top of page

点数はワインを救ったのか、殺したのか

  • 6 時間前
  • 読了時間: 7分

8000年を超える歴史を誇るワインの世界には、ときどき妙に現代的な悲喜劇が起きる。


古い権威に疑念をぶつけるために持ち込まれた仕組みが、やがてそれ自身、より効率的で、より流通に適し、より疑われにくい新たな権威へと変貌する。


ロバート・パーカーJr.100点満点法がもたらした変化も、まさにそういう種類の出来事だった。



まず認めておくべきことはある。


点数法は、歴史的名声や伝統的権威を完全に打ち砕いたわけではない。

名門は名門のままであり、偉大な畑は依然として偉大なままだった。


だが、それまであまりにも長く効きすぎていた「名門だから無条件偉大」という空気に対して、点数法は驚くほど無遠慮だった。


由緒があろうが格付けがあろうが、出来が悪ければ低く評価する。

逆に、新顔であっても良ければ高く評価する。


その忖のなさは、旧来の権威に安住を許さなかった。


その意味において、点数はたしかにワイン市場を救った


ワインは長いあいだ、味わいを楽しむよりずっと前の段階で、教養を要求する商品だった。


産地、格付け、生産者、葡萄品種、ヴィンテージの評判。店頭に並ぶボトルは、ほとんど暗号だった。

初心者はいつだって、自分の舌より先に、自分の無知のほうを思い知らされた。


そこへ100点満点法は、乱暴だが強力な翻訳装置として入り込んだ。


流通に比較の基準を与え、貴族的な教養ゲームだった市場に、初心者という多数派を本格的に参加させた。


そして、評価の民主化によって、無名の生産者にも歴史の外から浮上する回路を与えた。


ここまでは、点数法の重要な功績である。




問題は、その先だ。

記事の続きは…

sommetimes.net を定期購読してお読みください。

お問い合わせ

この​サイトについてのお問い合わせや取材依頼などは下記よりご連絡ください。

​有料会員になる

800円/月のプレミアムプランに加入して全ての記事にフリーアクセス​。
 

© 2024 SommeTimes

bottom of page