに「らしさ」を求めるものだ。 それが伝統産地の、比較的クラシックな表現のワインであれば尚更のこと。

梁 世柱
2024年6月17日


SommeTimes’ Académie <62>(フランス・ロワール地方:Centre Nivernais地区:前編)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第2回は、ソーヴィニヨン・ブランの殿堂として知られる 「Centre Nivernais地区:前編」 と致します。 Centre Nivernais地区 19世紀初頭 まで、現在ではソーヴィニヨン・ブランの産地となっている Sancerre は、 赤ワイン の生産が大半を占めていました。後に白葡萄である シャスラ に大幅に取って代わられましたが、それも19世紀後半の フィロキセラ禍で壊滅 しました。 ソーヴィニヨン・ブランの栽培が本格的に始まったのはフィロキセラ 禍 以降ですが、1930年代中頃まで、 Sancerreのワイナリーは シャンパーニュにバルクワインを送り届ける ことで生計を立

梁 世柱
2024年6月14日


SommeTimes’ Académie <61>(フランス・ロワール地方:Pays Nantais地区)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は フランス・ロワール地方 について学んでいきます。 フランスの銘醸地産ワインが高騰するなか、日常に寄り添うフランチ・ワインの産地として、ロワール地方の価値は一層高まっています。 ロワール地方シリーズ第1回は、一連のMuscadet系ワインで知られる 「Pays Nantais 地区」 と致します。 Melon de Bourgogne Muscadet系アペラシオンの主要品種は ムロン・ド・ブルゴーニュ(ムロン) 、通称ではワイン名と同様にミュスカデと呼ばれます。 公式名にブルゴーニュとつく通り、原産地はブルゴーニュと考えられています。実は、1,395年にフィリップ豪胆公が発令した有名なガメイ栽培禁止令には、ムロンの栽培禁止も含まれていました。

梁 世柱
2024年5月17日


再会 <60> 南ローヌの伏兵
Domaine de Marcoux, Lirac Rouge “La Lorentine” 2021. ¥4,900 南ローヌ は世界的な銘醸地だが、(少なくとも日本では)あまり理解されていない産地でもある。 この地では Chateauneuf-du-Pape (以降、CDP)の名声がずば抜けて高いため、 南ローヌはCDPと「その他」のような構図になってしまっている ようにすら思えるが、そのCDPですら、品種構成も土壌組成も極めて複雑なため、理解は容易ではない。 世界的な食のライト化に伴って、より軽いワインを好む風潮が強まっているのも、南ローヌにとって向かい風となっている。 最も名高いCDPは、難しい上に高価だから、気軽に試すことも難しい。 おそらく、CDPに次いで認知されているのは Gigondas だと思うが、ワイン愛好家であっても、Gigondasを飲んだことがある人はかなりの少数派となるだろう。 さらに、今回の再会ワインである Lirac の赤ともなれば、ほとんどの人にとって未体験のワインとなる可能性は高い。

梁 世柱
2024年5月12日


Advanced Académie <36> ブルゴーニュ・クリマ・ランキング Volnay
ブルゴーニュにおける葡萄畑のランキング企画となる、Advanced Académieの本シリーズ。 ご存知の通り、ブルゴーニュには超広域Bourgogneから始まりGrand Cruに至るまで、多階層の格付けが存在していますが、同階層内でも優劣が生じます。 本シリーズでは、以下のような形で、すべての特級畑、一部の一級畑(単一としてリリースされることが多いクリマ)、一部の村名格畑(特筆すべき品質のものを抜粋)をランキングしていきます。 SS:最上位の特級畑クラス S:平均的な特級畑クラス(一部の一級畑も該当) A:特級畑に肉薄する最上位の一級畑クラス(一部の特級畑も該当) B:際立って秀逸な一級畑クラス(一部の特級畑も該当) C : 秀逸な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) D:平凡な一級畑クラス(一部の村名格畑も該当) 一部のクリマに関しては、生産者による品質の落差が大きいため、(A~S)のようにランクを跨いだ評価となります。 第8回は Volnay をテーマと致します。 全体的に豊満なワインが多い C ô te de

梁 世柱
2024年5月11日
bottom of page