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【実験】ワイングラスと実際の味わいの関連性

久しぶりにやってまいりました。苅田のソムリエ実験レポート第3段。

第1弾第2弾 も合わせてお読みください。)


今回はグラスによる違いです。


今さらと思う方も多いかもしれません。


でも今自分が出しているワインに、最高の相性のグラスを使用できているといいきれますでしょうか?


ある有名ベトナム料理屋さんではシャンパン、白、赤、ロゼ、オレンジ、すべてグラスは1種類、それに合うようなワインをチョイスしている。補充も楽だしといっていたのを聞いて、目から鱗だったことがあります。


万能なグラスがある一方でグラスは様々なものがあり、有名グラスメーカーのサイトを覗けば品種ごと、ランクごとにかなり種類があるのに驚かされます。


弊店では1つの料理に対して2種類のドリンクを提供しており、様々なお酒の種類に合わせて、8種類のグラスを使い分けています。もちろんドリンクのマッチにあったものを組み合わせて提供しておりますが、グラスの性質を理解することでより素晴らしい体験をお客様にしていただけるのではないかと、今回の実験を思いついた次第です。


お店をやる、新しいグラスを購入するさいの参考になれば幸いです。



実験方法

まずは基準グラスにてテイスティング。

その後、タイプの違う①②③のグラスでテイスティング。

基準グラスからどう違うかを計測。


量は弊店でダブルペアリングを行う際に注ぐ最低量をイメージした、各40㏄。


今回もデータが官能的なものになるため、個人差を少なくするためにも私苅田、弊社ソムリエール栗原、また、外部ソムリエール吉川氏とともに3名で検証を行い、データをとった。


項目については以下の通り。

白ワインと日本酒は9℃、赤ワインは16℃、コーヒーと紅茶は50℃で計測した。



【計測の項目】

①香りの量


②味わい

ⅰ甘み(実際に糖分と感じる部分と、果実味として感じる部分の両方)

ⅱ酸味 

ⅲ渋み 苦み


③総合的な印象



【計測の数値について】

データの数値は-5から+5までの11段階。


あくまで好みの問題ではなく、それぞれの項目が基準グラスより強く感じた場合には+、弱く感じた場合は-、変わらない場合は0。


ただし、総合の部分項目のみ、ワインが主観的によりよく感じたかを基準にそれぞれの評価を下してもらった。


また、項目以外で特徴的な変化があった場合にはコメントワードとして残してもらった。



【グラスの種類】

ベースグラスと、弊店で使用しているグラスの中で少ない量を注ぐことの多い3種のグラスをチョイスした。



ベースグラス(標準的な万能型グラス)。※弊店ではテイスティンググラスとして使用

小ぶりのボルドー系のグラスのイメージです。厚みも標準的。

リーデル社 ヴィノムシリーズ ソーヴィニヨンブラン/デザートワインワイン

高さ:214 mm

素材:クリスタル

容量:350 ml


①木村硝子 ピーボ オーソドックス 63224-290 (ふくらみのあるシャンパングラス)

手ふきのグラスでかなり薄く軽い 

高さ:234 mm

素材:クリスタル

容量:290 ml


②木村硝子 ピーボ オーソドックス 62987-525(ブルゴーニュタイプ)

手ふきのグラスでかなり薄く軽い

高さ:240 mm

素材:クリスタル

容量:525 ml


③木村硝子 ピーボ オーソドックス 62987-450(モンラッシェグラス)

手ふきのグラスでかなり薄く軽い

高さ:220 mm

素材:クリスタル

容量:450 ml



【ドリンクの種類】

ワインは品種個性が分かりやすいもの、または特徴がよく出ているものを選定した。

ノンアルコールの需要も考え、香りある紅茶や、渋みと酸味を持ち合わせるコーヒーも併せて調査した。


ドリンクの詳細は以下の表1を参照。なお(16コーヒー)と(17紅茶)については他のアルコールとは違い基準を標準的なエスプレッソカップにてテイスティングを行った。


記事の続きは…

sommetimes.net を定期購読してお読みください。

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